結果発表
2022/07/29 15:55

第22回 CSデザイン賞 一般部門

応募作品数:124点
受賞作品数:13点
主催:株式会社中川ケミカル

グランプリ

金雲のみち
ディレクター:藤江竜太郎(広島市立大学 芸術学部)
デザイナー:富田菜月・亀山慶一郎(広島市立大学 芸術学部)
クライアント:三谷光司(横川エリアマネジメント連絡協議会)
施工:相水敏光(巣守金属工業株式会社)
フォトグラファー:達富航平
金雲のみちグランプリ「金雲のみち」
ディレクター:藤江竜太郎(広島市立大学 芸術学部)
デザイナー:富田菜月・亀山慶一郎(広島市立大学 芸術学部)
クライアント:三谷光司(横川エリアマネジメント連絡協議会)
施工:相水敏光(巣守金属工業株式会社)
フォトグラファー:達富航平
作品コンセプト(一部抜粋)
賑やかな街の雰囲気と、落ち着いた住宅街、モノづくりの街、酔いどれの街…
様々な姿を見せる横川を、眩い雲の姿に見立てる。
四季の変化を雲の形に与え、南北を一年間の時間軸に表した。
横川駅の南北をつなぐ自由通路を抜けると街の雰囲気が一変する。
まるで煙に巻かれたようだ。
山陽本線広島駅から西へ2駅目の横川駅を中心とするエリアはかつて広島を代表するモノづくりの町であったこともあり、アートやデザインに対して大変積極的な地域です。横川駅の南北を結ぶ約60mの地下通路は、かつて駅工事の際に設けられた作業用通路を地元住民に開放したために、殺風景で暗く夜の通行は避けたいという住民の声から、どうにか通路を明るくできる方法はないかと模索した。照明工事ができない条件から日本伝統建築にヒントを得て箔をしつらえる手法を提案。箔の反射が蛍光灯の青白い光を暖かな色に変えることを目指した。

準グランプリ

PENITENT
内装設計・アートディレクター:菊嶋かおり・永澤一輝(一級建築士事務所knof)
アートワーク・アートディレクター:小澤真弓、瀬戸山雅彦
クライアント:山路裕希・山路祐子(合同会社MASTERPLAN)
内装施工・アート建具施工:西澤佑二・鈴木亮佑(ファーストハウジング株式会社)
カッティングシート施工:尼野克明・内藤貴文・奈良 雅(株式会社In Detail)
照明計画:吉田剛士・福村健太(株式会社モデュレックス)
フォトグラファー:児玉晴希(株式会社児玉晴希写真事務所)
PENITENT
作品コンセプト(一部抜粋)
カフェ「PENITENT」のための可変性を持つアートスクリーン。
FRP波板を少しずつ重なるように3層に並べ、透過/不透過のカッティングシートを貼り込んだ。それぞれのパネルはレールで吊られており、日によって気分で、もしくは換気の必要性に応じて左右に可動できる。
波板形状のため正面から見た時と角度を変えた時で図像の印象は全く違ってくる。波サイズは大小2種類とし、図像の変化に複雑性を持たせた。また、ベースの透明なFRP波板は完全な透明ではなく、光を通すと虹色に滲む素材特有の魅力がある。そこにカッティングシートの鮮やかな色彩が加わり、日光や照明に透かされて店の中を様々な色に染める。南の窓際のため、日光が当たる時間、陽が落ちた時間、曇りの日、と天候や時間によっても大きく空間が変容する。数年をかけてFRPが黄変し馴染んでいく変化も、また楽しみである。
八代市民俗伝統芸能伝承館(お祭りでんでん館)
ディレクター:平野篤史(アフォーダンス株式会社)
デザイナー:平野篤史・萱沼大喜(アフォーダンス株式会社)
クライアント:八代市
建築設計:平田晃久建築設計事務所
フォトグラファー:小野田陽一(SHEEHOOT)
八代市民俗伝統芸能伝承館(お祭りでんでん館)
作品コンセプト(一部抜粋)
この施設は、妙見祭というこの八代において極めて重要なお祭りに使う、鉾や道具などを収蔵する役割も持っており、その収蔵扉にアイコンとして、収蔵されている鉾の種類の絵をドット絵にして、収蔵されている種類の選別と、建築の中でドットというデザイン要素が伝承する、という大きなキーワードにしているので、金のシートを円に切り出し、それが空間内に無数に貼られることで、光を反射し、お祭りのきらびやかでにぎにぎしい印象と、陰影礼賛の趣も演出できるようにしている。現地で自分の手で約1週間かけて張り込み、現場で足りない部分などを補強をしたり、絵柄的に空間に負けていないか? など、建築家の平田さんにもリモートで確認していただきながら作業を行ってきた。
お惣菜屋「あてや」
ディレクター・デザイナー:田中悠介(designと)
クライアント:金田康孝(一般社団法人グッドラック)
フォトグラファー:衣笠名津美
お惣菜屋「あてや」
作品コンセプト
日常の暮らしにいい“ふつう”を届ける

素材を活かした手作りで温かみのあるお惣菜。
高級店でも、スーパーのような安売り店でもなく、日常の暮らしをほんの少しだけアップデートする“ふつう”だけど“いい”ものを届ける。
そんなスタンスを表現するため、建物の内装外装ともに、もとの状態(素材)をそのまま活かすように、空間やサインを構成しています。

優秀賞

FFIGURATI #366
主催:NADiff a/p/a/r/t(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)
アーティスト:大山エンリコイサム
フォトグラファー:中川 周
FFIGURATI #366
作品コンセプト(一部抜粋)
1階に書店、地下にギャラリーを併設するショップ「NADiff a/p/a/r/t」で開催した大山エンリコイサムの個展「Paint Blister」に際して、吹き抜け部分の窓ガラスにカッティングシートの作品を設置。
大山の独自のモティーフである「クイックターン・ストラクチャー」のアートワークを建物の形状にあわせてレイアウトしている。窓ガラスの枠を超えてアートワークが施されている部分は、トタン板をモティーフにデザインされた波打つガラス壁に沿うようにカッティングシートが貼られており、建物との一体感が際立つ。
着せ替えピクトグラム
インテリアデザイン:前田利幸・藤岡知夏(前田建設工業株式会社一級建築士事務所)
サインデザイン:平手健一(有限会社寺田平手設計)
照明デザイン:早川亜紀(灯デザイン)
着せ替えピクトグラム
作品コンセプト
カッティングシートによる着せ替えピクトグラムを考案した。画一的になりがちなトイレのピクトグラムを通路の照明器具を利用した影絵とカッティングシートの組み合わせによって、多様なピクトグラムを表現した。フロアごとにカッティングシート部分の表現を着せ替えることで、ここで働く多様な人々をイメージしながら、見た目にも楽しい雰囲気をグラフィックにて演出した。
小さな風景に変化を! 広がる想像力
ディレクター:髙安重一(鹿児島工業高等専門学校)
デザイナー:林 佳音(鹿児島工業高等専門学校)
施工:東口道也(有限会社インテリア東口)
フォトグラファー:平林克己
小さな風景に変化を! 広がる想像力
作品コンセプト
学校内の廊下や階段は移動以外に用途もなく、棟ごとの特徴や階の違いにも関係なく無機質に存在していた。しかし階段室に南から入る光を発見した。
この太陽の動きを可視可し、地上からの高さが上がるごとに光の質を変えるべく、光に色を与えていった。クリーム色の壁面は発色の効果のためにホワイトとした。これにより利用者は敏感に太陽の情報を知ることができるようになり、光の色からは自らが何階にいるという位置情報を得ながら、強くシークエンスを感じる移動体験をすることとなる。
さらに踊場には若干の寸法的余裕があったため、学生の作品やメッセージを表出するスペースを加えた。仕上げの壁には光が当たらず逆光になることから、亜鉛メッキ鋼板に上階ほど明るい木目シート貼りとして、既存のアルミサッシとの関連でシルバーの磁石付きのフレームを制作した。
ビーバー
デザイナー:平綿久晃・渡部智宏(株式会社モーメント)
ビーバー
作品コンセプト(一部抜粋)
1977年より藤沢市善行の地元の方々に愛されてきた「揚げ物屋ビーバー」。多種多様の食品を注文を受けてから揚げ、熱々をその場でスナック感覚で食べることができる、地元民にとっては子供の頃から慣れ親しんだ有名店です。店舗は老朽化を理由に閉店することになりました。ビーバーの閉店は新聞でも話題となり、それを読んだ地元出身の男性が新オーナーに名乗りを上げ、事業を継続しリニューアルオープンしました。
ビーバーのコンセプトは「何でも揚げるぜ!」。その個性を最大限に引き出すため、今までの「揚げ物屋」から「揚げ物ラボ」へ劇的に変身させました。店舗は「油」をイメージする色=黄色をメインカラーにし、外装のガラスは黄色いシートで覆われています。外から見ると、まるでお店全体が油で満たされているような佇まいです。床と壁は黄色の左官塗料で塗られ、油のプールに浸かっているかのようです。
河口湖旅館 うぶや「温泉卓球」
ディレクター:西澤明洋(株式会社エイトブランディングデザイン)
デザイナー:橘 あずさ(株式会社エイトブランディングデザイン)
クライアント:株式会社うぶや
施工:株式会社小林工芸社
フォトグラファー:谷本裕志
河口湖旅館 うぶや「温泉卓球」
作品コンセプト
河口湖にある温泉旅館、うぶやで「温泉卓球」ができる場所を開発。
ブランドカラーである「うぶやあさぎ」色を基調に、お風呂タイルや桶、温泉タオルなど、温泉を想起させるサイン・グラフィックデザインを展開することで、うぶやならではの温泉卓球の空間を演出しています。
老若男女のお客様が楽しめるように、通常サイズから子供用のミニサイズ、ホッケー型、壁打ち型など、多種多様な卓球台を制作しました。

中川ケミカル賞

Sony Park展
ディレクター:色部義昭(株式会社日本デザインセンター)
デザイナー:山口萌子・安田泰弘(株式会社日本デザインセンター)
プロジェクトマネージャー:ソニーPCL株式会社
クライアント:ソニーPCL株式会社
施工:塩生一博(株式会社脇プロセス)
空間設計:中原崇志、阿部真理子
フォトグラファー:岡庭璃子(株式会社日本デザインセンター)
Sony Park展
作品コンセプト
リニューアルオープンに向け一時閉園したGinza Sony Parkでの最後の展覧会「Sony Park 展」のメイングラフィック、サイン、展示グラフィックのデザイン。
ソニーグループの主軸事業をテーマにした六つの展示を一つの展覧会としてまとめつつ、各展示を黒い数字とカラフルな蛍光色のCSの組みあわせによって表した。ストリート感を醸すGinza Sony Parkらしい定着を意識して、現しのコンクリートを背景に、半透明のCS(他社製)やマットな蛍光色のCSをステッカーのようにあえてラフに貼り重ねた。
企画展「2121年 Futures In-Sight」展 会場グラフィックおよびデザイン
ディレクター:松島倫明
デザイナー:中原崇志
デザイナー:上西祐理
アシスタントデザイナー:吉田あさぎ
クライアント:21_21 DESIGN SIGHT
フォトグラファー:神宮巨樹(合同会社神宮巨樹)
企画展「2121年 Futures In-Sight」展 会場グラフィックおよびデザイン
作品コンセプト(一部抜粋)
デザインを通じてさまざまなできごとやものごとについて考え、世界に向けて発信する活動を行う 21_21 DESIGN SIGHT にて開催された「2121 年Futures In-Sight」展。展覧会ディレクターは編集者の松島倫明。国内外の多彩な分野で活躍する 72 組が作家として参加した。参加作家は、まず、展覧会オリジナルツール「Future Compass」(未来の羅針盤)から選んだ「言葉」をつなげ、未来を考える上での自身の「問い」を導き出すことから始め、自身の専門領域や生活哲学に基づきながら形にした「インサイト(視座・洞察)」を、問いとともに展示した。作家により「インサイト」は言葉やモノと様々であった。
たったひとつの未来を予測するのではなく、「『未来を考える行為』を考えること」を目的とした本展では、展示作品として言葉もモノ(立体物としての作品)も等価に扱うという理念を掲げた。
渋谷地下街 仮設空調室外機置場
ディレクター・デザイナー:菊竹 雪(株式会社コンパッソ)
プロデュース:一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメント
クライアント:渋谷地下街株式会社
フォトグラファー:株式会社ナカサアンドパートナーズ
渋谷地下街 仮設空調室外機置場
作品コンセプト
鋪道上に設置された渋谷地下街空調室外機置場を囲うパンチングパネルフェンスを、内部の目隠しとなるように「SHIBUYA」の文字を付加してデザインした。仮設の特徴をいかして「SHIBUYA」の文字には、様々なシートを実験的に貼付して、渋谷らしさを演出し発信するスペースになるように計画した。
SHISEIDO BEAUTY SITE サイン計画
アートディレクター:ゑ藤隆弘(STUDY LLC.)
デザイナー:ゑ藤隆弘・佐藤あゆ美(STUDY LLC.)
空間設計:原田 圭(DO.DO.)
クライアント:株式会社資生堂
エージェンシー:凸版印刷株式会社、株式会社トータルメディア開発研究所
施工:株式会社綜合デザイン
フォトグラファー:太田拓実(Takumi Ota Photography株式会社)
SHISEIDO BEAUTY SITE サイン計画
作品コンセプト
資生堂 大阪茨木工場の見学施設「SHISEIDO BEAUTY SITE」のサイン計画。施設コンセプトは「The journey to beauty(美の旅)」。ミュージアム、ラボ、マルシェといった様々なエリアを巡りながら、楽しみながらものづくりを学ぶことができる。サイン計画は「旅」から着想し、標識やバス停、表札型のサインを点在させることで施設を一つの街に見立てた。また、各エリアの特徴を視覚化するために設定したカラーを、サインの裏にカッティングシートを貼ることで表現している。シートの鮮やかな色を白い壁に反射させることで、本施設にふさわしい柔らかく繊細な表情を実現。白い空間に軽やかな色がリズミカルに配されることで、旅の楽しさを演出するサイン計画となった。
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