三井の戸建 建築アイディアコンペ
受賞作品数:7点
共催:三井不動産レジデンシャル株式会社、株式会社JDN
最優秀賞
それぞれの場所に包まれたみんなの場所
木下健二(ハル設計事務所)
- 作品コメント
- 街と暮らしに対して「つながり」を生む住宅です。
外観は上質でありながらも主張しすぎず、ナチュラルカラーで緑が栄える「ファインコート柏の葉キャンパス」の景観に馴染むデザインとします。
内部は個室(それぞれの場所)を西側の大きなボリュームの中にまとめ、LDKやワークスペース等の中心的な共有空間(みんなの場所)とシンプルに隔てます。
明快な構成が、陰のない共有空間の広がりとつながりを生みます。
それぞれの場所は適切なプライバシーを確保しながらも、みんなの場所に囲まれているのでお互いの気配を感じあえます。
共有空間は1階のLDKのほかに2階にワークスペースとガレージを計画し、家族それぞれのライフスタイルの変化に対して柔軟に対応できます。それぞれの場所に包まれたみんなの場所を持つ住まいの「孤立」のない「つながり」が健全な家族生活を育むことでしょう。
優秀賞
- 作品コメント
- 縁がつなげる街と暮らし。
家の外壁が道路から後退してできる余白は、木で仕上げた温もりある縁側空間が設えられた庭となり、小さな寄合所のように街に開かれた縁となる。
さらに半屋外のように開放的なL字状のLDKが縁と隣り合うことで、縁は広がり、街角の空間が縁を介して家の中へと浸透する。
公共性を帯びた縁が、豊かな街の環境を内包しながらグラデーショナルに生活へ入り込むことで、街と暮らしは緩やかにつながる。
入賞
離れのある暮らし
ナノメートルアーキテクチャー(野中あつみ+三谷裕樹)
- 作品コメント
- 母屋だけで完結している住宅に離れを足した住宅を提案する。
離れは子どもたちの遊び場として、友人を招いた際には大人数で利用できるリビングダイニングの延長として、親戚が訪れた際にはゲストルームとして活用でき、離れのある暮らしで「つながる」ことに多様さを帯びさせる。
そして家族の成長と共にこの場も成長していく、そのような変化を包容できる場になる。
- 作品コメント
- 本計画は、適度な距離感や間(ま)を「ゆとり」として捉えた住宅の提案である。
時の流れと共に、人と人、緑と緑が広がっていくことを意識した。
建物の内外、家族や地域との関わりが緩やかにつながり、暮らしを育む環境を形成する。
その基盤となる建物はモジュールを統一し、将来の多様な変化を受け入れる。
また、縁側や土間空間などの中間領域が、このまちの豊かな自然と呼応し、懐かしさを醸し出す。
分かれることで“つながる”家
木曽川剛士、田中慎一
- 作品コメント
- 家族・自然・まち・未来と“つながる”住宅。
建物が分節してできる【ソトドマ】・【ウチドマ】を通して、風や光、緑が入り込み、家族が過ごす適度な距離感が生まれます。
柏の葉の空気をふんだんに取り入れ、「世界の未来像」にふさわしい新しい家族の在り方を提案します。
- 作品コメント(一部抜粋)
- 千葉県柏市。東京まで通勤通学1時間以内と立地が良く、近年、各商業施設も充実してきており、若い人々の間では人気のエリアとなっている。市内北部に利根川が流れ、東部の手賀沼沿いには水田エリアが広がり、またテーマ性のある公園や、既存の森を利用した緑地など、自然豊かな面も兼ね備え、比較的若いファミリー層を中心に人口が増加している。
“こんぶくろ江東地区”の地区計画に際し、このような背景を下敷きとしつつ、新しい住宅街に起こり得る「現代のコミュニティ問題」を今回のテーマと合わせひも解く発想を考察。これが我々が提案する“つながる家”、「イチ_マル_イチのいえ」である。
人々は“住む”ということに退位してプライバシーを重要視する傾向がある。しかし、近年、多くの人がその言葉に対して過剰に反応しすぎているのではないだろうか。まちづくりや住まいに関しても、それらが形となって表れてきているように感じる。
…
つながりを築く「外の間」のある家
齋藤信正(travelbag)
- 作品コメント
- 「外の間」があるこの家は、住宅の内部で暮らしが完結せず外部に溢れ出すことで、街に人々の交流や人々のいる風景が生まれ、多様な“つながり”を築く家である。
1)半外部で、風や光、雨と緑といった自然環境と“つながる”空間である。
2)玄関先にあり、街と家、プライベートとパブリックが“つながる”空間である。
3)自由に利用できる「はなれ」が付設され、家族や世代が“つながる”空間である。