結果発表
2022/06/10 10:00

第5回サンゲツ壁紙デザインアワード

応募作品数:446点
受賞作品数:7点
主催:株式会社サンゲツ

大賞

. to noise
原 寛貴、駒澤直登
. to noise
作品コメント
わずかな違和感がアクセントとなることを意図しました。ボロノイ曲線でベースとなる秩序をつくり、人に訴えかける力を持つノイズを、実際の壁紙への行為をモチーフとして生じさせています。人の行動を変えられる壁紙になればと思っています。

原:建築の設計の仕事をしていますが、今回壁紙をデザインすることで、改めて人の手で触れられるものの大切さを感じることができました。

駒澤:壁紙というものにどんな力があるのだろうと考えて、デザインに臨みました。この経験を普段の建築の仕事にも生かしていければと思います。
審査コメント
デザインのプロセスを聞いて衝撃があった。アナログ的な発想とデジタルでの落とし込み、そのロジックを評価したい。(谷山直義)

これからのつくり方の可能性を投じている。自分にはとても考えられないような方法で憧れすら感じる。(植原亮輔)

単なるデザインだけでなくパターン制作方法の斬新な提案を見て、作者の壁紙に向き合うオリジナルな姿勢を感じた。このアワードの未来を見せてくれたと言ってもいい。(安東陽子)

領域を横断してデザインするときのベースにできる考え方があるので、どのようなかたちの壁面にでも違和感なく対応していける可能性を感じた。(岡安 泉)

優秀賞

クリクリおめめ
ジャロンキットカジョン ポッサナン
クリクリおめめ
作品コメント
壁紙としてだけでなく、子どものためのキャンバスと考え、その想像力をデザインに取り入れました。無数のドットの中に目玉のイラストのドットがあるので、それを生き物に例えたりして描き足してほしいです。この壁紙が家族の思い出や記念になったらいいなと思っています。
審査コメント
幼少期のプリミティブな体験がベースで共感を生む。世界中にある文房具の丸いシールを使うことでボーダレスでもある。(谷山)

子どものための壁紙のようで、決して子どもに媚びたようになっていない。デザインとして整理されている。(植原)

ユーザーにデザインへの参加を促すような楽しい夢のある作品。商品化の際には壁紙とセットでシールやペンを用意しておいても良いくらいでは。(安東)

壁紙とユーザーの関係性が変えられる。それを使う側に任せて、思うままにできるという自由さがある。(岡安)

審査員賞(谷山賞)

TWIST 白黒ver.
本園師芳
TWIST 白黒ver.
作品コメント
手描きのドローイングによる身体性が、無機質な空間において心地良いノイズとなるのではと考えました。オートマティズム的な手法と作為的な描画でバランスを取りながら、壁紙としての居心地の良さも生み出しています。
審査コメント
荒削りでありながらも、人の手の密度のようなものを感じる。完全ではない部分がもたらす、緊張感がプラスに影響を与えている。(谷山)

審査員賞(植原賞)

up to you
畑澤真由美
up to you
作品コメント
機能や役割を限定せず、壁だけでなく、横使いや天井、パネルアート的にも使えるようにデザインしました。揺らいだ線によるミニマルな構成は和洋を問わず、どんな空間でも合うようなものを目指しています。
審査コメント
線が太くなる方向がグラフィックのセオリーとは逆にもかかわらず、奥行きを感じられる。そこをとてもコンセプチュアルに思う。(植原)

審査員賞(安東賞)

ochikami
小野竜哉
ochikami
作品コメント
誰でもできることからの偶発性と素材の特性をそのまま生かすことをコンセプトにしました。折り紙を自然に落とした映像を元にして、日本の伝統色とアンリ・マティスの作品の色をモチーフとしました。使った人が明るい気持ちになってもらえればと思います。
審査コメント
紙が落ちる様子を撮影した画像を基にした、生命感のあるシンプルな美しい作品。余白と影のバランスが秀逸で、壁紙の奥にさらに広がる空間が感じられる。(安東)

審査員賞(岡安賞)

SETOUCHI
中崎佑香
SETOUCHI
作品コメント
瀬戸内の海際の風景写真を曖昧な線模様で切り抜くことで、近くと遠くで見たときに異なる印象を生み出しています。グラデーションや線の重なりが、山、海、空という遠景や静けさを想起させる効果を意図しました。
審査コメント
斜めの格子から生まれる丸が、温かさやかわいらしさを感じさせる。設計的な手法と、風景や情緒的なイメージがうまく噛み合っている。(岡安)

サンゲツ社員賞

ヒュッゲ(HYGGE)
山田佳貴
ヒュッゲ(HYGGE)
作品コメント
ゆとりのある居心地良い空間を意図して、デンマーク語から名前を取りました。人のつながりや会話のように輪が重なり合い、空間に広がっていくイメージです。日本の伝統色である3つの藍色を用い、輪が交わった輝きを金箔で表現しています。
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