結果発表
2016/09/14 10:00

住まいの環境デザイン・アワード 2016

応募作品数:208点
主催:東京ガス株式会社
企画:東京ガスコミュニケーションズ株式会社/リビングデザインセンターOZONE


グランプリ

安城の家
谷尻 誠、吉田 愛
安城の家
審査コメント
ほぼ敷地いっぱいに架けた切妻の大屋根に、各部屋と庭を収めた戸建て住宅。子どもを外で自由に遊ばせたいという建て主の要望を受けて、設計者は郊外住宅地における「住宅」と「庭」のあり方を再考し、双方を等価の関係にとらえ直した。屋根の下にある住宅と庭とは、木製建具の全面開口を開ければ内外の境があいまいな空間になり、閉じれば温熱環境の整った内部空間になる。開口部を設けた大屋根は、スダレのように夏の直射を遮りつつ通風を促す役目も持つ。住まいの内外の関係に対する斬新な提案として高く評価された。

準グランプリ

コーポラティブガーデン
西田 司、岩崎 修
コーポラティブガーデン
審査コメント
各階の床を「敷地」と見立て、戸建て住宅を重ねるような発想で設計されたコーポラティブ住宅。メゾネットタイプを含む8住戸が10層に積み重なる。2層で1フレームの「メガーラーメン構造」を取り入れることで、建て主の価値観を反映しやすい自由な設計を可能にし、階ごとに外壁の位置やテラスの広さが違う外観となった。避難階段を路地のように巡らせて、有効な生活空間として生かす工夫も見られる。集まって暮らす都心居住や、集合住宅の住戸の外部空間などのあり方に一石を投じる提案として高く評価された。

優秀賞

縁屋
鈴木淳史(鈴木淳史建築設計事務所)
縁屋
審査コメント
"東京近郊に農地を持つ建て主が、将来の資産相続も踏まえて計画した賃貸住宅。真ん中のオーナー邸と、両側の賃貸住戸に分棟化された建物を、深い軒下を巡る廊下がつなぐ。
周辺の戸建て住宅地に近いスケール感や、住人の交流を生む空間構成などが評価された。"
盆栽町の家
髙橋博朗、髙橋彰子
盆栽町の家
審査コメント
敷地の四隅に性格が異なる4つの庭をつくり、建物を十字型に配置。各部屋は螺旋状のスキップフロアで、適度に離れつつ連続している。審査では、循環ファンなどによる快適な温熱環境の確保が、プラン構成と一体で考慮されている点などが評価された。
ヨシナガヤ
吉永規夫、吉永京子
ヨシナガヤ
審査コメント
築80年近い2軒長屋の1軒を全面改修して若い夫婦が暮らす。間仕切りや天井を取り払ってワンルーム空間とし、隣室との界壁には遮音と断熱を兼ねた本棚を設けた。隣室に長く住む高齢の単身者との交流も大切にした最小限の改修や、大阪市内に今の多く残る長屋の再生・活用を進める設計者の取り組みなどが審査員の好感を得た。