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2025/12/11 10:00
第31回 北陸の家づくり設計コンペ《高校生、学生限定》
建築・インテリア・エクステリア
学生向け
主催:オダケホーム株式会社
応募作品数:103点
受賞作品数:11点(佳作を除く)
※ここでは、最優秀賞・特別賞をご紹介します
最優秀賞
地平線の家 Horizon House
津戸新太(福井大学大学院)
審査コメント
「支える」あるいは「支え合う」ことは特別なことではなく当たり前なことと捉えるべきであり、そのためには私たち全てが同じ大地に暮らしている共同体であることを再認識する必要があるのではないか?と問いかけている。曖昧な領域が連続しながら広がる地面の設えと、上空に浮かべられながらも視線や気配が立体的に交錯する住居空間によって意図した状況を生み出そうとしている。空間の魅力はもちろんであるが、何より「支える」というテーマに対する哲学的なアプローチと様々な読解を誘う詩的なプレゼンテーションに惹かれた。(竹内申一)
特別賞
オダケホーム賞
呼吸する家 ─ 金沢用水によって支えられる暮らし ─
鷹野礼奈(金沢科学技術大学校)
審査コメント
「呼吸する家」は、かつての田畑を支えた用水を再解釈し、風と人が行き交う新たな住まいを提案した意欲作。難しい三角形の敷地を活かし、風通しの良い島状の住居が魅力的に構成されている。多様な日常の行為が異なる奥行きで展開される空間構成も巧み。屋根の変化や農家風の外観もこの地の風土に合っている。ただ、水辺の設計にはもう少し工夫の余地があり、水の中に入れるような安全で豊かな場所があれば、建築との一体感がより強まっただろう。今後の発展が期待される提案である。(上原雄史)
北日本新聞社賞
0.5のよりどころ
中居圭太・新谷 幹・髙橋一颯(金沢工業大学)
審査コメント
この案は新しいコミュニティのあり方として自宅を開放していくという住み開きに着目した良案である。社会につながりを求めるサードプレイスとは異なる考えの居場所である「0.5のよりどころ」は少し内向きでお裾分けのような空間である。具体的には部屋の周囲の縁側がそれにあたり、部屋が島状に配置された構成がこの提案の良さを引き出している。一方で部屋の用途が曖昧になっている点は住み開きをすることが目的になってしまって、支えるという住み方の追求が不足しているようにも思えた。(西本雅人)
北國新聞社賞
道草の家
村田奈々(金沢工業大学大学院)
審査コメント
「道草の家」は、建築と街との関係を大きな断面パースで的確に描き、子どもたちの生命力を象徴的に表現した完成度の高い提案である。沈めるような屋根の操作は造形的にも魅力的で、建築家としての技量が感じられる。一方、傾斜のある金属屋根上での子どもの活動には安全性への配慮が不足しており、屋根と生活空間との関係もやや乏しい。巧みな技術を活かし、生活との接続性を意識した提案へと昇華されれば、より力強い作品となるだろう。(上原)
福井新聞社賞
離れて住み、寄り添って暮らす家
田畑壮志郎(大阪公立大学大学院)
審査コメント
あなたは気に入った山村に移り住もうと思うだろうか? 村のしきたりはあるか、仕事はできそうか、気候は合いそうか、不安は尽きないものである。そんな不安を解消してくれるかもしれない家がこの作品である。この家は、移住生活の基盤づくりを支えるための家として活用され、移住が決まれば、別の人の家として活用されるという仕組みが実に面白い。常に上位の評価であったが、図面や素材の扱い方のアピールがもう少し欲しかった。(西本)
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