結果発表
2022/10/14 10:00

TOKYO MIDTOWN AWARD 2022 アートコンペ

応募作品数:263点
受賞作品数:6点
主催:東京ミッドタウン
協力:一般社団法人ノマドプロダクション

グランプリ

But he has nothing on at all
中田愛美里
But he has nothing on at allBut he has nothing on at all(中田愛美里)
作品コメント
バレリーナを目指していた頃、舞台に立つと無意識で空っぽな身体が誰かに何かを演じさせられているように感じた。その感覚は日常にも潜んでいて、現代には気づかないうちに演劇的な構造に参加させられている人がたくさんいる。この作品では、SNSで集めた着飾られた犬たちをモチーフに社会の中で“本当の自分ではない誰か”を無意識に演じさせられている人々の肖像を描く。私たちは大きな劇場の中で踊らされている。

準グランプリ

35°39’55”Nの旅
片貝葉月
35°39’55”Nの旅
作品コメント
この作品は「想像の旅」をすることを目的としています。その旅のルートは、東京ミッドタウンの展示場所と同じ緯度(35°39’55”N)をひたすら西へまっすぐに進む1本線の旅路。自分の足元から繋がる多種多様な世界を再発見し、自分と世界に対する新しい見方を手にすることは、分断されつつある世界を接着するための、一人ひとりができる、一つの手段になるのではないかと考えています。
Sky Forming Apparatus
studio SHOKO NARITA(成田雄基、平澤尚子)
Sky Forming Apparatus
作品コメント
空という漢字は「穴」に由来し、太古の人間は頭上に広がる大きな空っぽの中から神々が舞い降り、雲や雷が出てきては消えてゆくと考えていました。無と有の両方の側面を持つ空は、いつの時代も人間にとって五感を惑わす美しいものです。この作品は、空の原理を応用した特殊なガラスが生む色の移ろいを、パラボラアンテナで映し取っています。さまざまな人が行き交う東京ミッドタウンにおいて、いま鑑賞してもらいたい作品です。

優秀賞、審査員特別賞

空白を晒す
馬蹴れんな
空白を晒す
作品コメント
私は「空白」をあって当然の何かが失われた状態と仮定し、それを受け止めた際に湧き上がる感情の一つ、解放感に着目した。私は空白への逃避、即ち極限の解放を時折強く望む。もしそのような欲が誰の心の根底にもあるのだとしたら、人間は本質的に満たされないと言える。人間は強い欲と自己を持っていながらも支え合わないと生きていけない、センチメンタルの塊なのだ。

優秀賞

tooloop
井村一登
tooloop
作品コメント
さまざまな土地の黒曜石を砕き、溶かし、混ぜ合わせ、人工的に塊を生成する。本作は、展示会場で作家が制作した石器と、そこで生じた破片を展示する。黒曜石は産地の歴史を保存した記録媒体と言える存在であり、それを合わせることは土地の記憶を共有させる行為である。石器作りという目的により、軌跡は記憶を保持したまま分散する。ミッドタウンという場の構造、そこで生まれる人々の営みからこの作品案が生まれた。
六本木の肌理
平野利樹
六本木の肌理
作品コメント
公園のふわふわとした紫陽花、ゴツゴツした小石の舗装、ベトベトしたドーナッツ、ツルツルとしたスーパーの魚、ガチャガチャした路地裏のゴミ捨て場、ガタガタした雑居ビル、のっぺりとしたガラスの高層ビル。大小さまざまなスケールで見出された六本木という都市の肌理を、3Dスキャンによって収集し、デジタルファブリケーションと手作業によって再び物理空間上に製作することで、触覚的な都市空間体験を考察する作品です。
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