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2018/03/16 10:00
第19回 雪梁舎フィレンツェ賞展
絵画・アート
受賞作品数:6点(佳作・入選を除く)
主催:公益財団法人雪梁舎美術館
フィレンツェ大賞
旅立ち
陳 芃宇
作品コメント
生活で見える 自然
触れる 日常
それに対し生まれた感情を基に「人」というテーマで様々な感情や思いを述べています。
この作品のモチーフとした自転車は、日常生活で日々使われるものであり、行きたいところへ連れていってくれる移動手段です。でも私にとって自転車は、一人一人が存在している象徴に思えます。自転車は人が乗らないとただの冷たい金属の製品ですが、駐輪場に停まった自転車が各家庭、各地方から乗って来て、ここに集まった「人々」であると私は感じます。そしてそれぞれの自転車が背負った使命はただの移動手段だけではなく、人々と出会わせ、未知の目的地まで探検させてくれる「旅人」の仲間としての役割もあります。
旅が始まります。どこまで連れていってくれるでしょうか…。
フィレンツェ美術アカデミア賞
からだになる
桂 典子
作品コメント
私は皮膚が弱く、ボロボロと皮膚が落ちてきます。
その皮膚達を見ていると、自分はこの子達によってつくられていたのだ、と実感します。
あらゆる生きもの(生きものに限った事ではありませんが)は、沢山の他の生きもの達によってつくられています。
それは体を構成する細胞達であったり、また、そのものになるための食べものでもあります。
何かが存在するということは、そのものをつくっているもの達がいる、そしてそのもの達も生きている。
その生き生きしたもの達が愛おしく感じられ、愛情をこめて描きました。
コメリ賞、オーディエンス賞
展望 254
伊庭広人
作品コメント
「最大の名誉は、けっして倒れないことではない。
倒れるたびに、起き上がることである。」 孔子
「展望」は、この時代を生きる心象風景である。
時代は危うく浮遊する。
薄っぺらな足元は頼りなく、日々危機を感じずにはいられない。
しかし後は天に委ねて、穏やかな態度をとる自由がある。
不安も後悔も焦りもなく、全て受け入れ、静かな覚悟で歩み続ける自由がある。
困難すらエネルギーに変えて、笑って飛び込んでゆくことも選択できる。
光は常に、私たちに道を示している。
オーディエンス賞 受賞コメント
ありがとうございます。
大勢の方に投票いただいた「オーディエンス賞」、大変励みになります。
書いていただいた感想を読むにつれ、“観ていただいている”という実感が込み上げました。
また普段、自身の作品の感想を聞く機会がない私にとって、大変興味深く参考になりました。
改めて、来場して下さった方々、投票して下さった方々、感想を書いて下さった方々、ありがとうございました。
優秀賞
現代風景I
野出員子
作品コメント
いつの時代にも在る生態をいかに自分らしく表現できるか、今ここに在る自分の命と家族や友人知人に感謝の気持ちを思い筆を走らせる…形や言葉に表しにくい気持ちを虫の姿に重ね合わせ思いを馳せ描いています。私にとって絵とは生きがいであり分身でもあります。
首途
板倉万里
作品コメント(一部抜粋)
おとなになることは簡単である。
役所でめんどうな手続きをする必要もない。夜なべするほどむずかしい試験に合格する必要もない。投票で選ばれるわけでもないから、駅を行き交う人々に毎朝むなしく演説しなくたっていい。財産も、地位も名誉もいらない。ただ過ごしていればいい。じっくり、ゆっくり、たまにせわしなく。
そうして二十年ほどたったころには、晴れておとなになっている。レンタル振袖の案内が届く。会計を済ませたあと、駐車券はあるかとたずねられる。友人とおとずれた飲食店でアルコールメニューを手渡される。わたしがなにも変わっていなくても、世間はわたしをおとなとして扱いはじめる。なにもしなくても、わたしはおとなにされる。
まだ制服のスカートを短くしたりしていたいのに。ショッピングモールで母の長い買い物にうんざりしたり、お子様ランチを食べたりしたいのに。ジュースだっておいしいんだから、高いお酒なんかよりそっちを勧めてよ。
…
SAD GIRL I
畑林和貴
作品コメント
ものがゆっくりと時間を経て少しずつ小さな傷や錆を纏っていくように、人も意識することもできないほどささやかに、少しずつ変わってしまっている部分があるのかもしれない、と思ったことがきっかけで今回の作品を描き始めました。
制作中、ランドセルを忘れて登校してしまったことや、友達からもらったキーホルダーとか、50円で売っていたジュースのことを思い出して、久々にあのジュースが飲みたいなあ、とか考えながら描いていたと思います。
公式ホームページ
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