自動運転バスのエクステリア・デザインコンペ
主催:交通安全環境研究所、筑波大学 谷口綾子研究室
受賞作品数:8点
ラッピング部門
最優秀賞
- 審査コメント
- コンセプトの明快さが秀逸である。自動運転に必要な要素を「初心者」「人との協調」「地域とのつながり」の三つに定め、それらを明確にデザインに落とし込んでいる。
具体的には、日本人なら誰もが知る初心者マークの色を使い、自動運転バスの発展途上性や成長可能性を表現、人々の理解と受容性を高めようしている。川崎市に由来する隠し要素により、地域になじむようにとの工夫もみられる。色の混じり合いで人々の協調を表現した点も優れている。
主催者の問題意識「自動運転の社会的受容」を読み込んで解釈するとともに、プレゼンテーションもよく練られたものであった。
優秀賞、審査員賞
- 審査コメント
- 想定外の、極めて独創的かつ卓越したアイデアから生まれた作品である。
未だ未熟な自動運転車を「修行中」とポジティブに転換し、低速走行を「安全・真面目」と捉え、両手を合わせて詫びるかのような車両リア部のイラストは、周囲のドライバーの社会受容性にダイレクトに訴えかけている。さらにSNSでの話題性や認知度を考慮した点、デザインがメッセージを分かりやすく伝える「人柄」となっている点も優れている。
ドットによるマンガらしさや、センサーを鼻やもみあげのように取り込んだレイアウトも巧みである。「乗ってくれてありがとう」という謙虚かつユニークな表現も高く評価できる。
主催者の意図を理解しつつ、敢えて視座を変えたアプローチとなっている。
特別賞
- 審査コメント
- 美しく楽しい印象にまとまっており、まちの風景にわくわくや夢を与える可能性が高く評価できる。
カラフルな色使いで、フロント・サイド・リアまでつながった一枚の大きな絵になっている点もユニークである。左右異なる配色や、描かれているものが何なのかを想像する楽しみも、「子どもが楽しめる」という明快なコンセプトの一環として優れている。
- 審査コメント
- 全体を上品にまとめながら、川崎の「音楽のまち」としての側面と親しみやすさを表現している。
金管楽器をテーマにした配色は、きらびやかな印象と親しみやすさを両立させ、「まだ知られていない川崎の音楽の魅力」を伝えるコンセプトを体現したもの。デザイン力は高く、シンフォニーホールへのアクセス手段として採用を検討してほしいという声もあった。
審査員賞
- 審査コメント
- 高い画力が審査員から評価された。小さな生き物が一生懸命バスを動かそうとする流れるような表現は、社会的受容性に寄与する可能性がある。
巧みなグラフィックで全体が楽しくまとまっており、カラーリングも面白い。ストーリー性もユニークである。
ボディ部門
最優秀賞
NIWA-BUS 地域で育てる庭のようなバス
本田 耕
- 審査コメント
- 想定以上に、実現可能性の高い斬新なコンセプトモデルであると評価する。シンプルで多くの人々に受容されるデザインであり、「幼さ・弱さ」だけに解を求めないアプローチは秀逸である。
バス停や待合ベンチも含めた交通システムをデザインし、「まちの緑をみんなで育むことで、地域コミュニティを育む。その営みこそが社会的受容性を高める」というモビリティ・ハブを体現したアイデアを高く評価する。サイズダウン前提で、既存のゴルフカートベースで実現可能なのではとの声もあった。
K-mo-limo 軽自動リムジン×ケモノなノリモノ:ケモリモ
福田英盛
- 審査コメント
- 主催者の問題意識を理解し、具現化した秀逸なデザインである。直球の回答、かつ、完成度が非常に高い。
自動運転に必要なセンサー類を耳や尾に格納する工夫、リアバンパーで自車の意図を示すアイデアが面白い。キャラクター性をしっかりと感じさせる造形でかわいらしさを演出し、社会的受容性を高める工夫がなされている。どちらが前か方向感がわかりやすく、工業デザインとしての完成度も高い。車両サイズは、提案通り小さくても、二回りくらい大きくてもよいのではとの意見もあった。
審査員賞
- 審査コメント
- 繭をモチーフとし、乗員への安全と周囲へのやさしさをアピールする意欲的なデザインである。実現性はともかく、社会受容性の新たな方向性を模索していると評価する。
LEDモジュールによる糸の発光といった発想や、糸パターンで注意喚起や周囲の状況を表現するアイデアも面白い。日常の移動よりも非日常、特別な空間で機能する可能性を秘めているとの声もあった。