結果発表
2025/10/09 10:00

おおしま国際手づくり絵本コンクール 2025

主催:公益財団法人射水市絵本文化振興財団

応募作品数:236点
受賞作品数:17点(入選を除く)
※ここでは、上位7点をご紹介します

最優秀賞 文部科学大臣賞

おやすみ もふどん
かとうえりこ
一般の部
おやすみ もふどん
審査コメント(一部抜粋)
そのタイトルからこれから寝ようとしている恐竜のお話というのがすぐに想像され、キャラクターのもふどんが、ふとんとぬいぐるみをひきずっている姿が愛らしく読む前からワクワクさせられました。内容ももふどんが寝ている姿と、今日の出来事の様子がうまく構成されていました。(高畠那生)

シンプルだけど「おやすみ絵本」としてしっかり完成されている! 楽しかったことを思い出しながら、無理なく自然と眠りに落ちていく様子はお見事! 現実のもふどんと回想との自然な一体表現も素晴らしい! それぞれの場面でもふどんの表情が変わるとより魅力的かも。(山本 孝)

色も、塗り方の風合いも、お話にしっくりきていて、画面の使い方もうまく、いい感じに力が抜けたところに、ほっこりできました。さつまいもの布団がなぜかとても印象的で。(欲しいかも笑)(広田郁世)

金賞 富山県知事賞

ゆきのひのひっこし
樋口亜希子
一般の部
ゆきのひのひっこし
審査コメント(一部抜粋)
家の中を絵にするとき、ものを一つひとつ描いていき、それらをどのように配置するか、どんな壁紙かなどで住んでいる人の日常が表現できます。この絵本にはきつねのおじいさんとおばあさんが登場します。決してものは多くありませんが、素敵な生活をしていそうでほっこりできる絵本でした。(高畠)

扉の家の断面図にワクワクが止まらない! 描き込まれた部屋、道具から二人の慎ましやかな生活ぶりがちゃんと伝わってくる。片ページが続くので、まとめられる場面は1見開きで表現できればメリハリが生まれそう。裏表紙が真っ白なのは勿体無い。(山本)

心温まるストーリー。淡い色合いが雑な気もしますが、気負いのない線がすみずみまで見させてくれています。春は思い切って鮮やかでもよかったかも。ページを開いたときにわあ~~春だ!と思わせてしまうような。(広田)

金賞 射水市長賞

森のふたごと風のしっぽ
文・絵:わきたようこ 絵・しかけ:わきたたかし
しかけの部
森のふたごと風のしっぽ
審査コメント(一部抜粋)
ページを開いたときに飛び出してくる迫力だけではなく、森の木々が風にそよいでいる様子など、細やかなしかけが目を見張りました。しかけと絵がうまく組み合わさっていて、全体を通してのストーリーも読み応えのあるものになっていました。(高畠)

最初の森の場面うまい! 木の揺れにドキドキする! 大波の場面は迫力満点! イルカのギミックでは皆が声を上げた! ただ帰ってくるきっかけの弱さが気になった。気がつけば…ではなく誰もが納得できる展開が見つかるとより物語に没頭できると思う。(山本)

毎回気持ちのよいアングルの風景を見せてもらっています。作りもとても丁寧です。見ていていつの間にかリキ、ハナ、風のしっぽを忘れています。リキとハナの会話は無くてもよいのかも。(広田)

銀賞 富山県教育委員会賞

ちゃばしらちゃんのおでかけ
なこ なな
しかけの部
ちゃばしらちゃんのおでかけ
審査コメント(一部抜粋)
素朴な可愛さがありました。途中、ちゃばしらちゃんが近づいてくるしかけがありますが、ショート動画を見ているかのようでした。絵本はページを開くごとに大きな展開になりがちですが、このしかけは細かな動きが表現できていました。しかけと全体の印象がよくマッチしていました。(高畠)

ちゃばしらちゃん…可愛い! ゆっくり寄ってくるギミックたまりません! 各お店や飲み物の表現も可愛らしく、愛情を感じる。ただ中心にある飲み物のギミックが、(サイドは変化があるものの)どれも似た表現なので、そこを工夫できればより楽しめるかも。(山本)

シンプルでわかりやすいしかけです。そのため茶柱の動きや湯気などアイデアが湧き、審査会でも盛り上がりました。インドのチャイやベトナムの蓮茶などもちゃばしらちゃんに飲みにでかけてほしいです。(広田)

銀賞 公益財団法人射水市絵本文化振興財団賞

もうすぐ
なっとうこ
一般の部
もうすぐ
審査コメント(一部抜粋)
ものがたくさん描かれているわけではありませんが、見開きの構図、色彩バランス、キャラクターの表情がずば抜けていました。柿たちに顔と手足がついていて走っている様子が描かれていますが、その中の一つだけ足が三つ。でも全然気にならないほど、絵におおらかさがあり気持ちのいい絵本でした。(高畠)

お野菜がお月さんに向かって歩く姿…可愛い。それぞれの向かい方、表情がとても愛らしい。月の場面は「待ってました」と声を上げた! できればお団子さんも自分で歩いて欲しかった。人間不在の方が、もっと幻想的で魅力的なお話になりそう。(山本)

ほのぼのとした秋の野菜たちが嬉しそうに画面を流れていきます。ページをめくるのがワクワク。団子や三宝も自分で走っていき、みんなで勢揃いすればよいかも。(広田)

銅賞 射水市教育委員会賞

ふしぎなしんかんせん
平野せい子
一般の部
ふしぎなしんかんせん
審査コメント(一部抜粋)
東名高速道路は途中で右ルートと左ルートと分かれる箇所がありますが、東海道新幹線も地上ルートと海中ルートがあれば楽しいのに……。この絵本には海中ルートがあります。変化していく海中と乗客をページをめくるごとに楽しめました。全体の色彩感覚が素晴らしいです。(高畠)

海に入っちゃう新幹線…それだけで面白い! 海の世界も独特で楽しそう! 竜宮城からの展開には笑ってしまった。ただどうやって元に戻るのか…が気になる。そこを描いてあげないと不安が残りそう。海に入るシーンもきちんと描いてあげるとお話に入りやすいかも。(山本)

色紙の貼り絵、むら染めの和紙で海中や空を表現。列車を降りてみんな老けてしまったページはもっと大胆にクローズアップしてもよいかも。(広田)

銅賞 射水市教育委員会賞

タカクマ銀河幻影軌道 星めぐり星座盤
しかけ:タカクマ 短歌:山宮のこ
しかけの部
タカクマ銀河幻影軌道 星めぐり星座盤
審査コメント(一部抜粋)
無限に広がる宇宙そのものを表現しているかのようなしかけで、ページを開くごとに思わず声を出してしまうほどの大迫力でした。飛び出してくるだけでなく、見ているとその宇宙に吸い込まれるかのようで、読後感はふわふわと自分が浮いているかのような気分になりました。(高畠)

前作よりもシンプルな印象と思いきや! 表紙のギミックに意表を突かれる! ページを捲る度に想像を超えて広がる星座、星雲のギミック、美しさに思わずため息がこぼれる。電車、駅の表現も健在! ほんの少し場面を繋ぐテキストがあるとより魅力的になると思う。(山本)

毎回グレードアップ! 開いたときの動きと大きさに感動します。個人的に付録としてまとめの星座盤ページが欲しかったです。(広田)
関連記事