全日本写真展 2019
応募作品数:5396点
受賞作品数:73点(一般の部:59点/高校生の部:14点)(入選を除く)
主催:全日本写真連盟、朝日新聞社
※ここでは、金賞・銀賞をご紹介します
一般の部
金賞
- 審査コメント
- いったいどういう場面なのか分からない面白さがある。タイトルや防護服のような格好から、3・11や豚コレラなどを想像してしまう。実際は愛知県・佐久島の民家の黒壁を保存するためにボランティアが黒ペンキを塗っている場面だが、この一枚で色々な物語、それも現代の問題を想像できるのがいい。
銀賞
- 審査コメント
- 一枚だと分かりにくいが、組んだことで力を持ってくる作品だ。何でもダメだと言われる時代に、こんなに自由に子どもの夢をそのままやらせてあげる家庭があるんだと、ホッとするような写真だ。おじいちゃんが孫を撮っているが、一家勢揃いの写真もあって、よくバリエーションを考えている。
- 審査コメント
- 特別な出来事に視点を向けていない日常性に立ち返った写真で、祭りなどのイベントを撮った作品が多い中で、逆に目立っている。アマチュアの多くからすると分かりにくい写真かも知れないが、シンプルなアプローチが被写体との関係性を見るものに想像させる。
- 審査コメント
- この光をつかまえたことがすべてだ。カメラ目線でない女性と、宇宙人のような謎めいた光の写り込みとの関係性を、見る人にいろいろ想像させる。街角観察の面白さを証明するような作品だ。
- 審査コメント
- タイトルを見なかったら普通の街頭スナップにしか見えないくらい、さりげなく奧に観覧車を配し、最後に種明かしをするような展開が面白い。街並みや人々の暮らしを非常によく観察していて、すべての写真のシャッターチャンスがすばらしい。
- 審査コメント
- 造形的に美しい写真だ。屋根のシルバーの劣化した枠、しわだらけの背中、標識、青い空などがそれぞれ相乗効果にもたらして写真を引き立てている。写真のイメージはスタイリッシュなのだが、写っているディテールは古ぼけていて、その情報の消し方が上手だ。
高校生の部
金賞
- 審査コメント
- 大人だったらこういう写真を撮って、こういう組み方はできない。モチーフも時間軸もバラバラだが、一枚一枚しっかり決めて撮っていて、全体としてまとまっている。2番目の人物を下から撮った写真も効いている。大人の頭の固さを反省させられるような作品だ。
銀賞
- 審査コメント
- 2枚目でグッと寄っていき、3枚目で引いて崩している、そういう組写真の組み方、距離感の取り方、レンズの使い方が面白い。被写体がカメラを意識しているコマがあり、客観的に撮ったコマもある。それぞれのメリハリが効いていて、バランスもすばらしい。
水星のダンス
三田梓颯(群馬県立富岡実業高等学校)
- 審査コメント
- 360度カメラで撮った写真。新しいカメラを本当に楽しみながら撮っているのがいい。人物、太陽、雲などの配置が絶妙で、気持ちのいい作品になっている。
- 審査コメント
- 完成度が高くスナップのお手本のような作品だ。人の配置、電線の入り方、奧の建物など、構図がすばらしい。作者はいろいろな情報をファインダーの中で整理できる人なのだろう。手前で走り抜ける少年の動きもいい。ガードマンたちの視線や、休んでいる人との対比が絶妙だ。