結果発表
2020/08/21 10:00

第21回 CSデザイン賞 一般部門

応募作品数:154点
受賞作品数:13点
主催:株式会社中川ケミカル

グランプリ

D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY
デザイナー:宮田裕美詠(ストライド)
施工管理:濱 貴文(ハマ企画株式会社)
施工:大浦裕二・早川勝美・齊藤 累(ハマ企画株式会社)
クライアント:ディアンドデパートメントプロジェクト)
ディレクター:ナガオカケンメイ(ディアンドデパートメントプロジェクト)
進行管理:進藤仁美(ディアンドデパートメントプロジェクト)
D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERYフォトグラファー:柿本 萌(ストライド)
作品コメント
「ロングライフデザイン」をテーマとするD&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY。
各企画展にあわせたウィンドウのデザイン。
息の長い、その土地らしいデザインの発掘・紹介を目的とした展示内容を伝えることを目的としている。

準グランプリ

挟まる人
ディレクター・デザイナー:志茂浩和(神戸芸術工科大学)
挟まる人フォトグラファー:志茂浩和
作品コメント
満員電車に象徴されるように都市に暮らす人々は窮屈な想いをしながらも逞しく生きています。ある人は抗い、あるいは受け入れ、ある人は考えます。そんな姿が立ち並ぶビルの隙間に大写しになっていたら、このプランを思いついた瞬間の私と同じように見る人の笑いを誘うでしょう。しかし、すぐにそれは自分自身の姿でもあることに思い当たり、窮屈さを共有する者同士の慈しみにも似た気持ちが芽生えるのではないかと考えました。
「挟まる人」は、「ライト・ライト スクリーン・ビー」を貼付したアクリル板で構成される4500mmのスクリーンに3基のプロジェクターを用いて5760ピクセル×1080ピクセルの映像を投影しています。道路を挟んだ向かい側ミッドタウンからの鑑賞では、ビルに挟まる巨人が実在するかに見え、人々を驚かせました。
鈴木マサルの傘 pop up store 2018
ディレクター:鈴木マサル(有限会社ウンピアット)
デザイナー:鈴木マサル、坂元夏樹
鈴木マサルの傘 pop up store 2018フォトグラファー:三嶋義秀
作品コメント
「憂鬱な雨の日でも気分の上がる傘を」というテーマで2011年からリリースしている傘シリーズの展示会のためのウィンドウディスプレイ。
雨が降りしきるようなパターンでウィンドウを埋め尽くし、風景の一部を作リ出すようなイメージでデザインされている。昼間、室内には外からの光によって雨の柄の影が降り注ぎ、夜には逆転して外側に雨が降るような光景が展開された。
期間中は来場者のみならず、前を通る人々の目も楽しませた。
affects
ディレクター:村上雅士(m²|emuni)
デザイナー:村上雅士・柴田 萌(m²|emuni)
クライアント:株式会社竹尾 青山見本帖
プリンティングディレクター:川端孝一郎(株式会社日光プロセス)
affectsフォトグラファー:桜井ただひさ
作品コメント
紙の専門商社 竹尾のギャラリーで行われたデザイナーの個展のウィンドウグラフィック。
展覧会は周囲の環境によって影響を受けるグラフィックとして既成の形に捉われないポスターシリーズを制作し、道に面したウィンドウではポスターそのものが通りに吹く風を受け霧散していく様を透明カッティングシートとUVインクジェットにより表現した。

優秀賞

あおぞら皮膚科クリニックサイン計画
ディレクター:廣村正彰(廣村デザイン事務所)
デザイナー:平島太一(廣村デザイン事務所)
クライアント:あおぞら皮膚科クリニック
あおぞら皮膚科クリニックサイン計画フォトグラファー:ナカサアンドパートナーズ
作品コメント
一般皮膚科と美容皮膚科が併設されたクリニックのサイン計画。病院へ行く、施術を待つという不安な気持ちを緩和するために壁面全体にパターングラフィックを配置し、視覚を刺激する空間を表現した。立体的なパターンはシートに直接インクジェット印刷を複数回施すことで実現した。院内全域にサインが寄り添い、大人も子供も触れたくなるような心地よい体験が得られる空間を目指した。
Hard Boiled Daydream (Sculpture/Spook) #1
監修:公益財団法人彫刻の森芸術文化財団
アーティスト:金氏徹平
主催:三菱地所株式会社
Hard Boiled Daydream (Sculpture/Spook) #1
作品コメント
彫刻の素材として使われる「石」「粘土」「木」などを、漫画の背景から抽出し構成したいわば抽象彫刻。漫画の絵を大きくし、素材のステンレス自体はギリギリの均衡を保ち、イメージの物質性やスケール感のなさを逆手に取り、物質性・物理現象とイメージの乖離や意味を離れた関係性の構築に挑んでいる。
日本郵政株式会社 本社オフィス 応接室
ディレクター:齋藤隆司(日本郵政不動産株式会社)
デザイナー:平手健一(テラダデザイン一級建築士事務所)
空間設計:崎山 茂・大坪 泰・田口富英・讃井 章・渡邉順一・本間行人・丸山義貴(株式会社日本設計)
クライアント:日本郵政株式会社
照明デザイン:土井智子(株式会社YAMAGIWA)
施工:株式会社竹中工務店、株式会社びこう社
日本郵政株式会社 本社オフィス 応接室フォトグラファー:大森有起/川澄・小林研二写真事務所
作品コメント
企業イメージの一つである「切手」をサイングラフィックとして、空間全体に設えた。オリジナルグラフィックに変換した切手を会議室天井面に配置。鮮やかに彩られた天井面が来客者を迎え入れる。また天井面は外部からも視認することができ、街に対して企業の存在感を示すサインとしても機能している。グラフィックはすべて切手と同じ比率のピクセルを使用して抽象的に表現し、視距離に応じた見え方を意識した。
銀座の白い森
アートディレクター:雲野一鮮(fRAum)
アートカリグラファー:ヨウコフラクチュール(fRAum)
クライアント:樋口昌樹・檜原由比子・福田知子(株式会社ザ・ギンザ)
施工:雲野一鮮(クモノデザイン株式会社)
銀座の白い森フォトグラファー:鈴木賢一、雲野一鮮
作品コメント
銀座に森があるという
銀座五丁目で出会った白いうさぎに導かれ、穴ぐらに…
そこは鏡の木々に囲まれた、真っ白で静寂な地中の森でした
誰も知らないその不思議な森には、美しいカリグラフィーの動物たちが住んでいます
動物たちには、物事を前向きに捉え、観る人に美しさと優しさを届ける言葉を秘めています
あなたは、動物や森の妖精の言葉が聞こえましたか
ブラックアウトステッカー
ディレクター:白川勝悟(ファーイーストガジェット)
デザイナー:白川勝悟・竹内 優(ファーイーストガジェット)
ブラックアウトステッカー
作品コメント
これはカッティングシートをAppleのノートPC「MacBookシリーズ」のキートップ形状に合わせてカットしたプロダクトです。
キーボードに貼ると、ぱっと見では無刻印に見えますが、独自のフォントのようなカットデザインで、視覚的、触覚的に各キーの用途がわかるようになっています。ブラインドタッチに熟達した方も、少し自信がない方も、Macをさらにシンプルにし、もっと目の前に集中できるノイズレスな体験を提供します。
マットな質感と手触りの良さ、耐摩耗性の高さ、再剥離性から中川ケミカルのカッティングシートを採用しています。

中川ケミカル賞

SAGA FURUYU CAMP サイン計画
ディレクター:原田祐馬(株式会社UMA design farm)
デザイナー:津田祐果(株式会社UMA design farm)
クライアント:佐賀市
設計:馬場正尊・加藤優一(株式会社オープン・エー)、武井良祐(株式会社OSTR)
施工:納所靖成(株式会社永池)
SAGA FURUYU CAMP サイン計画フォトグラファー:衣笠名津美
作品コメント(一部抜粋)
廃校になった小学校をリノベーションし、複合施設として生まれ変わった「SAGA FURUYU CAMP」。4階建ての校舎には、カフェやオフィススペース、宿泊施設があり、合宿やサテライトオフィス、地域の交流拠点として、地域の繋がりや周辺環境を生かした幅広い活用が期待されている。豊かな自然に囲まれており、校舎のすぐ隣には小川が流れ、窓からは四季折々の山の景色が広がる。周辺環境の要素を取り込んだロゴや数字のデザインを行っており、サイン計画においても、これらの風景が校舎内の空間の中にとけ込むことをデザインコンセプトに、ミラー素材を使用したサイン計画を展開した。ステンレスミラーの上にはIROMIZUとCS200を、表示内容に合わせて使いわけ、視認性を高めた。
部屋番号に用いたミラーシートはステンレスミラーでは表現できない、揺らぎのある周囲の色や光を取り込むことができる。
100 colors no.25 / 新宿駅
“colorscape”
会場:JR新宿駅新南改札外「Suicaのペンギン広場」
アーティスト:エマニュエル・ムホー
クライアント:新宿クリエイターズ・フェスタ実行委員会
100 colors no.25 / 新宿駅<br /> “colorscape”フォトグラファー:志摩大輔
作品コメント(一部抜粋)
2018年9月5日~2019年2月11日
新宿駅周辺の公共の空間等を活用し、様々なアートシーンを送りだす「新宿クリエイターズフェスタ」にて、今年も新たな「100 colors」インスタレーションを発表した。
2013年から手掛けている「100 colors」は、100色で空間を構成するインスタレーション。今回は、JR新宿駅新南口改札外にあるSuicaのペンギン広場で長さ約60mにおよぶ色の風景 ─ colorscape(カラースケープ) ─ を創り出した。遠くから見るとひとつの大きなグラデーションが線路上のガラス面に見え、近づくとこのグラデーションが「SHINJUKU」の切り文字で作られていることがわかる。そしてたくさんの「SHINJUKU」の文字の連なりの中に二人の女の子と一匹の猫が隠れている。
BAO BAO ISSEY MIYAKE CLOUD
デザイナー:平綿久晃・渡部智宏(株式会社モーメント)
クライアント:株式会社イッセイミヤケ
BAO BAO ISSEY MIYAKE CLOUDフォトグラファー:荒木文雄
作品コメント
カスタマイズできるイベント空間。パーツが着せ替え可能なバッグの期間限定店舗。イベント性を高めるために、84種に及ぶ着せ替えパターンをナンバリングと共に、カッティングシートでグラフィカルに表現し、全体をビルボードのようなインパクトあるファサードとした。
毎年行列ができるほどの人気から、長いファサードが待機列となり、待ちながら好みのパターンを探してワクワクを高める空間構成としている。店内にセットされた特製盤面でカスタマイズを楽しみ、ビンゴカードのような購入用カードをレジに持っていくことでカスタマイズされた商品を手に入れることができる。遠距離と近距離、入口と出口、待ち時間を好奇心に変える空間デザインである。
2019年の日本の色
ディレクター:菅 章(大分市美術館)
デザイナー:流 麻二果
クライアント:大分市アートを活かしたまちづくり推進会議 大分アートフェスティバル2019「回遊劇場 SPIRAL」
2019年の日本の色フォトグラファー:久保貴史
作品コメント
大分の人々が思う「今の日本の色」で、大分の街を彩る。
世界中で情報が共有され、色についての個性が見えづらくなった現代においてもその土壌や気候でしか見えない色があり色を捉える感覚には個性がある。
ワークショップではIROMIZUの持つ透明感とカラーチャートのバランスの良さを活かし、色を重ねて現代の襲の色目として、大分の人々27名の思う今の「日本の色」を表現した。
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