CGWORLD学生CGコンテスト「WHO’S NEXT?」《学生限定》
応募作品数:119点
受賞作品数:28点
主催:株式会社ボーンデジタル CGWORLD編集部
※ここでは、上位5点をご紹介します
第1位
empty city
松島友恵(武蔵野美術大学 映像学科)
- 作品コメント
- ロンドンのセントポール大聖堂と、破壊された街を制作しました。背景から人々の気配、生活や息遣いを感じられるような作品を目指しました。
- 審査コメント
- 物量がすさまじいものは、配置やライティングをうまくマネジメントしないとごちゃっとした絵になりがちですが、この作品の場合は要素が非常によくまとまっていると思いました。影の部分の面積が非常に多い絵なので、その陰の中にも段階的にライティングを施せていると、より良い絵作りができるんじゃないかなと思いました。質感については申し分ないので、より一層ライティングを工夫することでこのすさまじい量のモデルと質感が生きてくると思います。(森田悠揮)
良い意味で暴力的なモデルの物量がとても素晴らしいと思います。モデルの流れがしっかりできているのでディティールが多くてもまとまりがあるのが凄くいいです。モデルのポリゴンの割やテクスチャーの解像度が足りない部分を直すともっとよくなると思います。(鈴木卓矢)
第2位
最後の手紙2.
河口 遼(HAL大阪 CG映像学科)
- 作品コメント
- 「帰らぬ兵士の最後の手紙」をコンセプトに制作しました。ひと目で時代背景が理解できるような構図と配置を意識しています。最後に古紙のテクスチャを全体に乗算で重ね、よりアンティークな仕上がりにしました。
- 審査コメント
- 全体的な質感、ライティングあたりが秀逸ですね、小物も一つ一つ丁寧に作られていて好感がもてます。(画龍早野海兵)
アンティークな感じが際立つ絵作りになっていてとっても素晴らしい作品ですね。丸眼鏡や物の下に乱雑にばらまかれている英語の紙きれも第一次世界大戦中を彷彿とさせますね。この絵からは匂いや温度を感じ取れました、素晴らしいです。それに加え、手紙を打ち終わったと思われるタイプライターが、ここにいた人物のバックグラウンドを想起させますし、ストーリーがいくらでもこの1枚の作品からは想像できます。ほめちぎるだけしかできませんでしたが、それほど奥ゆかしく技術的なクオリティも高い作品だと思いました。(森田)
第3位
- 作品コメント
- 「漫才」をテーマに3Dイラストレーションを制作しました。ボケの間抜けな表情と、ツッコミの勢いある動きを意識しています。少ない要素の中で配色やライティングを工夫し、賑やかな雰囲気を演出しています。
- 審査コメント
- 非常にアメリカ的なコミカルさの表現で、日本の漫才を表現している構図が面白いと思いました! この1枚だけでボケとツッコミの役割、漫才師という職業がアイコニックに伝わる仕草や服装CGとしてのクオリティも担保している上で、シンプルな構図の中で非常に情報量が多く、素晴らしいまとまり方に感じました。(朝倉 涼)
テーマがしっかりと作品に反映されていて素晴らしいと思います。キャラクターの個性も十分に表現できているのとキャラの動きがしっかり絵で表現できてるので静止画の作品としてもまとまっています。手のモデルをちゃんと作るともっと良いと思いました。(鈴木)
第4位
Wasteland Dragon
石崎優汰(神戸芸術工科大学 映像表現学科)
- 作品コメント
- 荒地に住むドラゴンを制作しました。今回はよく見かけるスタイリッシュなドラゴンではなく、怪獣的な要素を含んだゴツいドラゴンを目指しました。
- 審査コメント
- ドラゴンの造形だけでなく、空気感、構図もかっこいい!(岸本浩一)
怪獣的な大きさを表現できている構図も空気感も素晴らしいですし、ドラゴンもよくできていると思います。ただ右手が体に溶けてしまっているのでもう少し工夫が必要だと感じました。少し光源をずらしてそこまで差し込むようにするか、カメラを少しずらすのもいいかもしれません。(阿部 直、西松祐紀)
非常にクオリティが高いです。力強さを感じます。あえて注文をするなら飛膜の質感くらいです。(太田修司)
第5位
Female portrait
近藤 諒(デジタルハリウッド大学 デジタルコンテンツ学科)
- 作品コメント
- コンセプトはできるだけ違和感のないフォトリアルな人をつくることです。フォトリアルな人間の要素の中でも筋肉、脂肪、皮膚等の微妙な重力の影響や、ライティングしたときに出る皮下組織の種類による影のちがいに気をつけて制作しました。
- 審査コメント
- とても素晴らしいクオリティーに仕上がっていると思います。フォトリアルという題材の中でも高いレベルで表現できています。髪の毛や産毛の表現まで丁寧に作られていて素晴らしいです。(鈴木)
微妙な表情というところを一段超えて、感情が見えてきてほしいと思いました。目の見開き方と瞳孔の開き具合にちょっとした違和感。この絵からはわかりませんが、顔の輪郭、顎の裏から首筋にかけての筋とスジの流れなどに平板さを感じます。人物ポートレートを撮影するのと一緒で、この子が一番良く見える構図にもこだわってみてください。(小林真吾)