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2019/12/06 10:00
紀の国トレイナート2019《作品公募》
絵画・アート
出展者数:12名(組)
主催:紀の国トレイナート実行委員会
1. 御坊駅~西御坊駅間
記憶写真列車 2019紀州鉄道
岩塚一恵
作品コメント
この懐かしく愛らしい紀州鉄道と、この場に関わってきた人々の記憶を通し、これからの時を刻んでゆく私たちがこの場所の記憶を共有する時間を創出したいと考えます。作品には地域の想い出の写真が使われています。
2. 道成寺駅~和佐駅間
Reflection
加藤あやこ
作品コメント
この作品は土地とそこを訪れる人々の関係を色で表した作品です。この土地を初めて訪れた人、ずっと暮らしている人、土地と人との関係は様々です。そして人によってその場所がどう見えるかは違うはず。
美しい自然に心をうたれる人もいれば、幼い頃の記憶と繋がり懐かしさを感じる人、都会の喧騒から離れ心を休める人、そんな人々の気持ちが反射し、その土地がキラキラと輝き彩られる様子を表現しました。
3. 切目駅~岩代駅間
貝の渡海船、紀の国の神話を紡ぐ
杉原信幸×中村綾花
作品コメント
紀の国の海辺で貝殻を拾い集め、樹脂で繋ぎあわせて、一艘の船をつくりました。美しい様々な貝殻を繋ぎあわせる行為は、紀の国の海の記憶を宿した光の泡を編んでいくようでした。それは紀の国に伝わる補陀落渡海の渡海行や水葬の歴史とも繋がります。日本書記に記される「少彦名命、行きて熊野の御崎に至りて、遂に常世郷に適(いでま)しぬ」という古代から常世と繋がる境界に位置した紀の国の海を表現すると同時に、土地に暮らす人と紀の国を訪れる人たちに、海に対する畏れと鎮魂の想い、豊かな恵みの海の両面を思い起こさせます。
4. 岩代駅~南部駅間、白浜駅~紀伊富田駅間
みなべ地上絵アートプロジェクト、お散歩ペンギン リターンズ
郷 さとこ
みなべ地上絵アートプロジェクト
作品コメント
みなべ町の土地の気配や動物を大きな地上絵にしていきます。ラインカーで引かれた白い線はダイナミックな記号の集合体となりつつ、やがて時間と共に消えていく儚いアートを出現させます。車窓から流れる地上絵はどんなカタチに見えるでしょうか。
5. 芳養駅~紀伊田辺駅間
はや
河合 進
作品コメント
芳養周辺の住人の顔を風景のなかに配置。列車がその顔を通過するタイミングで、モデルとなった本人による「はや!」という掛け声を列車内に流す作品です。
繰り返される掛け声で街の名前を印象付けつつ、車窓に短時間で流れていく顔たちが「速っ!」と発しているようなイメージを生み出します。
ただ通り過ぎていく風景の中にもたくさんの人々が暮らしており、それぞれの物語があることを感じてもらえればと思います。
6. 朝来駅向かい
風の耳:WIND EAR
半谷 学
作品コメント
米の収穫が済んだ田んぼに「穂」を象徴した作品を設置します。それは「紀の国の豊かな実り」を表現したもので、作品上部は本当の穂が風で揺れているように動きます。作品の材料には、使用が済んだ農業用トンネル支柱(グラスファイバー製)を、汚れを落として傷を修復した後に再利用しています。英文タイトルにある「EAR」は主に耳を意味する言葉ですが「Ear of Rice=稲穂」のように穂にも使われることがあります。風も穂も耳を持っていて人の言葉を静かに聞いているのかも知れません。
7. 椿駅~紀伊日置駅間
Todd’s Delights、Universal I
渋田 薫
Todd’s Delights
作品コメント
日本屈指のトランペッター、唐口一之さんのスイングをベースに制作致します。
木の壁×金管の協奏です。
一面はワークショップを通して完成する作品です。
8. 紀伊日置駅~周参見駅間
すさみであみ
深尾尚子
作品コメント
魚を捕るときに使う網からイメージした作品です。ひもを引っかける手法で幾何学模様を描き、それぞれを組み合わせた大きな構造体を、海が見える会場に設置します。さまざまな模様と形の重なりが、自然や生物の多様性と、すさみ町の人々が自然と共に生きる力強さを感じさせます。背景である海や空の様子、地面に落ちた影や作品の間を吹く風、においも作品の一部です。
9. 紀伊姫駅向かい
紀伊姫豊潤祈願祭 - The Great Mother Princess Kii -
宮嵜 浩
作品コメント
本作品は、「豊潤」を祈願した「神迎祭」をモチーフに、「姫」地区の土地それ自体や紀伊姫駅周辺に存在しうる「八百万のもの」に向けた「祭典会場」を設置するインスタレーション作品である。
「祭典会場」は目に見える形で作り上げるが、その会場に参加する「もの」達を不在にすることで、静けさの中で自然の景色や音に体を澄ませ、姫地区に存在するかもしれない「八百万のもの」を想像してもらいながら姫地区の魅力を醸成し、「豊潤」さを表現したいと思います。
10. 太地町立くじらの博物館/湯川駅~紀伊勝浦駅間
the world’s mask ~Taiji~
石田真也
作品コメント
今回、石田はトレイナート参加にあたり、ここ太地町にて約3週間にわたり滞在制作を行い、地元の方々との交流を通じ生活に根付く鯨の歴史や文化に触れた。マスクと衣装制作は、石田が以前より継続中のプロジェクトであり、国内外問わず、訪れた土地で廃材を収集し制作、現地でパフォーマンスを行うことを一貫して続けているものだ。マスクは鯨をテーマに、衣装には鯨の大漁を祝う踊り「鯨踊り」の法被と太地町立太地小学校の児童たちと描いた太地の海の絵を組み合わせ、受け継がれてきた太地の思いと、これからの太地を担う子どもたちの未来に希望を込めている。
期間中は太地町立くじらの博物館2階でご覧いただけます。(10/20のみ、臨時列車走行のためご覧になれません)
10/20は臨時アート列車「紀の国トレイナート号」に乗車していただくと、湯川駅~紀伊勝浦駅間、太地町の飛び地である夏山にて、パフォーマンスをご覧いただけます。
11. 那智海水浴場(ブルービーチ那智)
時の船
広谷純弘
作品コメント
設計した建築が14年経ち、デッキテラスも随分と老朽化した。みんなで傷んだデッキを張り替えた。そして汚れて傷だらけになった板を使って船のような作品を作った。14年の時間を刻んだ「時の舟」だ。この形は細いワイヤーの張力で成り立っている。つまり背骨のようなしっかりした構造がなく、板どうしがそれぞれを支えあっているのだ。だから「時の舟」は柔らかい空間を内包している。そこでは光と影、実像と虚像が重なり、波紋が時間を加える。
12. 三輪崎駅~新宮駅間
一(はじめ)「帯」シリーズ NO.11
小山和則
作品コメント
「JRきのくに線」の「新宮駅」を出発すると、車窓左手には、広大な太平洋の景観が広がり、熊野灘の大海原が横たわっています。この海沿いにある松林が美しい遊歩道は、いにしえから「熊野古道」として、王子ヶ浜を通り、熊野那智大社へ続きます。
この作品は、朝日・夕日に輝く金波銀波の水平線を、「JRきのくに線」の「車窓」や「熊野古道」からほど近い松林の木々の間に、竹を帯状に編み込んで表現したものです。無数の木々の垂直線の中に、1本の水平線を創出します。
タイトル「一」は「はじめ」と読み、新しい時代のスタートを意味します。改元の年、「令和元年」を、作品「一(はじめ)」と共に、皆さんと祝福したいと思います。
公式ホームページ
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