サンスター文具 第24回 文房具アイデアコンテスト
応募作品数:4507点(一般部門:2506点/ジュニア部門:2001点)
受賞作品数:20点(一般部門:11点/ジュニア部門:9点)
主催:サンスター文具株式会社
※ここでは、グランプリ・優秀賞をご紹介します
一般部門
グランプリ
- 作品コメント
- 一層目を開くと二層目に施された色鮮やかなグラデーションが現れるカッティングマット。本来であれば時間が経つに連れて痛々しい姿へと変わる傷も、使うほどに色鮮やかに、明るく、楽しい気持ちへと導いてくれる。
- 審査コメント
- 生まれた時から傷つけられる運命を背負った裏方のカッティングマットに、表舞台への道を開くアイデアです。傷というマイナスイメージをプラスに変えるだけでなく、無個性な工業製品に個性を与えるアイデアでもあると思います。使えば使うほど古くなるのではなく、美しく個性的に成長していくアイデアは、カッティングマットにとどまらず、あらゆる道具に応用できる可能性さえ開いてくれた秀逸なアイデアです。(安次富隆)
優秀賞
- 作品コメント
- 二つ折りに閉じて立てると設置部にアイコンが表れ、メッセージを開く前に意図が伝わる付箋。用途に合わせてアイコンを選択し、外面に伝言相手の名前・中面にメッセージ等を書き込める。二つ折りなので他の人には読まれにくく、接着部分を下にして立てると倒れず目に付きやすい。
- 審査コメント
- 実用性とオシャレさが高レベルで同居した秀作でした。付箋の作品は非常に多かったのですが、3Dの発想で付箋の大まかな伝達事項を視覚的に伝えるというのは斬新でした。二つ折りになり秘匿性も守られかつ、相手が絶対に開いてくれる派手さもあり速攻商品化できるんじゃないでしょうか!(ヒャダイン)
- 作品コメント(一部抜粋)
- ノートと言いますと普通開く方向は決まっており一方向にしか開くできません。しかし、実際にノートを使っていると、このページは他と区別したいのになと感じることがあると思います。そんな悩みを解決するのがこのノートになっています。開き方が2通りあることで、通常の内容はいつも通り開き、特別な内容の時は別の向きに開くといった使い方が可能です。例えば授業中、板書は横向きに開き、問題演習は縦に開くといったように振り分けることができます。両サイドミシン目がついているため、見た目もきっちり整い、使いやすい作りになっています。このノートは使い終わったら別々に保存できるようになっているため、重要な方だけを残すことができます。ノートを残しておくとどうしてもかさばってしまいがちです。しかし、板書だけ残し、解いた問題は破棄してしまうといったように整理整頓することもできます。
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- 審査コメント
- 縦書き横書きでノートを編集できるという今までなかったアイデア。その魅力の一つとして未知な部分が多いという点があると思います。使ってみて発見できる便利で面白い編集方法。自分だけのそれを発見したくて、見る者をワクワクさせてくれます。まずは使ってみたい!(ザリガニワークス)
- 作品コメント
- 消しゴムが小さくなったら、点線に沿ってカバーを切り開くとタコの形がうまれます。
- 審査コメント
- 余分になっていく箇所を「捨てる」のではなくて魅力に変える、というアイデアが素晴らしいです。ゴミが出ないのでエコです。消しゴムを考える場合、どうしても「邪魔になったところを切り取ろう」というところから考え始め、横に切る発想になってしまいがちですが、縦に切り込みを入れようと思いついたのが秀逸です。使う度にタコの足が開いていく…、ユニークな「OPEN!」の捉え方です。(山崎ナオコーラ)
- 作品コメント
- ルーズリーフの穴の部分がテープになっています。必要な分を切り、好きなものに張り付け、バインダーに保存します。のりの部分との境目は点線が目印になっています。バラバラになりがちだった小さなメモや思い出のチケット、残しておきたい色々なものをしっかりとまとめておくことで、今までの記録を見通しよくOPENにします。
- 審査コメント
- パッと見て「欲しい」と思いました。自分だったら演劇やライブのチケットの半券かなあ、それとも子供が書いてくれた手紙かなあ…などと使いみちも色々浮かんだ。人によって自由に思い出をカスタマイズできるのとてもいいと思うし、何より楽しい。いい作品ですね。(佐久間宜行)
ジュニア部門
グランプリ
- 作品コメント
- 勉強机の可能性をOPENにして無限大にするアイデアです。プロジェクションマッピングからアイデアを得ました。これがあると、五感で勉強できるようになります。勉強机の3方向にカーテンを付けて、DVDを挿入するとその内容の映像が3方向に流れます(内容は、「歴史」「人体」「宇宙」「学校」など)。その内容に関連した香りが出る器具もセットになっています。これは、病院で入院している子どもにとっても可能性をOPENにできる良いアイデアです。通学していた教室にカメラを設置したら、そこでの日常の様子がスクリーンに映せます。ネットを利用して生中継ができたら、病院にいながら教室で勉強できる気分になれるので、孤独感もなくなるし、勉強の遅れもなくなると期待できます。
- 審査コメント
- まず、絵のパンチ力と発想の強引さで笑いました。机の引き出しの中にあるタイムマシンはまだ作れないけれど、なら机ごと色々な時代に飛んでいけばいい。格好いい考えです。それだけでも受賞にふさわしと思うけど、最後に書いてあった「病院で勉強する子供も学校に来ている気分になる」という一文にもう一度やられました。最高だ!(佐久間宜行)
優秀賞(A. ペンケース・筆箱部門)
「リアル」のふで箱 ~なんだか追いつめられていく~
工藤温花
- 作品コメント(一部抜粋)
- このふで箱は、自分たちのおかれた現実、つまり「リアル」をつきつけてくるふで箱である。長期間休みなどに入ると、気がゆるんでしまい、宿題は休みの最後の方でやる。そんな人に向けたものである。この筆箱に、休みがいつから始まり、いつ終わるのか現在時刻を設定する。すると適当なタイミングで、休みの残り日数、時刻、その日何回筆箱をひらいたかを教えてくれる。
また、その日あまり筆箱をひらかなかったら、夕方あたりにカラスの鳴き声やトウフ売りの笛の音、夕焼けチャイムが鳴る。一日グダッとしてしまいがちな人にとってはなかなかこたえるものだ。でも、この筆箱は残り日数、お知らせ時の時刻、筆箱をあけた回数以外は何も言わない。宿題しろだなんて一言も言わない。これは長期休み後半あたりに威力を増す。暗に言われている感じが、「宿題やらなきゃやばい」という気持ちをかきたてるのにうってつけ。
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- 審査コメント
- 最高! かつて僕もももクロに「ワニとシャンプー」という曲を書き、夏休み最終日に終わらない宿題に追われる学生の絶望を描いたのですが、まさにそれを筆箱で表現してる! これはリアルタイムに学生をしている人の作品だから悲壮感や切実感が伝わってきます。その追い込みをかけてくれるのがまさか筆箱だなんて! 切迫感を演出するために「豆腐売りの音」まで聞こえてくるなんて。令和に豆腐売りというギャップも嬉しかったです。(ヒャダイン)
優秀賞(B. 国語・算数・理科・社会・図工部門)
- 作品コメント
- ノリの中で海の生き物がプカプカしています。買う時は何が入っているか分からないと面白いかも。金色のシークレットキャラがあったりしたら面白い! 小学生になってから、図工でたくさんノリを使うから何度も買いに行ったけど、面白いノリが全然ない! 全種類買い揃えるくらい楽しいノリが欲しいです。
- 審査コメント
- 可愛くてとても楽しく、それでいて現実味もある纏まりの良いアイデアに思ったので、年齢を見て驚きました! いいですねーこれ。生き物達のチョイスと振り分けも絶妙で、ただ生き物を浮かべました、ではなく、ひと目みただけでみんなのイキイキとした暮らしを想像してしまう楽しさがあります。描き込まれた泡にも愛情を感じますねー。ずっとウットリ眺めてしまいます。(ザリガニワークス)
優秀賞(C. 「OPEN!」で考えてみよう!部門)
- 作品コメント
- わたしはメイクやネイルにきょうみがあります。お母さんのメイク道具を見てひらめきました。中には、女の子がすきそうなメイク道具風の文房具が入っています。しょう品化したらぜひ、使いたいです。
- 審査コメント
- くし風じょうぎ、アイシャドウ風ぶんどき…、デザインがこまかく描かれていて、一つひとつがキュートです。自分がほんとうに欲しいものを描こう、としていることが伝わってきます。それは、とても大事なことです。「道を開く」という抽象的な「OPEN!」のとらえ方も面白いです。女の子の道、ということですが、男の子も、女の子だとか男の子だとかと性別でわけるのが好きじゃないという子も、きっと欲しくなります。(山崎ナオコーラ)