結果発表
2016/12/14 10:00

第63回 ニッコールフォトコンテスト

応募作品数:28,995点(第1部:6,228点/第2部:12,918点/第3部:6,625点/第4部:3,224点)
主催:ニッコールクラブ事務局
※ここでは、ニッコール大賞の4点をご紹介します
※組写真のうち、1枚をご紹介しています
第1部:モノクローム

長岡賞・ニッコール大賞

火炎の中
青木竹二郎
火炎の中
講評(一部抜粋)
ニッコール大賞の青木竹二郎さんの「火炎の中」は、祭りの説明に終わることなく、人間と「火」の関係を真っ向からとらえた力作です。デジタル画像処理も題材の質感やトーンにこだわリ、微調整を繰り返しモノクロ作品としての質を高めイメージを印象的にまとめています。イラストレーションのようでもあり、木炭画のような趣も感じさせます。(大西みつぐ)
第2部:カラー

ニッコール大賞

正月準備
志岐利恵子
正月準備
講評(一部抜粋)
膨大な作品の中から栄えあるニッコール大賞に輝いた作品は、志岐利恵子さんの「正月準備」に決まりました。この作品はサロンド・ニッコールの1席をとった作品でもあり、今さらながら、会報の質の高さに驚かされます。奈良県天理市で年の終わりに村の人々が寺に集まり正月を迎える準備をする恒例行事なのでしょう。古びた寺に冬の陽が当たり輝いて見えます。煙や水面の映り込みなど、それぞれの美しい光と影でドラマを演出しています。高齢化する村の暮らしぶりの一端の記録でもありますが、一枚一枚の作品の完成度が高く、愛情のある眼差しで作品をより高めています。(ハナブサ・リュウ)
第3部:ネイチャー

ニッコール大賞

多様性バンザイ
植松利晃
多様性バンザイ
講評(一部抜粋)
植松利晃さんの「多様性バンザイ」は、体長1.5センチほどのエビの幼虫(#3)からウナギの稚魚(#1)、10センチほどのテナガタコの仲間(#2)まで、また撮影地も日本からパラオの海まで、小さな小さな世界の神秘を求めて水中撮影に挑まれました。特にタルマワシモドキという甲殻類がクラゲを巣にしている写真(#4)は共存するカタチが電球にも似ていてとても神秘的です。40億年という地球生物誕生の歴史の中でタイトルにもある多様性の存在の不思議を感じます。(織作峰子)
第4部:U-31

ニッコール大賞

残された時間
井上太志
残された時間
講評(一部抜粋)
大賞には井上太志さんの「残された時間」が選ばれました。18歳の男性の作品で曽祖母の姿を撮っています。決して派手な作品でありませんが、ベッドに横たわる曽祖母を丁寧に追っています。モノクロ表現による陰影が、作者との関係、時間の流れ、世代の違いといったものを見る側に静かでありながらも確実に伝えます。なにより心を揺さぶるのは、10代の若者が3世代離れた存在へ向けた愛おしい眼差しです。私には何故だか「母の視線」に似たものを感じました。世代が逆転して、親が我が子をめでながら撮影しているかのような錯覚を抱いたのです。それは、まさに世代を超えた愛の視線かもしれません。(小林紀晴)
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