結果発表
2020/01/14 10:00

北九州デジタルクリエーターコンテスト 2019

受賞作品数:16点(入選を除く)
主催:北九州デジタルクリエーターコンテスト実行委員会
(北九州市、福岡県Ruby・コンテンツビジネス振興会議、公益財団法人北九州産業学術推進機構、西日本工業大学)
後援:経済産業省
※ここでは、上位6点をご紹介します

大賞

Lurking - with projection AR floor -
工藤達郎、千田陽介
作品コメント
“Lurking”は、床への3Dプロジェクションシステム「projection AR floor」によって、現実的でかつ違和感ある世界を地下に出現させるインタラクティブアート作品である。裸眼での立体知覚、対象の質感の生々しさ、そして非現実的なシチュエーションによって、体験者を非日常空間へと誘う。古くからある、床に描く3Dアートが本作品の発想元である。俯瞰で目に映るゆがんだ形状のおかしさ、ある視点で3次元的に成り立つ驚き、現れるモノのライティングなどのリアルさ、しかし現実にはありえない状況設定。本作品はこれら床へのドローイングアートの特徴をそのままに、デジタル技術によって進化させ、リアルタイムに地下に潜む対象を知覚させる。

奨励賞

MOWB
油原和記
作品コメント
世界で初めてExpanded Animationとして全天球に2Dアニメーションを投影した作品。鑑賞者はヘッドマウントディスプレイを通してアニメーションを鑑賞することができる。抽象的な視野の広がりは、鑑賞者をこれまで経験したことがない魅惑的な没入感へと誘う。VRの閉鎖空間を母親の胎内に見立て、胎内回帰的な神話を紡ぎだした。タイトルのMOWBは、水平軸の鏡文字となっており、この神話の一本の幹をなす「鏡写しの母娘」を象徴している。MOWBは、360度全天球手描きアニメーションによる作品です。(本作品は、作者の要望によりトレーラー版を掲載しています)

北九州賞

闇夜とともに
ミず鬼ずム
闇夜とともに
作品コメント(一部抜粋)
「世の中のことは何でも我慢できるが、打ち続く幸福な日々だけは我慢できない」世界的な詩人として知られるのみならずワイマール公国の首相を務めたゲーテの言葉である。人間は生きる情動と併せ、タナトスという“死への欲望”を有していると言われる。ジェットコースターに乗る、ホラー映画を見る、シューティングゲームに没頭する…というのも、後者を満たすための手段なのかもしれない。何でも合理化され、安心安全が保障されると、逆に人間は満たされない面倒な生物なのである。古来から人間は怖い話を聞いたり、肝試しを行ってきた。五感では捕まえられない、目に見えないものを恐怖し、或いは敬ってきたのである。私は千年以上に渡って人を魅了してきた妖怪が好きだ。だが、一度も見たことがない。見たことはないのだが、ないものだとは思っていない。いつも身近に“いる”と感じている。

中谷日出 審査員賞

Video Looper System
KKKS
作品コメント
ミュージックルーパーを使った演奏では一人の演奏者が複数の音を重ねていく。奏者は一人しかステージに存在しないが、そこには見えない奏者の音がある。Video Looper Systemはルーパーをつかって行うライブパフォーマンスにビデオのループシステムを組み込んだ作品である。実際にループしている「音色の個数」だけ奏者を複製し、ループ録音を視覚的に分かりやすく表現する。ライブパフォーマスのためのシステムであるため、処理はすべてリアルタイムで行われる。後編集での映像で同ポジ技法を用いた同一人物の複数表示はよく見られる表現ではあるが、本作品ではそれをリアルタイムで行っている。それによりライティングでの演出を効果的に行うことができる。

小林 茂 審査員賞

Star☆Jam Street~清掃楽器音楽夢想
TETSUJIN-AUDIO VISUAL
作品コメント(一部抜粋)
音と光を演奏できる“清掃楽器”ホウキギター、デッキブラシベース、はたきドラム、ほかによる鑑賞者参加型のインタラクティブアート作品。街を行き交う観客同士が相手と息を合わせて音を重ねていくことで音楽が生まれる。そして人から人へ楽しさとワクワクが広がり、街に彩が溢れていく。相手をリスペクトし演奏することでバンドになって行く体験を通し、社会における仲間という存在の尊さを訴える。「幾つになっても夢を追いかけたい」そんな叫びから生まれた「I am ☆ Star」を原点とする本作は、個人の妄想・憧れから、人と人がぶつかり合うバンドという次のステージへと進む。人は仲間がいるから響き合う。バンドは相手へのリスペクトのない演奏では成立しない。人と人が繋がり、相手のソウルを感じることで初めて音が響き合い、アンサンブルが生まれる。

宝珠山 徹 審査員賞

Pupa
石舘波子
作品コメント
シノプシス:ちっとも思い通りにならない体に、彼女はすっかり参っていた。そして夢想する、「この体を脱いでしまえたらいいのに」と。体が思うように動かなくなってしまった実体験を元に制作した作品。何年も格闘するうち、実際にはこうならないことは理解しつつも「こうであったらいいのに」という切実な思いを形にしたもの。(本作品は、作者の要望によりWeb公開用の縮小版を掲載しています)
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