ニコンフォトコンテスト 2020-2021 写真部門
応募作品数:6万5062点(動画部門を含む)
受賞作品数:14点(一般カテゴリー:6点/Next Generationカテゴリー:7点/ニコン社員が選ぶ特別賞:1点)
主催:株式会社ニコン
一般カテゴリー
グランプリ
Radiance(輝き)
Amin Nazari(イラン)
- ストーリー
- 新型コロナウイルスに感染したことで、治療のためにこの高齢者たちはイランのアフワーズにあるラーズィー病院に入院しました。2019年12月、新型コロナウイルスに人間が感染し、その後間もなくイランにも拡大しました。イランでは、最も深刻なときには、毎日およそ350人がウイルスで亡くなりました。ウイルスはあらゆる社会的な交流、職業、学業などに深刻な問題を引き起こしています。
- 受賞コメント
- このコンテストに参加し、最終候補22作品に選ばれ、賞を受賞できたことを嬉しく思います。
優秀賞
Covid-19 Pandemic(COVID-19パンデミック)
Ares Jonekson Saragi(インドネシア)
- ストーリー
- パンデミックの今、この葬儀担当者は毎日30~50体を超える新型コロナウイルス陽性の、またはその疑いのある遺体を埋葬しています。その日に埋葬する遺体の数について確かなことを知らされないまま、彼らはほとんどの時間、埋葬地で霊柩車の到着を待つように言われたのです。
- 受賞コメント
- 私の写真がニコンフォトコンテストの受賞作品に選ばれたことを大変光栄に思っています。私は、ニコンがこのフォトストーリーを提供してくれたことに感謝しています。このフォトストーリーが、愛する人を失った家族のためだけでなく、現場で働き、奉仕する以外の選択肢がない人々のためにも、パンデミックのために私たちが被った多くの損失を、現代の人々に思い出させることができると期待しています。将来的には、このドキュメントが、2020年にパンデミック・コロナ19ウイルスが全世界を襲ったときに何が起こったのか、そしてその時代に人々がどうやって生き延びたのかを思い起こさせるものになることを願っています。
奨励賞
- ストーリー
- 車窓から世相を眺めます。
- 受賞コメント
- この賞を与えてくれたニコンに感謝しています。今回、鄭州バスに初挑戦したのですが、それに見合うだけの成果が得られました。私は10年近くニコンのカメラを使っているので、今回の受賞はとても嬉しいです。
Mud Wall to Blackboard(泥壁から黒板へ)
SUDIPTO DAS(インド)
- ストーリー
- インドで最も貧しい民族が住むとされる地域では、スマートフォンやインターネット回線がなく、オンライン授業ができません。そのため、パンデミックのこの時代に、この村の校長が村全体を教室に変えました。この地域では生徒の90%以上が貧困レベルをはるかに下回る水準の生活を送っています。クマル氏は、村に出向いて泥壁を黒板に作り変え、生徒たちの学習習慣を保つという素晴らしいアイデアをひらめいたのです。
- 受賞コメント
- COVID-19の大流行は、私たちを憂鬱にさせます。フォトジャーナリストである私は、私たちの社会に楽観的なメッセージを与えることができるポジティブな写真を常に探しています。今回の受賞作品は、ジャールカンド州の最も貧しい部族が住む村の物語で、人生で最も困難な時期にある私たちに希望を与えてくれます。4日に一人の割合で子どもが人身売買されているこの州では、子どもたちを学校に通わせ、児童労働を防ぐために絶え間ない努力を続けています。サパン・クマール校長は、教育こそがこれらの問題を解決する唯一の方法であると考え、自分の地域の子どもたちが一人も教育を受けられないようにするために、絶え間ない努力を続けています。私の写真を受賞作品に選んでくださった審査員の方々に、心より感謝申し上げます。
Children(子供達)
Hakan Coplu(トルコ)
- ストーリー
- 霧に包まれた公園で遊ぶ子供たち。
- 受賞コメント
- この写真はイスタンブールで撮ったものです。霧の公園で子供たちが遊んでいました。霧の視覚効果は本当に魅惑的で、この瞬間を写真に撮れたことがとても嬉しかったです。私は33年近く写真を撮っていて、2009年からはニコンのカメラを使っています。今回、ニコンコンテストの受賞者の一人になれたことを大変光栄に思い、嬉しく思っています。私の写真を気に入ってくださった審査員の方々に感謝します。
選外佳作
A portrait of Hanan(ハナンの肖像)
Sam Youssef(ドイツ)
- ストーリー
- 抑圧や差別を受けているクィアの人々は、社会との関係や自分自身とのつながり方を反映した、特徴のある安全な環境を自分の部屋に作る傾向があります。これは、クィアの人たちが自分たちの安全な場所で撮影することを許可してくれる、継続的なプロジェクトの一部です。
Next Generationカテゴリー
優秀賞
Karwaan Bazaar(カルワン・バザール)
Shahriar Amin Fahim(バングラデシュ)
- ストーリー
- 新型コロナウイルスの世界的流行の中、私はどんなものであってもあらゆる出来事をカメラに収めました。雨季になると、ダッカのカルワン・バザールは豪雨に見舞われるたびに一日中水浸しになります。そこで、私は市場に行って写真を撮り、仕立屋が自分の仕事に心血を注いでいる、この尋常ではない一コマと出会ったのです。
- 受賞コメント(一部抜粋)
- この写真は、バングラデシュの首都ダッカの厳しい現実を表しています。世界的には未来のメガシティと呼ばれ、高層ビルが立ち並び、今日の最高の成果をもたらすあらゆる設備が整っています。しかし、ダッカの街中、あるいは街全体では、非常に残念な都市化が進んでいます。ダッカの街に大雨が降ると、街のあちこちで水浸しになる道路や場所があります。この写真は、都市計画の悪さと、都市住民がそれに慣れてしまっているというシナリオを劇的に表しています。この写真はまた、バングラデシュの将来を引き起こす環境問題を表現しています。近い将来、地球温暖化の状況と海面上昇の影響により、国土の大部分が水没し、永遠に失われることがわかっているからです。繰り返しになりますが、キャプションの“カルワン・バザール”は、この写真を撮影した場所です。
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Black lives matter(ブラック・ライブズ・マター)
Djessy Kungu(コンゴ)
- ストーリー
- ブラック・ライブズ・マター
- 受賞コメント
- 受賞したことに驚いていますが、私は言葉があまり得意ではないので、私の言葉や文章では語れないことを、私の写真が語ったり、説明したり、言ったりすることができればと思います。
奨励賞
水中的篮球(水中のバスケットボール)
郭 仲琪(中国)
- ストーリー
- 何日も降り続いた雨がようやくやみ、地面にはまだ水がたまっていますが、バスケットボールに対する少年たちの情熱は冷めることがありません。彼らはコート上を駆け回り、水たまりにもその元気な姿が映っています。
- 受賞コメント(一部抜粋)
- コンテストで入賞したことに驚いています! 写真は私の趣味であり、写真を撮ることは私の生活の中で習慣となっています。いつでもどこでも、素晴らしい瞬間や美しい風景を撮影するのが大好きです。私が持っているカメラの中で、スマートフォンは最も重要なものです。スマートフォンで画像を作成するプロセスはエキサイティングで、この感覚が大好きです。雨が降ったある日、バスケットボールコートに行くと、地面に水が溜まっているにもかかわらず、たくさんの男の子がバスケットボールをしていました。私はその時の反射を利用して何かイメージを作りたいと思い、何度も時間をかけて素晴らしい瞬間を待ちました。そして、ただ撮影しました。実際には、遊びでやっただけなんだけどね。コンテストの詳細を見て、私もやってみたいと思い、写真を投稿しました。このコンテストで入賞できたことは、私の人生において最も意味のあることだと思います。
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Child Jockey(チャイルドジョッキー)
Shahedul Islam Sadik(バングラデシュ)
- ストーリー
- 馬乗りはソリティアの1ゲームのようにひょいと始めてひょいとやめるような手軽な趣味ではありません。心から夢中になれるものです。人の心をわしづかみにして、一度そうなると、その人は人生が一変したことを認めざるを得ないでしょう。この少年の名はイブラヒム。彼は馬乗りに夢中で、馬乗りは彼の唯一の収入源です。ジョッキーには1回のレースの騎乗ごとに報酬が支払われ、報酬はレースの上位五人に分配されます。
- 受賞コメント
- 今年、Next Generationカテゴリーで受賞できたことにとても感激しています。私たちを取り巻く美しさをどのように捉えるか、これからも努力していきたいと思います。多くの才能ある写真家の中から私の作品が選ばれたことを知り、とても感激しています。また、他の受賞者、ノミネートされた皆さん、おめでとうございます。
The Other Self(他の自分)
Pauline Gauer(フランス)
- ストーリー
- 2019年のアムステルダムにて。私はこのオランダの首都のクラブやストリートで催されるさまざまなショーで、ドラッググクイーンのアビー・OMGを追いかけました。彼女の男性の性格「Henrique」と、風変わりなキャラクター「Abby OMG」との間の本当の二重性を捉えようとしました。鏡、スクリーン、そして自分自身の二つの側面、未だに差別的な社会の中で正反対でありながら切り離すことのできない二つの「自分」の間での証言です。
- 受賞コメント
- 私にとって非常に意味のあるこのルポルタージュを通して作品を発表する機会を与えてくれたコンクールに感謝したいと思います。HenriqueがAbby OMGに変身する様子を夜通し追うことで、彼が自分自身やドラッグクイーンというキャラクターをどのように見ているのかを浮き彫りにすることができました。しかし、私は他の人たちの視線も感じ取りました。多くの人たちは思いやりと驚きを持っていましたが、他の人たちは差別と同性愛嫌悪を持っていました。自由の街アムステルダムのLGBTQIA+エリアで、まさかこのような言葉を聞くとは思いませんでした。
The Powerful Poet(パワフルな詩人)
Kyros Alexandros Morales(アメリカ合衆国)
- ストーリー
- 小さな行進の後、みんなが集まって、心のこもった個人の言葉に耳を傾けていました。この男性もその一人です。彼は中心に向かい、自分で書いた詩を朗読し、涙を流しながら聴衆を見送りました。このような瞬間があるからこそ、ニュースを見ているだけでは気づかないような出来事が現実になるのだと思います。情熱を感じました。
- 受賞コメント
- つまり、この写真を選んだ理由は、構図と被写体にあります。すべての要素がうまく組み合わされていて、被写体が最高の感動的な瞬間を捉えていると思います。そして何よりも、この写真には、この国で正当な扱いを受けるために今もなお闘わなければならないアメリカ人たちの情熱が表れていると思います。
選外佳作
Playing bicycles with friends(友達と自転車で遊ぶ)
Larasati Zuhrah(インドネシア)
- ストーリー
- 友達と自転車で朝を迎える
ニコン社員が選ぶ特別賞
入賞作品
By the Bells(バイ・ザ・ベルズ)
Daniel Stein(アメリカ合衆国)
- ストーリー
- 去年、この場所を訪れたときに撮ろうとしたが、周囲の野生動物たちは私たちをおやつにしたほうがいいと考えたようで、私は逃げてしまいました。一年後、再びこの場所を訪れたとき、厚い雲が出迎えてくれました。野生動物がいないので、雲が引くのを待つことにしました。そして夜が更ける頃、念願かなって魔法の写真を撮ることができました。
- 受賞コメント
- この写真が今年のコンテストで入賞したことを聞いて、とても嬉しく思います。この写真は、コロラド州のロッキー山脈を一人で旅したときに撮影したものです。私は、自分の作品や、宇宙をイメージすることの意味だけでなく、自分自身とのつながりを探していました。この作品は、旅の最後の夜に撮影したもので、その意味は完璧なタイミングだったと思います。