第1回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize
主催:Mr. & Mrs. Abe合同会社
受賞作品数:47点(絵画・平面作品部門:27点/文芸作品部門:20点)
※ここでは、絵画・平面作品部門の上位8点をご紹介します
絵画・平面作品部門
大賞
- 審査コメント(一部抜粋)
- 樹の上に静かに腰掛ける少女。白い樹肌の樹の上部は波紋のようにデフォルメされており、いわゆる「梅の木」らしくはない不思議な印象です。一見すると作品の中に梅を直接的に描写するものはありません。梅の花を桜や桃の花と見分ける特徴、その一つに花の根元に軸がなく、枝にペタっと花がついているというものがあります。そのような梅の咲き方は、枝に腰掛ける少女の姿に重ね合わさるようです。静かに佇んでいるだけでありながらも、目を引く存在感を持つ彼女は、タイトルの通り樹上の主役です。彼女の衣服も樹肌と同系色であり、梅の木の上で自然と溶け込むかのようです。しかし、よく見ると、彼女の左手の人差し指には梅の花のリングが添えられており、シンプルで飾り気のない世界観の中で異彩を放っています。この小さなディテールが、作品に深みと個性を与えています。
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プラナスミューメ特別賞
審査員特別賞
- 審査コメント
- 梅の花が咲き、実がなり、収穫し、梅干しになり、口にする。その一連の思い出が、コマ割りを使った漫画的表現で描かれています。時系列とストーリーを一枚で表現するアイデアが面白いです。各コマには、季節の移り変わりを感じさせる色彩豊かな絵柄が描かれ、一枚絵としての全体像も見事に調和しています。季節を巡る梅との思い出がフレッシュな感性で解釈・表現された、素晴らしい作品です。
- 審査コメント
- 月面のうさぎたちが、おとぎ話のような雰囲気で描かれています。彼らはビンに入った梅の種のそばで静かに本を読んでおり、空想世界に浸っています。彼らの想像は、梅の種についての知られざる未来についてなのかもしれません。また、梅の種からは、花を咲かせた梅の木のような影が伸びており、これは未来を予感させるものとして印象的です。宇宙空間で咲く梅の姿は、まるで雪の夜に月明かりの下で咲く梅のような神秘的な美しさを感じました。ビンの中の、まだ成長していない梅の種は、想像もしえない無限の可能性を秘めている、そんなテーマと表現が非常に面白いですね。