結果発表
2024/01/25 10:00

もくチャレ第1回家具デザインコンテスト《学生限定》

主催:東京都

応募作品数:67点
受賞作品数:4点

最優秀賞

KIGUMI
古口善浩(金沢美術工芸大学)
KIGUMI
作品コンセプト
木組を利用したラウンジチェア
背と座、幕板と脚を蟻組継ぎで組むことで木目の繊維方向による強度問題の解消と部取を最適化することができました。木組という伝統技術を現代の木工機械が融合した一脚になっています。
審査コメント
入選作品の中でデザインから設計、仕上がりに至るまで完成度がいちばん高い作品でした。
とくに座面部分の木組は高さを1本ずつ変えてあり、しっかり考え抜かれています。強度に配慮した造形も評価されました。
30mmの板を20mmまで削ってつくられており、製作者のクラフトマンシップとも言える「つくり手の執念」のようなものを感じました。「商品化できるレベル」という言葉を最大の賛辞としてお送りしたいです。

優秀賞

the beginning
手島遼人(神戸電子専門学校)
the beginning
作品コンセプト
木の生命を表現したチェア
森林のサイクルのうちの始まりである木の苗が芽吹くような場面をイメージし、輪郭で植物の繊細さを表現しつつしっかりと根ざしたデザインにしました。
4枚の座面で構成された緩いくぼみで座り心地も快適。葉をモチーフにした背もたれは使用者の背中を包み込み、肘掛けは体勢の自由度を向上させてくれます。
審査コメント
デザインが面白く、無意識に座ってみたいと思わせる魅力がありました。また人間の体に合わせて、平面の板を使いながらも有機的な形状がよく設計できていました。体を覆う部分、肘掛け、座面の角度、大きさなどが適切に考えられていました。それゆえ審査委員から「座り心地が良い」という評価を多く引き出せていました。

奨励賞

カヌレスツール
山崎文也(名古屋造形大学)
カヌレスツール
作品コンセプト
カヌレのような丸くかわいらしいフォルムのスツール。
積層材の断面を前面に出し、素材の良さと特徴を味わうことのできるデザインにしました。14枚の板によって構成されており、すべての板を10度ずつ傾けています。
それによって座面葉より座りやすくなり、スツールが少し浮いたような印象を与え、重さを感じさせないような見た目にすることができました。
審査コメント
昨今、流行している洋菓子のカヌレにちなんだ着想がおしゃれで面白い。「カヌレ」とはフランス語で「溝がある」という意味ですが、文字どおり作品の形状に表現されて、室内に置かれていたら、椅子ではなくインテリア・オブジェのようにも感じられるのではないでしょうか。また機能的には、カヌレと言いつつ、足元が浮いていてロッキングさせるアイデアがあり、その機能性を追求すれば完成度がもっと上がったでしょう。
Puzzling Chair
高橋紗里(慶応義塾大学)
Puzzling Chair
作品コンセプト
一人の時、来客が来た時、物を置きたい時、あらゆる用途で役立つ「多目的な便利椅子」。
廃棄材を最低限に抑えるため、サブロクバン1枚に部材の割り当てが収まるように設計しました。また知育道具のように様々に形を変え、座面の数を簡単に増減させることができるのでワクワクしながら使い道を無限に見つけることができます。
審査コメント
全応募作品の中で発想がもっともユニークで、イメージボードの段階では審査員の期待をいちばん集めていました。椅子には、一人で座るものと長椅子のように複数人が座れるものがありますが、その両方を兼ね備えた椅子は今まで聞いたことがありません。夢がありました。それゆえに実制作は難易度が高くなりました。ものづくりはアイデアの「発想」だけでなく、その発想を実現する知識と経験が必要です。今後の飛躍に期待します。

関連リンク

関連記事