結果発表
2017/10/20 10:00

シェル美術賞 2017

応募作品数:852点
受賞作品数:8点(入選を除く)
主催:昭和シェル石油株式会社

グランプリ

食事
町田帆実
食事
作品コメント
毎日繰り返している「食事」という日常的な行為も、誰と、どこで、何を食べたのかによって、それぞれに鮮やかな記憶があると思います。
おおらかなタッチや余白から想像が膨み、鑑賞者の記憶の中にあるいつかの食事風景を、呼び起こせるような作品にしたいと思い、描きました。改めて、食の持つ楽しさや豊かさ、幸せを実感してもらいたいと思っています。
受賞コメント
グランプリという大きな賞をいただきましたことを、嬉しく思います。コンペティションにおいて、賞をいただくこと自体、初めてのことなので、結果のお知らせをいただいた時は、とても驚きました。これから制作活動を続けていく中で、背中を押してくれるような、大切な経験になりました。この気持ちを忘れずに、これからもたくさんの新しい作品を、生み出し続けていきたいです。

島敦彦審査員賞

何でも思い通りになると思っていたのでしょう?
末松由華利
何でも思い通りになると思っていたのでしょう?
作品コメント
不都合な事物、矛盾を孕んだ感情などを拾い集めて描くことで、現実での出来事を咀嚼し、ようやく自身の中に落とし込めるような気がします。私たちの生きるこの世と、この世に生きる私たちの、救い難い程の残酷さと優しさは、いつも私の興味の主軸です。

新藤淳審査員賞

みちびかれていく
野中美里
みちびかれていく
作品コメント
自然はいつも大きく私を包み、怖いくらい強さを感じます。そこから見た風景は、明るく、果てしなく、揺れを感じます。

能勢陽子審査員賞

remember
花沢 忍
remember
作品コメント
「わたしたちは許されている」大昔、友達が言った言葉を思い出します。踊り、狂い、笑い、悲しみ、誰かを想い祈り続けること。恥ずかしいことをし続けること。息をし続け、切なさのなかで生き続けることを、私たちは許されているんだと。愛とか生とか死とかを語ることはどうしてもダサくて恥ずかしいけど、久々に描いた絵が少し幸せな絵になって嬉しいです。美しい自然、特別に愛する人達、急に来てくれたマロン(犬)に。

藪前知子審査員賞

これはまるで漂流
三谷めめ子
これはまるで漂流
作品コメント
「そこそこ幸せに穏やかに暮らす」という気持ち控えめの夢でも要領の悪い人間の場合はそう簡単には叶えられないようだと最近やっと気づいた私の、今年で25歳になるけれどまだまだ色々なことがままならない私の、遠吠えのような作品です。

橋爪彩審査員賞

かたち(4)
矢島智美
かたち(4)
作品コメント
対象の持つ潜在的なエネルギーを表現することを目的に制作しています。静かに佇んでいるモチーフから感じ取った密やかな力強さを、絵具の質量やマチエルによって、見る人に感じてもらいたいと思っています。
タイトルの「かたち」は、この作品が抽象画ではなく、ものを見て描かれた絵だということを表しています。また、対象の表面的ではない、観察から見つけ出した「形」を描いているという意味も含まれているのです。

学生特別賞

anemone
関野凜太郎
anemone
作品コメント
私にとって制作とは自己の内に秘めた哀しみとの対話です。ですがそれは悲観的なものではありません。哀しみの前にかつて共にあった喜びへと思いを馳せる時間でもあります。日々、私の中に蠢くそういった感情を綴ったものがこの作品です。また、アネモネは色により相反する花言葉を持つ花でその点において今作のテーマに合致していると考え、花を散らした一輪のアネモネを画面内に配しました。
アマゾン
吉岡 瞳
アマゾン
作品コメント
モノや情報が溢れて熱帯の密林のように混在している中で、あちこちから出たカスや形になれなかったものさえも巻き込んで、ゆるやかに全体が海のように繋がり合う情景を絵にしました。
日々世界から送り出されてくる情報やモノの濁流の中で翻弄され脱色される個人の無力感を込めました。
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