2014/11/28 19:00
MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 2014
応募作品数:233点
受賞作品数:14点
主催:MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 実行委員会
受賞作品数:14点
主催:MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 実行委員会
大賞
台湾と日本における暮らしの中にみられる紙造形と生活文化 -「紙」加工のデザインに関する研究
蕭 聖學(京都精華大学大学院 デザイン研究科 プロダクトデザイン領域 修了)
- 制作意図
- 日常生活において身近な「紙」をテーマに制作した作品。紙は広い領域で多様な用途に使われている。2年間にわたって台湾と日本で実施した調査では、暮らしや宗教に関連する場で、紙の造形が多くみられることに気が付いた。そこで今回、折り紙の要素を幾何学的に応用し、折り紙とピクトグラムを組み合わせた「オリピク」-紙造形実験と遊びの絵本-を提案する。さらに紙の幾何図形から創造する遊びの道具「オリジオ」を制作した。
佳作
DECO・BOCO mixed COLORS
イ ウンジョン(多摩美術大学 美術学部 生産デザイン学科 卒業)
- 制作意図
- 「DECO・BOCO mixed COLORS」の「DECO」はDecorationの略語であり、凸凹の「DECO」。その名のとおり、服の装飾的な要素としての凸凹な形と、色の重なりをテーマとして制作した作品。造形においては、組むという技法を応用したオリジナルテクニックを使い、凸凹の半立体をつくっていった。また、素材に透けるオーガンジーリボンを用いることで、見る角度によって表情を変化させる、豊かな色の重なりを生み出した。
PSYCHOLOGICAL QUEST 完全攻略本
杉本 一樹(武蔵野美術大学 造形学部通信教育課程 デザイン情報学科 卒業)
- 制作意図
- 本作は、鬱や引き籠りを改善するための攻略本です。自分自身の10年間もの引き籠りと鬱の生活から現行の治療法に限界を感じ、自分自身の力で治そうと奮起し、結果としていかに克服したかを綴りました。最大の売りは当事者の目線で書いたことによる大きな説得性に他ありません。またゲームの攻略本の体裁をとったことで読み手の敷居を低くした点も前例のない試みです。本書が今も悩める人々の新たな救いの指針になれたら幸いに思います。
MITSUBISHI CHEMICAL賞
モダン・タイムス -合理化社会に対する新たなオフィスビルの提案-
田中 和希(工学院大学 工学部 建築学科 卒業)
- 制作意図
- 現在の経済合理性を重視した非人間的なオフィスビル空間に疑問を抱いた。再開発が行われている六本木・虎ノ門地区に、路地という人間的な空間を取り入れ、ボトムアップ式にオフィスビルを提案する。路地の魅力を構成するキーワードを、路地空間にあてはめ分析する。さらに、敷地周辺の街路パターンを平面化し、形態を構成する手がかりとした。2つの分析結果を形態に反映させることで、安らぎのあるオフィスビルがつくれると考えた。
水野誠一賞
身体性と圧縮
魚谷 彩子(武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科 卒業)
- 制作意図
- 私たちは伝える情報を意識的であれ、無意識的であれ取捨選択しています。私はそれを情報の圧縮と考えてリサーチを進めました。その過程で身体性の拡張と情報の圧縮の関係に着目し、実制作に取り組みました。発見した形をよく伝えるために、濃淡のない切り絵で表現しました。また、圧縮された世界を自らの目で捉え直し、自らの手で切って表現することで、圧縮の世界と私の間に1:1の関係をつくり出すことに挑戦しました。
石井幹子賞
Floating Cloud ~水と人の間を編む~
富谷 啓之(多摩美術大学 美術学部 生産デザイン学科 卒業)
- 制作意図
- 水と人の間を編む。浮力と耐水性を備えた紐状のポリエチレン発泡素材を編み込むことで、人を水面に浮かせる構造体をデザインした。水のうねり、波の動きを編み目を通して身体に伝えながら、この構造体は身体をやさしく包みサポートし、確実に浮かせる。浮かんだ際に感じる独特の浮遊感。水中での無音の世界。水を感じ浮力をアシストされた身体は重力から解放され、まるで雲の上に寝転がっているような非日常な感覚、安らぎを創造する。
榮久庵憲司賞
Swanie
山中 美貴子(京都精華大学 デザイン学部 プロダクトデザイン学科 卒業)
- 制作意図
- 療養者の心理的負担を減らす吸飲みの提案。握って水分量を調整することができる。素材は寝たままでもくわえやすく、弱い力で握ることができるシリコーンを使用。また、自然界からイメージしたフォルムで患者の自然治癒力を高めることができる。増加する在宅医療においても日常生活に溶け込むデザインがさらに必要となるだろう。より患者目線のデザインで医療空間に快適性をもたらし、闘病生活の質を向上させたい。
向井周太郎賞
Semooth
田代 久征(武蔵野美術大学 造形学部 工芸工業デザイン学科 卒業)
- 制作意図
- 2024年の活躍を想定した、効率よくゴミ収集ができるEV清掃車の提案。今日、環境に対する新しい提案が数多く実現しているが、依然として清掃車のゴミ収集の仕組みが大きく改善されることはないように思える。人の生活と密接に関係している清掃車だからこそ、現在問題とされている騒音問題、排ガス問題、渋滞の原因元になるという問題を解決すれば、環境負荷だけでなく人の暮らしも今以上に改善できるのではないか。
向井周太郎賞
佇まう本 -プライベートプレスの実践-
関 亜弥子(武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科 卒業)
- 制作意図
- 2024年の活躍を想定した、効率よくゴミ収集ができるEV清掃車の提案。今日、環境に対する新しい提案が数多く実現しているが、依然として清掃車のゴミ収集の仕組みが大きく改善されることはないように思える。人の生活と密接に関係している清掃車だからこそ、現在問題とされている騒音問題、排ガス問題、渋滞の原因元になるという問題を解決すれば、環境負荷だけでなく人の暮らしも今以上に改善できるのではないか。
河原敏文賞
背景にあるもの
湯川 ちひろ(多摩美術大学 美術学部 環境デザイン学科 卒業)
- 制作意図
- おいしい料理を知らなければ、おいしい料理を作ることはできないし、失敗した記憶がなければ、また同じ失敗を繰り返してしまうだろう。私たちが今まで積み重ねてきた記憶や時間は、今の自分をつくり上げていて、見えるすべてのものには、そうなるまでの背景がある。その、確かではない見えないものを形にした。
坂井直樹賞
reflection in the sculpture
生永 麻衣(東京藝術大学 美術学部 デザイン学科 卒業)
- 制作意図
- 液晶ディスプレイやプロジェクター、LEDなどを利用した作品やプロダクトは、街でよく見かける。のっぺりした表面や正方形の集合体、青い光でできたそれらは、どこか似たような質感を持っている。無機質でぶっきらぼうな印象を持ち、大量の情報を垂れ流し、せわしなく動いている。この作品では、テクノロジーを使いつつも、そうした質の乏しさから抜け出し、喧噪を離れた静謐な時間を過ごせる空間をつくり出すことを試みた。
都築響一賞
杜
東谷 孝輔(武蔵野美術大学 造形学部通信教育課程 工芸工業デザイン学科 卒業)
- 制作意図
- 津波で流された写真を回収し持ち主に返却する活動を見た。思い出の品は人が生きていく原動力となり、守られる必要があると考えた。災害時は人命が最優先で、大事なもの、思い出の品を持ち出すことは困難である。「杜」は普段インテリアとして使える「非常時“持ち出さない”BOX」である。大事なものを収納しておき、非常時には持ち出す必要がない。衝撃、水、火に強く、紛失してもGPSで場所が分かる。
日比野克彦賞
Yane/はなしあいのやね
小島 康平(名古屋芸術大学 デザイン学部 デザイン学科 卒業)
- 制作意図
- いいアイデアはいい話し合いから生まれる。いい話し合いをするには、その内容とそこに集まる人々に合わせた互いの距離感と空気感が大切。「Yane」は、話し合いのための空間を切りとる。人と人との距離感をコントロールし、空気感をつくり出す。これは、いい話し合いのための「Yane」。
茂木健一郎賞
GROWTH CHAIR SERIES
石原 亮(首都大学東京 システムデザイン学部 システムデザイン学科 卒業)
- 制作意図
- 使い込むほどに模様が変化・成長していく椅子のシリーズ。異なる色の塗膜を重ね、表面を研磨することで模様を作り出した。この椅子は長く使っていくうちに塗装が摩耗し、自分だけの模様に変化していく。そのことにより、使用者に家具とのつながり・歴史・特別感を感じさせ、強い愛着を抱いてもらうことを意図した。