資産形成学生論文アワード 2023《大学生・大学院生限定》
主催:一般社団法人 投資信託協会
受賞作品数:4点
※ここでは最優秀賞、優秀賞、佳作について紹介します
最優秀賞
優秀賞
家計の金融資産保有の決定要因 〜G7を対象とした国際パネルデータ分析〜
松本航輝(大阪経済大学)
- 要約
- 近年、「老後 2000 万円問題」や岸田現政権が掲げる新しい「資本主義」などが取り沙汰されている。人生 100 年時代と呼ばれるような少子高齢化が進んでいる現在の日本では、個人による資産運用の必要性が議論の的となっている。しかしながら、アメリカなど他の先進国と比較し、日本の家計金融資産に占めるリスク金融資産の割合は決して高くないのが現実である。そこで、本稿では日本のみを対象としたタイムシリーズ・データを用いた分析と、G7(主要七カ国)のパネルデータを用いた分析を行うことで、金融資産保有の決定要因を実証的に探る。
(後略)
佳作
高等学校における経済教育と金融リテラシーに関する研究:公民・家庭の教科書分析
岩崎朝妃(筑波大学)
- 要約
- 人々をトラブルから守りつつ投資による資産形成を促すという課題に取り組むうえでの金融経済教育の役割に注目し、本論文では高等学校「公共」「政治・経済」「家庭基礎」「家庭総合」の教科書の分析を行った。
金融・経済分野を対象として、記述内容から教科書を1ページごとにグループ分けした。それによって得られたデータを分析し、各科目で身につけられる金融リテラシーの傾向と教科書間における内容の差異の2点を調査した。その結果、同じ金融経済分野でも身につけられるリテラシーが教科ごとに異なることが⽰された。公⺠の教科書は資産を効率的に運用するための知識、家庭は金融トラブルを回避するための知識をより多く扱うことが明らかになった。また、分析結果は「公⺠」と「政治・経済」において、⾦利やインフレーション等について説明しているページの量に教科書間で差が生じやすいということも明らかにした。