結果発表
2025/02/04 10:00

コピックアワード 2024

応募作品数:3600点超
受賞作品数:29点(入選を除く)
※ここでは、上位13点をご紹介します

グランプリ

阿嬤的章魚小丸子
林芊語 CYL
阿嬤的章魚小丸子
審査コメント
台湾の夜市文化への愛情を若い世代の目線から丹念に見つめた心温まる作品です。色やタッチにはしっかりと新しい独自性を持たせているものの、色に合わせてファンタジーな世界観やモチーフを描かなくとも、もっと美しい世界は目の前に広がっていてきちんと絵になるのだなと自分ももう一度イラストと真正面から向き合おうと背筋を正そうと思わせてくださいました。ありがとうございます。(中村佑介)

最終選考の時に部屋に入ってきてまずこの作品が目に留まりました。夜の屋台のカラフルな鮮やかさが色使いや構図で上手く表現されていて、このお店に行ってたこ焼き食べてみたいなと思いました。奥のセブンイレブンのネオンも効いていて好きです。(落合翔平)

全ての使用色を蛍光色に見せながら、ピンクを印象付ける色彩計画が絶妙です。コピックでしか描くことのできない絵。写真にもAIにもできない、作者が体験した臨場感が表現されています。(箭内道彦)

準グランプリ

ズキュン
紅梅アヤ
ズキュン
審査コメント
「コピックと言えばコミック」ということで、単純なコミックタッチのイラストということではなく、「漫画表現や漫画文化そのものをメタ的にイラストに落とし込む」というとても高度な表現にただただ驚きました。またそのユニークなテーマに甘えることのない丁寧な仕上げ部分や、一点突破するようなシンプルなテーマで応募された勇気ある姿勢も尊敬します。(中村)

たくさんの要素が複層的に描き込まれているにもかかわらず、とても透明感のある仕上がり。
マンガの世界を1枚の絵にとじこめた魅力的な作品です。(根津孝太)

漫画家として、一瞬厳しい目で見てしまいそうでした。でも、漫画家以外の審査員が皆惹かれていた。それがすべての答えでしょう。いい絵です!(板垣巴留)
クルグル
クルグル
審査コメント
作者の「自分はこれが好き!!」がギュっと詰め込まれた作品です。タイトルどおり、たくさんの色を使って緻密に描き込まれたツノを見ていると、その螺旋構造にとりこまれて、ものすごく大きな絵に見えてきます。原画のサイズ感を超越したようなパワーが素晴らしいなと思いました。(根津)

作者の「大好き」という想いが画面いっぱいに詰め込まれていて気持ちの良い作品でした。
真ん中のぐるぐるの部分に黄色いハイライトを入れていたり、見せ場作りや工夫があって面白かったです。(落合)

あれだけ一つひとつ細かく塗っていったら絵がまとまらなくなりそうですが、ちゃんと立体感があり、しかも劇的!! 技術のあるヘンタイ!!(板垣)

次世代アーティスト賞グランプリ

誰的貓
伍弎
誰的貓
審査コメント
いいなあ。この感じをずっと持っていてほしいけど、でも、今だから描ける絵、今しか描けない絵、って、たしかにあります。それはでもやっぱりとてもしあわせなこと、なのだと、この絵を、この猫をニコニコしながら見つめました。(箭内道彦)

一次選考からこの猫がとても気になっていました。原画を見たらサイズも大きく、猫も大きく迫力があり嬉しかったです。原っぱで見た猫だと思っていたのですが、路地で見た猫だと知り、より一層この猫が好きになってしまいました。(落合)

説明にあった路地なのか草村なのか、あえてゆるく描いているのか偶発的にできたものなのか、絶妙な曖昧さと丹念に描かれた毛並みやヒゲのアンバランスさが魅力的な作品。そしてそういった疑問すべてを黙らせるような目力が、言葉を必要としない本来の絵の意味を考えさせられました。(中村)

板垣巴留 審査員賞

テディ
ままりん
テディ
審査コメント
ダントツで好きな作品です。漫画家という職業柄、やっぱり物語を感じれるものに、どうしても魅力を感じてしまう。このくまの物悲しげな姿。本当は子供で、その子供が大切にしてるぬいぐるみに投影してるのかなとか。ずっとお父さんお母さんが喧嘩してるのをこうやって見てるのかなとか、この絵を見てるだけで結構胸がキュッとなってしまって。やっぱり心揺さぶる作品ってそうそうないんですが、これは揺さぶられました。(板垣)

落合翔平 審査員賞

Fly me to the moon
Falafymns
Fly me to the moon
審査コメント
絵の所々に紙が貼ってあり立体になっていてとても好きでした。色合いも綺麗でディティールの描き込みも多く、実際に原画を見てとても良い絵だと感じました。アナログ表現を全部合体してさらに合わせ技で一本取られてしまった作品です。(落合)

中村佑介 審査員賞

君に叶わぬ恋をする
春鳥
君に叶わぬ恋をする
審査コメント
日本においてコピックは特にコミックに多く使われているので、やはり今回も日本からの応募作品はコミックイラストが多く、どうしてもキャラクターデザインに特化する傾向にありますが、そのジャンルの枠を超えて、コピックらしさ、コピックの意外性、完成度、技術力、丁寧さ、テーマ、表現力、色彩感覚、どれをとってもダントツに表現力が長けていて心に迫った作品です。(中村)

根津孝太 審査員賞

Brother Butterfly
OG Tiny Human
Brother Butterfly
審査コメント
画面で見てた時点でもすごいハッピーに感じたんですけど、原画を見て自分が浄化されるぐらいの気持ちよさを感じたんですよね。それに、楽しみながら描いて、色々実験しながら1枚の絵を仕上げていってるっていう、その本人の楽しさみたいなものも伝わってきて、自分の弟の素敵な未来みたいなテーマの持つ温かさと、この絵が自分もすごく楽しんで描いたっていう熱量がとてもよかったです。(根津)

箭内道彦 審査員賞

Relationship
ninnnnnki
Relationship
審査コメント
赤と黄とグリーンだけで表現した食卓。3色なんだけど、3色じゃないんですよね。緑と赤の補色が作り出すグレーというか、無彩色に近い影が生まれていたり、この三つの色で光を表現したり、おいしさを表現したり、食卓の豊かさを伝えたりというのは、並大抵の力ではできないなと思いました。でもこの絵の中で一番重要な色は、白なんです。コピックに命を与える色。

pixiv賞

なりかけの私たち
よぽ
なりかけの私たち
審査コメント
pixiv(インターネット上でイラストを見ることができるサイト)を運営している我々は、毎年コピックアワードでデジタルでは実現できない体験や表現に着目して見ています。
デジタル作品だと画面の中で拡大・縮小ができたりと自分に合った見方ができますが、アナログ作品だと自分が作品を覗き込んだり、視点を変えなきゃいけないので自分と作品の関係性・距離感が独特だなと思っています。
遠くから見るとすごく細かく描いてあるので何が描かれているのだろうと興味を引かれて、近づいてみるとラメですごくきらやかな表現だったりと、見方を変えると2度美味しい作品です。
デジタルのモニターの中にあるイラストでは表現できないことがすごくこの作品に詰まっていてアナログならではの画材の魅力をすごく引き出している作品と思い、選ばさせていただきました。

SNS賞

Backstreet Artist
Herownreality
Backstreet Artist
審査コメント
本作品を最初に見た時、まるでデジタルで描かれたような光や色彩の滑らかな表現力に驚かされました。細部に至るまで非常に丁寧に描かれており、アーティストが自身の頭と手を使ってゼロから創り出した物語は、見る者の感情を揺さぶります。本作品はSNSチームのみならず多くのコピックユーザーの心にも深く響き、多くの「いいね」とコメントを集めました。

立体作品賞

OCEAN RAINBOWS
Katia
OCEAN RAINBOWS
審査コメント
最初に作品を見た時はあまりの完成度の高さに平面の絵かと思ったので、立体で構成されていることに気付いた時には衝撃を受けました。カラフルに仕上げられた魚たちの色使いや細かな着色技術はもちろん、背景はインクの滲みを利用することで水中を表現していたりと、見れば見るほど魅了される作品です。
森のお茶会
おネズミさん
森のお茶会
審査コメント
360°細部までこだわって制作されており、実物を見てみたかった作品です。一つひとつのパーツの造形力が高く、またさまざまな素材にコピックシリーズの着色だけでここまで表現できることにコピックチーム一同大変驚きました。じっくり見ているとさまざまなストーリーが想像できてあたたかい気持ちになります。
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