リサイクルアート展 2019
応募作品数:393点
受賞作品数:23点(一般の部:11点/高校生の部:4点/中学生の部:4点/小学生の部:4点)
主催:リサイクルアート展実行委員会
一般の部
グランプリ
※緊急時は寝袋にもなります。
- 作品コンセプト
- クッション材のダンボールを使用して個性的なインパクトのあるジンベイザメを製作しました。
- アピールポイント
- 特徴のあるダンボールでできており鉄製のような迫力がありつつ紙の優しさがあります。
しかも軽量です。
中はお米の紙袋を使用しており緊急時には寝袋にもなります。
- 審査コメント
- 使い終えたクッション材のダンボールを見て、大きなジンベイザメを作ろうとしたその発想と、内部は米袋で緊急時は寝袋にも使えるようにして完成させた作品というところは見事だと感じました。
形はシンプルながら肌は鮫のザラザラ感を出し、色も単色で重みもあり、捨てられるものでもこのような生き生きとした造形物を作ることができるということを訴えているという評価です。
準グランプリ
HISTORY OF SKATEBOARDING
武内信親
- 作品コンセプト
- スケートボードの歴史を紡ぐ。
キャンバスはスケートボード。
画材はスケートボードの破片。
国籍問わず解釈できるように歴史を視覚的に表現。
スケートボードの破片にはスケートボーダーの歴史が詰まっている。
つまり歴史の1ピース。
表現の上でこれ以上適した素材はない。
- アピールポイント
- スケートボードの歴史が始まって約70年。元々は陸上でサーフィンの練習をするための道具でした。
今では2020年東京オリンピック正式種目に選ばれるまでに業界として成長を遂げています。これは、ほんの10年前までは考えられなかった出来事です。
また、トリック(技)も驚くべき進化を遂げています。多くのプロたちが「不可能」と言われたトリックを次々と成功させて歴史に名を刻んでいます。
この業界はこの先どこへ向かっていくのでしょう。私の作品がスケートボードの歴史を知るきっかけとなり、次の10年そしてその先の未来を考えることに繋がればと思います。
- 審査コメント
- 元々は陸上でサーフィンの練習をするための道具だったというスケートボードの板をキャンバスに、細かい破片を画材として、立体的な抽象絵画のような雰囲気をもった造形作品としたことを評価したいと思います。
全体と部分の変化ある構成と微妙な変化とバランス、リズムをもった色彩など不思議な魅力をもった作品となっています。
高校生の部
グランプリ
- 作品コンセプト
- リサイクルということで生まれ変わる、変わるというところを古い自分から新しい自分へ変わる……
中学生から高校生に変わるというところを照らし合わせて作りました。
古い自分をダンボール、新しい自分を広告と大きく分け、ダンボールから広告に移り変わっていく様子を表現しました。
- アピールポイント
- 右腕が取れ広告が吸い付いていく様子を生き生きと表現し、左腕では支えを作ったりせず作品として自立させました。
そして、生き物らしさを出すため背骨を作りました。
- 審査コメント
- ダンボールとチラシなどを用いて中学生から高校生へ変貌する自分の像を、リサイクルに重ね合わせて制作したとのこと。
古いダンボールの自分の体が、チラシである新しい自分の部分へと変わっていく様子が象徴的に表現されており、雑然とした中に生命を感じさせる細かい筒状のものが、生きている造形と言えます。
整っていない形にかえって躍動する生命感のようなものがみなぎっている点が評価できます。
中学生の部
グランプリ
グランド・ジャット島の日曜日の午後
札幌市立西岡北中学校 美術部(14名)
- 作品コンセプト
- ジョルジュ・スーラが点描で描いたこの作品を、色を塗ったプルタブで再現しました。
捨てられる運命のプルタブでもたくさん集めてひと工夫することで、昔の名画を生き生きと蘇らせることができると信じて、部員全員で力を合わせて取り組みました。
プルタブの輝きと相まって、点描画の明るく輝きのある画面を再現できたと思います。
- アピールポイント
- 全校から集めたプルタブに、一つひとつ丁寧に色を塗りました。さらにそのプルタブを針金で取り付けています。さらに縁には、もう一つのリサイクルアイテムであるアイスクリームの棒を、原画の額縁の雰囲気を生かせるように取り付けました。
制作期間1年以上の大作になりました。
- 審査コメント
- 捨てられているプルタブを使って、恐らく美術の授業の中で取り上げられたであろう新印象派のスーラが、点描で描いた名画を蘇らせた作品。
一つひとつプルタブに色を付け、人物の姿や複雑な構成を根気よく制作した努力を評価します。
完成まで1年かかったとのこと、いろいろなことがあっても全員で協力しないとできない作品であり点描画の雰囲気がよく出ていると思います。
小学生の部
グランプリ
進め! 人工衛星 ~未知なる未来の宇宙の為に~
谷口 青
- 作品コンセプト
- 運用を終えた人工衛星が、スペースデブリになってしまうのを減らすために、国際人工衛星ステーション(黒い箱の外側上部の、洗濯ばさみアームが付いている人工衛星)を作りました。
国際人工衛星ステーションは、まだ活躍できるのに燃料が少なくなり使えなくなってしまう人工衛星に、燃料を補給することでリユースさせることができます。
また、故障した人工衛星を、アームを使って修理ができます。直せなかった人工衛星は、部品を取っておいて、別の人工衛星の修理の時にリサイクルして使います。
この作品は、燃料が少なくなったスペースデブリ観測機(黒い箱の外側・向かって左横)が、国際人工衛星ステーションに燃料補給してもらう為に、これからドッキングする場面を作りました。
他にも、こんな人工衛星があったら良いなと思うものを作りました。
- アピールポイント
- ・色々なタイプのオリジナル人工衛星を作りました。
・国際人工衛星ステーション(黒い箱の外側・上部)のアームは稼働できます。
・スペースデブリ観測機(黒い箱の外側・正面向かって左横)は、パラボラアテナと電波をキャッチするところを一つのペットボトルから切り出して作りました。
・地球外生命体を探しに行った人工衛星(黒い箱の中・正面向かって左)、丸いふたを使ったソーラーパネルがくるくる回せるので、太陽の向きに合わせて稼働します。
・宇宙探査機イカロスを真似た、ダークマター探査機タコロス(黒い箱の中・真ん中)は、銀色の帆が綺麗に開くように、割りばしの向きを調節しました。
・太陽黒点観測探査機(黒い箱の中・向かって右)は、太陽を観測している様子を表すために、透明のふたを使ったレンズの奥に太陽の絵を描いています。
- 審査コメント
- 燃料を補給したり、故障した人工衛星がゴミにならないようにいろいろ工夫した人工衛星を独自に考えたその発想が評価できます。
造形的には点、線、面、球、四角、円柱など、形がそれぞれ面白く、色も宇宙空間を飛ぶ雰囲気が出ていてよいと思います。