2017年度 東京ビジネスデザインアワード
テーマ賞:8点(最優秀賞1点、優秀賞2点を含む)
主催:東京都
※ここでは最優秀賞1点、優秀賞2点を紹介します
【提案最終審査総評(審査委員長 廣田尚子)】
本アワードが「ビジネスデザインアワード」を名乗る背景は、デザインや商品開発のあるべき姿として「良い技術」「良いモノ」「良いビジネス」の3つの要素が揃って初めて、企業が成長すると考えているからです。今回の最優秀賞と優秀賞を受賞した3社の提案は、その3つの要素が完璧に揃っていました。最優秀賞の「ユーザーが生地をカスタマイズできるパターンシート」は、企業の持つ非常に高い転写技術を生かし、ユーザー側にもクリエイションが生まれる点が今のDIYの時代にぴったりで、約1ヶ月のマッチング期間に試作品製作やワークショップを行うなど実働性があった点も評価ポイントとなりました。
(中略)今回の結果を通じて、東京都の企業の底力と発信力の高さを感じました。いずれの提案も独自性が高く、今までに世の中になかった新しいものだと言えます。ぜひ企業とクリエイターでその想いを分かち合って、実現に向けた歩みを進めて欲しいと考えています。
最優秀賞
ユーザーが生地をカスタマイズできるパターンシート
榊原美歩(株式会社GoodTheWhat)
- テーマ
- あらゆる生地素材にアイロン無しで貼れる「特殊転写技術」/株式会社扶桑(葛飾区)
- 受賞コメント
- あらゆる生地素材にアイロン無しで貼れる転写技術を用いたパターンシートは、誰もが気軽にカスタマイズできて、様々なシーンで活用できます。ぜひ商品化し、既存のアイロンシートに代わる新しいプロダクトに成長させていきたいと考えています。マッチング開始から1カ月半はスピード感を持ちつつ、楽しみながら企業である扶桑様と形にしていきました。賞に捉われず、提案を現実の形にすることにこだわり進めてきたので、これを機にぜひ開発に弾みをつけていきたいです。
優秀賞
プログラミング思考×パズル。未来を広げる知育玩具。
クリエーティブチーム(松岡湧紀、青井正仁、榛葉幸哉、西畠勇氣[電通アイソバー株式社])
- テーマ
- 高品質・高技術の純国産「ジグソーパズル製造技術」/株式会社やのまん(台東区)
- 受賞コメント
- プログラミングというと難しいというイメージがありますが、提案した知育玩具では、ジグソーパズルでプログラミングの基礎を学びながら親子で楽しむコミュニケーションを行うことで、その先入観をなくし、これからの時代に求められるプログラミング思考を自然と身につけることができます。2020年に小学校教育にプログラミングが導入されますが、その前年の2019年の商品化を目指していきたいと考えています。(松岡)
新しい機能性を持たせた「光る発泡スチロール」
榎本大輔、横山織恵(hitoe)
- テーマ
- 98%の空気でつくる機能性エコ素材「発泡スチロール成形技術」/株式会社石山(墨田区)
- 受賞コメント
- 原料への添加が可能な発泡スチロールの特徴を活かし、素材からデザインをプランニングして「光る発泡スチロール」を提案しました。企業である石山様には、マッチング開始から1カ月半の間に発光資材を自社で開発いただくなど、チャレンジングな取り組みを行っていただきました。東京ビジネスデザインアワードは、毎年テーマと課題が変わり、提案内容も変化します。企業様とよく相談し、課題を共有する中で、実現化に向けて一緒に動いていきたいです。(榎本)