リサイクルアート展 2020
応募作品数:385点
受賞作品数:23点(一般の部:11点/高校生の部:4点/中学生の部:4点/小学生の部:4点)
主催:リサイクルアート展実行委員会
※ここでは、上位5点をご紹介します
一般の部
グランプリ
- 審査コメント
- 3500枚以上の新聞紙で鱗をつくり、身近な希少生物であるメダカをイメージした造形作品とのこと。彩色せずに新聞紙やプラスチック容器のカラ一部分を活用し、見事に重量感のある美しい色彩の魚へと変身させている点を評価します。また、形も魚のリアルさをよく表現しており、観る人に心地好さをもたらすとともに、様々なイメージを湧き上がらせる作品となっています。(審査委員長 村瀬千樫)
- 作品コンセプト
- 現在、地球には絶滅の恐れがある美しい生き物がたくさんいます。そこで、リサイクルをはじめとする環境保全の大切さと生き物の尊さを表現するために、身近な生き物であり絶滅危惧種のメダカをイメージしながら制作しました。大きさはメダカの約40倍です。
段ボールを鱗型にかたどり、鱗一枚一枚に新聞紙のカラー部分だけを切り抜いて貼りつけました。魚の内側は空洞になっており、口からは内側を覗き込めるようになっています。
地球上の雄大な自然がいつまでも守られていきますように、という願いを込めて「Earth Fish」と名づけました。
- アピールポイント
- 魚の制作に絵の具は一切使用しておらず、新聞紙のカラー部分の色でグラデーションをつけています。新聞紙には絵の具を絶妙な配合で混ぜたような色がたくさんあり、インクの資源も活用したいと思いました。
およそ3530枚の鱗には、季節の草花や空、虫や鳥など自然の生き物たちがいます。作品全体で四季を表現しているので、季節の移り変わりや美しさを感じていただけたら幸いです。
凖グランプリ
敷物にされたツギハギTIGER
classicdraw
- 審査コメント
- 400枚の着古した布をそのまま生かして縫い合わせ、絶滅の危機にある希少動物であるトラを表現し、環境保全の重要性を訴えたとのこと。ユーモラスな中にも形や色の絶妙な配置が美しい造形作品となっています。素材そのものを効果的に生かし、ツギハギの中にも統一感とバランスがある魅力をもったリサイクル作品と言えます。(村瀬千樫)
- 作品コンセプト
- 日本には布のはぎれを繋ぎ重ねてつくる「襤褸(ぼろ)」という文化があります。木綿などの布が貴重だった頃、人は布をとても大切にしてきました。着物の穴が開いた箇所にはあて布を縫ったりハギレを繋ぎ合わせたりして、一つの着物を代々受け継いで大切に使ってきた歴史があります。この作品は、襤褸の精神でもある「ものを大切にする」という心を表現するために、着古したTシャツとバンダナの400枚におよぶハギレを縫い合わせて制作しています。
また、モチーフであるトラは、紙や木材などを取るために生息地である森林を奪われ、密猟被害もあって絶滅危惧種となっています。今あるものに感謝し、限られた資源を大切にしていくことでこれからの地球と私たちの未来が明るいものになればと願います。
- アピールポイント
- 古布に色を塗ったり、染めたりすることなく、あえてTシャツとバンダナそのままのプリントとカラーを活かして制作しました。裏側にはカーテンを使い、体の中綿には羽毛布団を使っています。作品名には、漢字・ひらがな・カタカナ・英語を使うことでツギハギのコントラストを表現しています。虎の顔は不満を抱えたなんとも言えないチャーミングな表情をしており、見る者に訴えかけます。ファストファッションの出現により衣服を安価に手に入れることができるようになった反面、世界中で年間228億点もの売れ残った服が廃棄されていると言います。野生の虎においては、昔にいた10万頭が今はおよそ3000頭まで減少してしまいました。この作品がこれからの地球のことを考えるきっかけになれば嬉しいです。
高校生の部
グランプリ
綺麗な世界の代償
北海道札幌稲雲高等学校 美術部(16名)
- 審査コメント
- 目に見える美しい世界と目には見えない汚れた世界を空想の生物を使って同時に表現し、自然環境の重要性をアピールしたかった作品とのこと。段ボールや空き缶など様々な廃品の役割を生かしながらメッセージ性の強い、ダイナミックな造形作品となっています。作品をより良くしようとお互いに地球温暖化などリサイクルにかかわる様々な問題点を議論しながら洗い出し、形や色を工夫して表現に結び付け、質を向上させていったことがわかる作品となっています。(村瀬千樫)
- 作品コンセプト
- 世界にはたくさんの綺麗な街があります。この生き物の口の中にある街もその一つです。そんな綺麗な世界を作る裏側を知っていますか。たくさんの自然が汚れ、たくさんのゴミが出ている世界です。あなたには綺麗な世界しか見えていないかもしれません。少しでもいいので、汚い世界に目を向けてください。実は、その二つの世界は紙一重だったということに気付くでしょう。
- アピールポイント
- ゴミが散乱している所は極端に汚くみせるため、日常にありふれた空き缶やお菓子の包装などを使い、逆に街は綺麗にみせるため、キラキラしたものを所々に散らばせ、ライトアップもしました。この生き物の毛並みはゴミが散乱し汚くなるにつれて、荒くなるように新聞紙、スズランテープを用いました。できる限りの草木を生い茂らせることで、この生き物とは対照的に自然を強調して地球温暖化を表しました。
中学生の部
グランプリ
- 審査コメント
- 廃材を使って自分たちの仲間の一人をモデルにして、アンドロイドロボットを作ろうとした発想がおもしろく、時代の先端を歩いている感じがします。パソコンなど様々な素材を活用して工夫を重ね、魅力的なロボットとなっています。背景の構成など形や色のバランスもよく、造形的に完成させている点が評価できます。(村瀬千樫)
- 作品コンセプト
- 1年生の蒼依をモデルに「アオイちゃん2号」を想定して作りました。アンドロイドロボットですが、「取り扱い説明書」を作りました。少し人間くさい特徴やリサイクルに対する警告と啓発も含んだものとなっています。モデル本人のほうがかわいいです。
- アピールポイント
- 大きな段ボールは自動車のリサイクルパーツの段ボールを使用し、字を残しました。胸やお腹の扉を開けると、ディスプレイや基盤が見えるようになっています。また、取り扱い説明や主要諸元表も貼ってあります。膝には、リチウムイオン電池やハードディスクが埋め込まれていて、クリアファイルの透明シートから透けて見えます。
小学生の部
グランプリ
- 審査コメント
- 現在、世界中を苦しめている新型コロナウイルスを倒す怪獣を作りたいという、つまり世の中をよくしたいという発想が純粋で頼もしいと思います。恐竜や怪獣が好きで特撮や洋画に興味を持つという自分の特性を最大に生かし、薬を出して守ったり、口から炎を出したり工夫している点、また、プラスチック等、形や色彩を造形的に活用するなど、魅力的な造形作品となっています。(村瀬千樫)
- 作品コンセプト
- 新型コロナウイルスをたおす怪獣を作りたかった。
- アピールポイント
- ぼくは、恐竜、怪獣が好きなので休校中や夏休み怪獣を作ろうと思った。背中に、消毒ジェルなどのシールを貼り、感染したくない人には背中の薬のタンクから薬をだし守ることができる。コロナウイルスを発見したら口から出す炎によりウイルスをたおす。