“Lurking”は、床への3Dプロジェクションシステム「projection AR floor」によって、現実的でかつ違和感ある世界を地下に出現させるインタラクティブアート作品である。裸眼での立体知覚、対象の質感の生々しさ、そして非現実的なシチュエーションによって、体験者を非日常空間へと誘う。古くからある、床に描く3Dアートが本作品の発想元である。俯瞰で目に映るゆがんだ形状のおかしさ、ある視点で3次元的に成り立つ驚き、現れるモノのライティングなどのリアルさ、しかし現実にはありえない状況設定。本作品はこれら床へのドローイングアートの特徴をそのままに、デジタル技術によって進化させ、リアルタイムに地下に潜む対象を知覚させる。
音と光を演奏できる“清掃楽器”ホウキギター、デッキブラシベース、はたきドラム、ほかによる鑑賞者参加型のインタラクティブアート作品。街を行き交う観客同士が相手と息を合わせて音を重ねていくことで音楽が生まれる。そして人から人へ楽しさとワクワクが広がり、街に彩が溢れていく。相手をリスペクトし演奏することでバンドになって行く体験を通し、社会における仲間という存在の尊さを訴える。「幾つになっても夢を追いかけたい」そんな叫びから生まれた「I am ☆ Star」を原点とする本作は、個人の妄想・憧れから、人と人がぶつかり合うバンドという次のステージへと進む。人は仲間がいるから響き合う。バンドは相手へのリスペクトのない演奏では成立しない。人と人が繋がり、相手のソウルを感じることで初めて音が響き合い、アンサンブルが生まれる。
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