結果発表
2022/11/09 10:00

パッケージデザインコンテスト北海道 2021

応募作品数:266点
受賞作品数:14点
主催:経済産業省 北海道経済産業局 地域経済部 産業技術革新課 知的財産室
※ここでは、上位5点をご紹介します

グランプリ(北海道経済産業局長賞)

関塚真歩(プログラフ株式会社)
対象商品
ReTAKO(小笠原宏一〈個人事業主〉/苫前町)
審査コメント
ReTAKOは生産者さまの思いやコンセプトが特徴的であり、きちんと伝えるべきメッセージがある商品です。
そこを一番伝えようとしていたのがこの作品だったと思います。
ただの「タコ」ではない、どんなタコなのか、この商品を買うことにどのような意味があるのかということを伝える手段として上手にパッケージが使われていたと思います。
ReTAKOの作品は全体的にクオリティーの高い作品が多く、オリエンシートの内容から少しはみ出して新しい提案をしているものから、堅実で現実的なものまで幅広くありました。
その中で、生産者さまの思いに寄り添いながら新しい提案ができているものだったのではないかと思います。このデザインコンセプトを生かしたまま商品化し、このプロジェクトを盛り上げていって欲しいなと思います。(白本由佳)
受賞コメント(一部抜粋)
今回応募は4回目。応募を決めかね、そんなときに目に留まったのが対象商品の「ReTAKO」でした。
クライアントはタコ漁や販売だけにとどまらず「持続可能な漁村」を目指し、行動されている若き漁師・小笠原さん。
地元苫前の方々にも慕われ、村の子どもたちのために豊かに栄えるふるさとの景色を目指し、それを実現しようと頑張ってらっしゃるとのこと。
そんな村のヒーローのような姿を受け、原動力の一つとしてデザインの力を活用できないかと思うようになり、応募に至りました。

削ぎ落としたこの箱のデザインは凝ったグラフィックもギミックもなく…今回どうして賞をいただくことができたのか、明確な答えは正直まだ見えておりません。

準グランプリ(札幌市長賞)

中西 唯(朋和産業株式会社)
対象商品
おばあちゃんのとり五目(とり丸亭/旭川市)
審査コメント
こちらの作品は受賞作品の中で一番商品化のイメージが一番し易い完成度の高いデザインだったと思います。
商品特徴を素早く伝えながら、自立させたいという仕様面の希望をアイデアでクリアしていて、インパクトもありました。またコスト面でもあまり懸念点がありません。
他の審査員の方々がお話になっていましたが、「おばあちゃん」「とり五目」「お店のキャラクター」とどの要素をどのようなデザインとして使うのかということもこのパッケージデザインのポイントだったかと思います。
シズル感のある文字としゃもじの形状のデザインで見せながら、コストや仕様面もバッチリはまっていました。さまざまな制限のある中で最大の宣伝効果を発揮させるのがパッケージデザインの重要な役割でもあるのでそこのバランスは素晴らしかったと思います。(白本)
受賞コメント(一部抜粋)
この度は栄誉ある賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。デザインに関わってきた中でこのような賞にめぐりあえてとても嬉しいです。

今回の「おばあちゃんのとり五目」は「炊き込み」ではなく「まぜご飯」の素であることを伝えること、おばあちゃんがよそってくれるとり五目っておいしそう! からしゃもじ型にし、おいしいとほっこりとたのしいが連鎖するお店の雰囲気に合うといいなと思いながら制作しました。
今回の受賞で、自分が感じた商品の魅力にまっすぐ向き合ったことは、ちゃんと持ち味になるんだと自信を持つことができました。
とり丸亭様の皆様ならびに、審査委員、事務局の皆様、素敵な機会をありがとうございました。

優秀賞

池田忠也(合同会社ハチノジ)
対象商品
たつかま(有限会社ヤマシメイチ尾崎商店/岩内町)
審査コメント
審査は、商品特性をしっかりと説明すべきか、多くを語らずにニュアンスで伝えるのが良いのか、どちらの方向性が良いのか議論が繰り返されました。
結果として、売り方含めて後者の方向性でまとまり、端正な佇まいが高く評価されたこの作品に決定しました。私も後者の方向性を推した一人です。
ビジュアルに若干の既視感はあるものの、希少性の高い商品の価値を正確に伝えられていることも評価しました。
商品を試食してみると、見た目とのギャップに良い意味で驚きがあります。
そんな「!」もこのパッケージであれば納得できるのではないでしょうか。
今までは伝えきれていなかった商品の価値を、ぜひこのパッケージでアピールしていただきたいと思います。(鎌田順也)
佐藤輝幸(学校法人電子学園日本電子専門学校)
対象商品
黒豆きな粉(株式会社小田壱/幕別町)
審査コメント(一部抜粋)
ホワイトスペースに、黒い文字だけで情報が適材適所にレイアウトされており、ビジュアルとしても機能しつつ、他の類似商品と明確に差別化が計れるシンプルなデザインだと思いました。
きな粉が少し透けて見える半透明な部分と、しっかり見えるクリアな部分を設けていて、この見え方も絶妙で、上品な仕上がりです。
リニューアルデザインということで、今までのものと比べると若干弱さはあるかもしれませんが、新しいターゲット層に対しても響く、従来のイメージを一新した洗練されたデザインに票が集まりました。
このコンペティションは、商品化をして、さらに「売れる商品」に育てるのが最終的な目的です。従って、デザイナーと企業の方とのマッチングも重要な審査の要素だと考えています。(岡田善敬)
中澤さや香
対象商品
うどんや花あかりのソフトバウムクーヘン(和食や 花あかり/江別市)
審査コメント(一部抜粋)
第一次審査の時点でも私はこちらの作品を1位にさせていただいていました。
第一次審査は書類での審査なのですが、その時点でこの作品は全体のバランスが良いなと感じていました。
こちらの商品はうどん屋さんが作っているバウムクーヘンという特徴がある商品なのでそこをどのように生かしているかというのがポイントだったかと思います。
パッケージはコストのバランスも大事ですし、どのような場所で売られるかということでデザインの方向性が変わってきます。
バウムクーヘン自体は洋風なイメージの商品ですが、和風のうどん屋さんに置かれた時にどのように見えるかということも大事なポイントです。
お店の雰囲気とかけ離れてしまってはどちらにとってももったいないなと思います。(白本)
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