結果発表
2021/08/04 10:00

第23回 雪梁舎フィレンツェ賞展

応募作品数:190点
受賞作品数:5点(佳作および入選を除く)
主催:公益財団法人雪梁舎美術館

フィレンツェ大賞

melt
只野彩佳
melt
作品コメント
いつもより光が反射して眩しい世界では、人も世界の輝きの一つとなって溶け込んでいく、そんな景色を描こうとしました。
雪の形や色をどれだけ感じ取り、表すことができるのか、自分の中で試みて描いた作品です。
目の前の景色がキラキラと輝いて見えた時間を感じてもらえたら嬉しいです。

フィレンツェ美術アカデミア賞

と或る道端の世間
中村文俊
と或る道端の世間
作品コメント
すさまじい勢いで移り変わる人間社会。
自分自身の生活で精一杯の中、待ったなしで追い打ちをかける天災や疫病。
そんな時勢の中、またと或る世間でも日々、生活は続く。

ファウンダー捧 賢一賞

山海曼荼羅図
吉田卓哉
山海曼荼羅図
作品コメント(一部抜粋)
ほとばしる水流が岩肌を削り取りながら長い年月をかけて様々な地形を生み出すように、或いは降り積もった雪を少しずつ融かして地面を露わにするように、画面に重ねられた絵の具層を幾度となく研磨することで得られるマチエールを、私は大事にしています。
今回の作品では、水の循環を象徴する形象としての魚や南瓜などのモチーフを構成的に配置することで、曼荼羅図のようなイメージを浮かび上がらせました。山に囲まれた盆地に生まれ育った私にとって、海は憧れであり未知なる領域です。山と海を境界のない一つの繋がりを持った世界として描いてみたいと考えたため、多くの要素を詰め込んだ作品となりました。
この世にある森羅万象は時間の経過とともに変容します。しかし、過去から現在、そして未来にかけて変わらず大事に受け継がれていくものは確かに存在すると信じたいです。

優秀賞

本とたばこ
房 鑑成
本とたばこ
作品コメント
タバコと本で人物の性格を表現したいです。
小さな動きは、その人の個性や習慣などを表しています。同じくスツールでの自然な座り方にも、左側の女性は座り方が自由で楽です。右側の女性は本を抱えて右側に避ける傾向があります。
お互いの服装と動作に些細なギャップをつくり、視線を相手に合わせることで、興味深い心理活動や雰囲気を表現したいです。
不抜
柳田金乃助
不抜
作品コメント
廃墟はいつも私に興味深い「何か」を与えてくれます。
ある時は秘められた歴史を静かに囁く歌人となり、またある時は私を非日常へと手引きする怪しい案内人として…。
この世に廃墟が存在する限り私が絵筆を止めることはないでしょう。
しかし廃墟というその性質上、必ずといって良いほど重く悲しい過去がついてまわり、お世辞にも華々しいモノとは言えません。
だから私がそれらを描(えが)き出す時は、精一杯美しく温かい姿で、表現してあげたいと思っています。
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