2009年にスタートしたアート出版に特化したブックフェア、TOKYO ART BOOK FAIRのサイン計画である。フェア会場は複数箇所に分かれており、さらに周辺施設との連携企画などがあったため、それらを連動させるためのサイン計画が必要であった。広い会場内、周辺施設等で野外・室内を問わずパッと目を引くという狙いのもと、テーマカラーに蛍光ピンクを据えた。
広報物や簡易的な案内板には蛍光ピンクの紙を、主な壁面サインにはカッティングシートを使用している。壁面の素材は金属・コンクリート・ガラス・紙など場所によって様々であり、また4日間のフェアを終えた後には現状復帰するという条件があった。これらの状況に柔軟に対応できる点から、サインの素材としてカッティングシートを選択した。蛍光ピンクのサインが各所の目印として機能しながら会場同士を緩やかに繋げ、フェア全体の統一的なイメージをつくりだすことを試みている。