結果発表
2022/09/07 10:00

カムアクロス 傘デザイン・コンペティション ’22

応募作品数:385点
受賞作品数:5点
主催:株式会社カムアクロス

グランプリ

Phantom Paper Parasol
齋藤強樹
Phantom Paper Parasol下:カムアクロス代表の今中さんが齋藤さんにサンプルを贈呈しました。
作品コンセプト
本体の素材は和紙で作られているので、壊れたとき回収して再利用できます。
また骨組みがないため、強風で壊される心配がないです。
表面にはサーモクロミック材料(温度で変化する塗料)が塗られており、晴れの日は温度の変化を楽しめることができるし、雨の日は表面がコーディングされているポリエチレンが雨傘としても使えます。
審査コメント
現在の技術ではこの形状で日傘としての機能を持たせることは難しそう。
そもそも骨のない傘を「傘」と呼んでいいのだろうか。そんな葛藤がありました。
でも、だからこそ「これからの日傘なんだ!」。そう思い、グランプリに選びました。
環境に優しいというだけでなく、非常にコンパクトで使いやすく、傘のデメリットを解消してくれる大きな可能性を感じることができた作品です。

優秀賞

Pop-up parasol
坂 歩乃花
Pop-up parasol下:表側は絵本になっています。
作品コンセプト
仕掛け絵本(Pop-up book)をイメージした日傘(parasol)。
子ども用の日傘が重要視されるなかで、子どもの日傘はまだまだ広まっておらず、子どもが日傘を日常的にさすという行為はハードルが高いことだと思います。
そこで子どもがわくわくするような仕掛け絵本の要素を日傘にとり入れました。
子どもにとってお気に入りの絵本は、一度ではなく、習慣的に何度も読むものです。
子どもにとってのお気に入りの絵本のように日傘をさすということも習慣化してほしい
そんな思いを込めました。傘の中の飾りや絵本の内容が伝わるデザインによって晴れの日の青空に負けないぐらいのわくわくが詰まっています。
審査コメント
たくさん応募いただいた子ども用日傘のなかで、もっとも私たちが「楽しそう!」と感じた作品。
コンセプトシートの絵を見ただけで、心が躍りました。持っていてわくわくする、さしたいと思う、そんな傘だからこそ、広く利用してもらえるのだと感じることができました。
Lycopene(リコピン)
橋井香奈
Lycopene(リコピン)下:完成した「Lycopene」のサンプル。
作品コンセプト
傘を開くと巨大なトマト、中をのぞくとトマトの断面、傘入れに入れるとケチャップと、さまざまなトマトを楽しめる傘です。
傘の頂上にはトマトのへたが付いていて、かわいらしい見た目なのですが、中側はリアルなトマトの断面になっているおもしろい傘です。
トマトを半分に切ったようなデザインで、傘入れに入れるとケチャップに変身するデザインにしました。
持ち手はケチャップの蓋をイメージし、細かい所までトマトとケチャップを再現しました。
審査コメント
一次審査から、二次、三次と選考を重ねるごとに人気が増していった作品です。
強い太陽の日差しのもと、この傘をさす姿を想像すればするほど、魅力的に感じるようになりました。
「実際につくってみたい!」という意見がもっとも多かったのも受賞のポイントでした。

アイデア賞

eda-brella(エダブレラ) ─ 枝のように分かれた持ちやすい傘
野村恒司
eda-brella(エダブレラ) ─ 枝のように分かれた持ちやすい傘下:こちらがカムアクロスが製作した「eda-brella」。
作品コンセプト
通常J型となっている持ち手が木のように枝分かれすることで、両手でも持ちやすくなり、まだ力のついていない子どもからお年寄りまでより安全に使える傘をデザイン。
角度や数など、枝の分かれ方や位置を工夫することで、これまでの「片手で持つ」「引っ掛ける」という機能性に加え、「両手で力を込める」「荷物をぶら下げる」「壁に距離を開けて立て掛ける」といった機能も生み出した。
審査コメント
以前から、高齢者や障がいをもった人のための傘について社内で議論してきました。
いろいろアイデアは出るのですが、大がかりだったり、実用性に疑問符がついたりでなかなかなかなか。
とてもシンプルなアイデアでありながら、さまざまな課題を克服することができる「エダブレラ」は、そんな私たちの心に強く響きました。
太陽光のマーメイド
津田知恵美
太陽光のマーメイド下:完成した「太陽光のマーメイド」のサンプル。
作品コンセプト
ソーラーパネルで太陽光から充電可能な日傘です。
ソーラーパネルが黒だけでなく、カラフルに色が付けられると、デザインの幅が広がります。
人魚姫をモチーフに、「カワイイ」を求める世界の人々の目に留まるようなデザインにしました。
USBケーブルで繋げば、スマホ等、充電できるようになっています。
審査コメント
「アイデア賞」は1作品でしたが、「この作品にも賞を!」という思いから、2作品選ばせてもらいました。
今回、「エコ」をテーマにしたものは数多くあり、「ソーラーパネル」を使った作品も複数ありました。
そのなかでこの作品に心を動かされたのは、見た目の愛らしさと、シンプルである点だと思います。
環境に配慮したものであるうえで、ファッションとしての魅力が大切なのだと気づくことができました。
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