結果発表
2025/07/10 10:00

KEIRIN ART AWARD ~KEIRINは、新たな未来へ走り出す~

主催:公益財団法人JKA

応募作品数:173点(アップサイクル部門:36点/アートポスター部門:137点)
受賞作品数:12点(アップサイクル部門:5点/アートポスター部門:8点)
アップサイクル部門

グランプリ

HASSO Cushion
王 婧怡
HASSO Cushion
作品コンセプト
エネルギッシュさと、フィジカルの強靭さ。競輪の魅力は、スポーツの域に留まらず、観る者の心を揺さぶります。「HASSO Cushion」は、そんな競輪選手たちの肉体的な美しさと圧倒的なエネルギーを、日常に取り入れるためのアップサイクルプロダクトです。競技の中で肉体が発する瞬間的な激しさを、クッションという柔らかな形で表現しました。触れるたびに競輪の「疾走」がもたらす高揚感と、その先に広がる安らぎを体験できます。
審査コメント
意外性とデザイン性が伴った力強い作品で、インテリアとしても楽しめる、素晴らしい提案でした。(佐藤尊彦)

一目で心惹かれてしまいました。特徴的なフォルム、カラーリングは競輪とそのユニフォームをさらに魅力的にしてくれていると思いました。(田中美咲)

競輪選手にとって欠かせない体の部位を抽象的な形で表現し、色とりどりのクッションに落とし込んでいる点に、アップサイクルだけでなくアートとしての魅力を感じました。(アレックス・ゾンデレッガー)

準グランプリ

KEIRINユニフォームバッグ
OHAGI
KEIRINユニフォームバッグ
作品コンセプト
ユニフォームの形状と伸縮性のある素材、キャッチーな数字のデザインを活かして、自転車とも親和性の高いユニフォームのバッグを提案しました。このバッグを背負って競輪気分になることで、サイクリングやお出かけがより楽しくなれば嬉しいです。
審査コメント
製作において廃棄部分と工程を極端に削ったアイデアは、まさにアップサイクルに相応しい提案でした。(佐藤)

日常に競輪を落とし込み、さらに余すことなくユニフォームを活用した「アップサイクル」の本質を捉えていると思います。(田中)

ユニフォームの形をそのまま活かし、最小限の加工と最小限の追加素材で、余り布を排出することなく実用的なバッグを作り上げているところが素晴らしいです。(アレックス)

ライフスタイル賞

リペアシール
大畑五月
リペアシール
作品コンセプト
古くなり、ダメージのできてしまったアイテムを、絵を描くようにリペアできるシールです。競輪のユニフォームの独特なデザインや素材を余すことなく使ったシールは、古くなったり、ダメージがあったりするアイテムを新たな表情に生まれ変わらせてくれます。このシールによるリペア体験を通じて、コミュニケーションを生み、環境保護の意識と、競輪の魅力を、より多くの人に伝えていくことが狙いです。
審査コメント
シンプルなアイデアで、活用範囲の広さが魅力です。制作背景で社会福祉に目を向けたことも高評価です。(佐藤)

実装するモデルまで検討され、すぐにでも実現できると思いました。年齢やシーンに関係なく誰もが参加しやすいものだと思います。(田中)

アップサイクルグッズを用いて修復を行うという斬新なアイデアやユニフォーム素材や色を使って自分を表現するという新しい価値を生み出している点が素晴らしい作品です。(アレックス)

オリジナリティ賞

該当なし

JKA特別賞

自転車好きのためのメッセンジャーバッグ
穂積 優
自転車好きのためのメッセンジャーバッグ
作品コンセプト
カラフルなユニフォームと象徴的な選手番号を底面にも配置し、自転車に乗ると特に大胆に際立つメッセンジャーバッグです。1970年代、この形のバッグのルーツであるバイシクル・メッセンジャーは、元々は車社会や環境破壊への反目的なポリシーを持った若者が多かったといいます。世界を代表する自転車競技である競輪のユニフォームをメッセンジャーバッグにアップサイクルするというのは、環境にも優しい自転車乗りであるという新しいメッセージとなりそうです。
審査コメント
配色の美しさや車番が見えるデザイン等、ユニフォームの特徴を活かした、思わず欲しくなるような作品でした。(JKA)
アートポスター部門

グランプリ

努力が強さになる
治部 晶
努力が強さになる
作品コンセプト
競輪の鮮やかでエネルギッシュなレースの裏にある、選手の努力や葛藤をイメージして制作した。何層にも重ねられた線は自転車を漕いだ跡であるとともに、「目に見える努力」の蓄積だ。また線の揺らぎは、葛藤や揺れ動く感情を表している。この作品では「線」に大きな意味を持たせ、重きを置いた。華やかなレース時とは対照的な、練習時の努力や葛藤という、別の視点で競輪を見るきっかけになる作品にしたいと思い制作した。
審査コメント
レースのエネルギーや華やかさではなく、隠れた努力や葛藤を描いたオリジナリティとデザインが素晴らしい。(佐藤)

華やかな表舞台の背景に目を向けた素晴らしい作品だと思います。この努力の積み重ね、選手同士の思いなどが紡がれて今があるのだと知ると、競輪がさらに魅力的に感じられます。(田中)

シンプルながらも力強いビジュアルで、見る者を立ち止まらせ競輪について考えさせる点で際立っています。競輪の持つスピードと勝利といった輝かしい栄光を伝える側面だけでなく、それを成し遂げるための努力をも描いた、画から物語が生まれてくる良い作品だと思います。(アレックス)

準グランプリ

Integration
松田兼一郎
Integration
作品コンセプト
ブレーキのない自転車で最高速度70キロを超えるスピードで競い合う選手たち。その激動の中で一体化する選手と自転車を、競輪の象徴である車輪をモチーフに9色で表現。研ぎ澄まされた肉体と精神、スピードを感じられるようにシャープな印象に。また、ポスターの天地左右どこを上にしても成立する仕様に。このポスターを見た選手、スタッフ、観客の思いが一体化して競輪の明るい未来をイメージできることを目指した。
審査コメント
スポーツの身体性ではなく、車輪やユニフォームの色を使った抽象的アプローチに意外性を感じました。(佐藤)

「パターン」のうまさ、があったと思います。これが場内でフラッグやポスターとして掲げられ、カラフルに彩られていく「ポスターの先」を想像することができました。(田中)

円形を重ね合わせたグラフィックを、繋がりを表現するモチーフとして使用し、競輪をダイナミックに描写した点が素晴らしかったです。(アレックス)

優秀賞

融合
羽成優実
融合
作品コンセプト
空気抵抗を抑えるため、仲間で協力して作る「ライン」が崩れ、次第に個々の戦いとなっていく場面をグラフィック化しました。ラインという直線の規律が徐々に乱れ、選手同士がぶつかり合う様を、色の混じり合いの魅力に変換して表現しています。スピード感と熱量のある場面を表現するために、グラデーション部分は絵の具を用いたスパッタリングで表現し、自然な強弱が見られるように工夫しました。
審査コメント
レースの緊張感と熱量を、オリジナルの視点とテクニックを使い、グラフィカルに描いた点が魅力です。(佐藤)

選手の駆け引き、ラインとスピード、それらが競輪を象徴する九つのカラーの折り重なりによって表現されていて、面白いと思いました。そして、とても美しいとも感じました。(田中)

この作品は、競輪選手のラインが個々の戦いとなり、ぶつかり合う瞬間を、ダイナミックな色の混合と表現力豊かな残像で見事に捉え、レースの生々しいエネルギーを想起させている点が魅力です。(アレックス)
見逃せない、瞬間
野村香奈
見逃せない、瞬間
作品コンセプト
スピード感ある中で行われるレースは、一瞬一瞬の力や戦略のぶつかり合いの連続で、見ているこちら側も最後まで気が抜けないような緊張感があります。様々な要因ですぐに形勢が変わってしまうような一瞬も目が離せない面白さや迫力が伝わるように、選手が勢いをつけて走る、ある瞬間をメインビジュアルに描き、コピーとともにポスターにしました。粗々しく不均一な線は選手たちの努力、ひたむきさ、競輪の力強さを表しています。
審査コメント
作画方法が多様化するなか、手描きのアプローチと、コンポジションのセンスが光った作品です。(佐藤)

日本発祥のスポーツであることが言葉にせずともすぐに伝わると感じました。シンプルだけれど、とてもわかりやすく、力強い。とても面白いと思いました。(田中)

力強いドローイング、シンプルかつ大胆なストロークによって、競輪選手の強さ、努力、競技における集中力を見事に捉えています。(アレックス)
Born in Japan
髙橋大空
Born in Japan
作品コンセプト
1位を目指し競い合う競技はたくさんありますが、KEIRINの緊迫感ある駆け引きを中心にポスターを制作しました。終盤になりゴールに近づくにつれて上がっていく歓声とその中でも熱く、冷静に駆け引きをする選手、その様子を単純化し表現しています。タイトルは世界で活躍している日本人がいると嬉しいように、KEIRINが自分たちの国で生まれたことを知ってもらうとより興味が増すと思い「Born in Japan」としました。
審査コメント
スポーツのKEIRIN、選手の緊張感、観客の熱狂を、ストレートかつキャッチーに描き切った作品です。(佐藤)

選手の駆け引きが伝わる「目線」と「筋肉の盛り上がり」がイラストで表現されていると感じました。レトロなトーンで懐かしさも感じつつ、可愛さとかっこよさでずっと見ていたいと思いました。(田中)

70年代の映画ポスターを彷彿とさせるイラストの様式で、見る人に向かって疾走する二人の選手を大胆な色使いで描いています。応援の声にも見える「Gooooo」という文字を背負いながら、競輪発祥の地が日本であることを示す「Born in Japan」というタイトルテキストに向かう様子は、ゴールへ向かうクライマックスのエネルギーを上手に表現していると思います。(アレックス)

JKA特別賞

疾走
木原千晴
疾走
作品コンセプト
私はあまり競輪に詳しくなく、いちばんに思いついたものが勢い、疾走感でした。それを中心に進めました。
審査コメント
競輪の疾走感が色鮮やかに表現されており、とても印象的な作品だと感じました。(JKA)
踏み出せ、未来へ
鈴木 森
踏み出せ、未来へ
作品コンセプト
競輪の魅力は、二脚と二輪が織りなす凄みにあると考えました。また、競輪選手が自身の未来に向かって突き進む姿に心惹かれました。さらに、日本発祥のスポーツらしさと、鍛え上げられた肉体美を醸し出すグラフィックにしたいと思いました。これらを表現するため、前へ前へと突き進む選手の後ろ姿を構図に採用し、和紙をイメージしたテクスチャを用いて本作を制作しました。
審査コメント
構図の面白さと独特のタッチで描かれている競輪選手の力強さが素晴らしいと思いました。(JKA)
Stampede
弦川聖奈
Stampede
作品コンセプト
自身の足で進んでいく力強さを動物と並んで走る様子で表現しました。タイトルのスタンピードは動物が集団で同じ方向へ走り出していくスタンピード現象から取りました。同じ方向へ突き進んでいく様子を重ね合わせました。
審査コメント
色鮮やかな動物たちと選手が走るデザインが印象的で、力強さと可愛さを感じる作品でした。(JKA)

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