結果発表
2020/02/06 10:00

CERAMIC LIFE DESIGN AWARD 2018

受賞作品数:14点
主催:CERAMIC LIFE DESIGN AWARD 開催委員会(一般財団法人神戸財団、愛知県立芸術大学)

※一部作品のコメント・画像を、商品化準備中のため非公開としました(2022/3/22 登竜門 編集部)

グランプリ

該当なし

金賞

該当なし

銀賞

SHIZUKU:雫 series
榊原義弥
SHIZUKU:雫 series
作品コメント(一部抜粋)
昔より、日本は四季と自然が豊かな国でした。緑豊富な山々に降り注いだ雨は、岩に浸み込み、ろ過され、清らかな水として里山に湧き出て、実り豊かな生活をもたらしてくれました。また先人は「水琴窟」で一滴の水の音を楽しみ、「添水」では溜まる水音と石を打つ竹の音に趣を感じ、日々の彩りとして日常に取入れました。現在の生活では、蛇口を捻れば水が出て、ミネラルウォーターはペットボトルとして売られています。もう一度、一滴の「雫」の存在に眼を向け、多孔質セラミックを浸透し滴り落ちる「雫」として可視化し新たな価値を付加することで、視覚、聴覚、味覚を通し、無機質になりがちな私たちの日々の生活と食卓に新たな彩りをもたらすものになること願い「SHIZUKU雫」をデザインしました。
囲炉裏KITCHEN
~縄文から続くセラミックと囲炉裏の融合~
瀧野秀則、菅 浩太郎、大内 彰、水上真一
囲炉裏KITCHEN<br />~縄文から続くセラミックと囲炉裏の融合~
作品コメント(一部抜粋)
囲炉裏は縄文時代から連綿と続いてきた調理、食形態で、遠赤外線効果で料理がおいしくなるのはもちろん、家族が集まったり客をもてなす場であり、家の中で求心的存在でした。

しかし、求心力としての役目が、囲炉裏からテレビに移ってしまいました。囲炉裏を経験した人は少ないかもしれませんが、キャンプファイヤーの火を囲みながら好きな子のことを話したり、ただ無心に火を見つめているだけで安らぎを覚えた人もいるでしょう。火を囲むことで、人と人との距離が縮まり、日常とは違った時間が流れていきます。

現在では昔ながらの囲炉裏は少なくなりましたが、中には銅板やステンレス製の炉で囲炉裏を設置している家もあります。「囲炉裏KITCHEN」は電源、ガスが必要ないため、縁側、庭、屋上でも使うことができ、何よりも手入れが楽という利点があります。
文房具の隣に置ける調味料入れ
中川 徹
文房具の隣に置ける調味料入れ
作品コメント
「卓上のアイテムと共に日常を彩る調味料入れ」

現代では核家族化や一人暮らしの増加により必要とされる住空間が徐々に小さくなってきているように感じます。例えば若者のアパート暮らしを考えた場合大抵部屋にテーブルは一つで、その上で様々な物事を済ますことになります。PCでの動画視聴や読書、メモ書きそして食事などが挙げられます。そうなると必然的にそれらに必要な文房具や調味料入れが混同し、その様は綺麗とは言い難くなります。特に中身が見えたりスプーンが飛び出すタイプはまさにという感じで、最近のオシャレな文房具とケンカします。そこで今回「文房具の隣に置ける」という切り口で新しい調味料入れを考案・デザインしました。最後になりましたが今回のテーマである「キッチン」という言葉を「食卓」という場所にまで拡大させてもらいました。ご了承ください。

入選

肴焼き器
石田浩康
肴焼き器
作品コメント
私はキッチンを火を使って調理する場所と捉えました。
そこで、昔の日本の家庭に多く普及していた調理器具の七輪を参考にして考えていきました。
肴焼き器は、週末の夜に炭が燃えていく様子を見ながら、おつまみを炙り香りや風味を楽しみながら、ゆっくりとお酒を呑むための道具です。
肴焼き器で現代人が忘れている火を囲みながら食べたり話したりする時間を体験できると思います。
また、時間をつくり炭に火を起こしてゆったりとした時間を過ごすということは、豊かな生活や時間の使い方への問いかけになると思います。
慌ただしく過ぎる日々の時間の中で、少しの癒しの時間が生まれることを願いながらつくりました。
今回は、炭を規格化して販売する提案もしました。
室内で炭を燃やすということで安全性を考慮しました。
また、雑多な形で販売されている炭より肴焼き器本体と使用しやすく、一回分を小分けにして販売するなど炭の新しい販売方法も考えられます。
Display kitchen 飾(kazaru)
岩田愛理
Display kitchen 飾(kazaru)
作品コメント
古来、キッチンと住空間は離れた空間である。
明治時代は、土間にキッチンがあったほどである。
しかし最近は、オープンキッチンやアイランドキッチンが主流になり、住空間とキッチンの距離が段々と近づいてきているように感じる。
この先さらに距離を縮めて行くのではないだろうか。
関係性を見つめ直した。
空間と空間ではなく、空間の中にあるモノとして捉えたのがこのDisplay kitchenである。
COOL JAPAN PRODUCTS
─ マンガ肉ミートホルダー ─
影山友章
COOL JAPAN PRODUCTS<br />─ マンガ肉ミートホルダー ─
作品コメント
「COOL JAPAN PRODUCTS ─ マンガ肉ミートホルダー ─」は、日本人ならば誰もが一度はあこがれた“あの肉”を再現できる、新しいカトラリーです。
骨に見立てた純白のセラミックホルダーをブロック肉に差し込むことで、両手でかぶりつく、あこがれの“あの肉”が完成します。

セラミックという素材を新しい切り口で捉えることで、食卓に笑顔をもたらす、新しいプロダクトが生まれました。
vlam
佐藤由佳
vlam
作品コメント(一部抜粋)
vlamは、現代版の火鉢のような作品です。
今、火鉢はそれほど身近なものではありませんが、現代の生活の中でも気軽に使えるような火鉢があったら素敵だな、と思い考えました。火鉢はお湯を沸かしたり餅を焼いたりするなど、調理に使えるだけでなく、暖をとりながらみんなで火鉢を囲み、コミュニケーションをとることもできる道具です。火鉢があると、それだけでその場所はキッチンでありダイニングにもなります。
普通の火鉢はなかなか持ち運べませんが、vlamは気軽にいろいろな場所へ持っていけます。この作品を使うことで、机の上が、縁側が、ベッドサイドが、キッチンに変化します。
また、アタッチメントがさらに使い方の幅を広げます。セラミックの保温性を活かすことで、ゆったりと晩酌を楽しむこともできます。
揺らめく炎を眺めながらお気に入りの場所で料理を楽しむ。
kotori
鈴木祐人
kotori
作品コメント
kotoriはbaby、young、fatの3サイズからなるマグカップシリーズです。
「しっぽ」が生えていることにより逆さまに置いた時に接地面との間に隙間が生まれ、洗った後などに逆さまに置いておくだけで内部を清潔に乾かすことができます。
また、逆さまに置いた見た目はまるで小鳥が一休みしているような見た目となり、食卓やコーヒーブレイク、友人とのパーティーなど様々なシーンを楽しげに彩ってくれます。
PAC
徳山 洋
PAC
作品コメント(一部抜粋)
食事は私たちの生活に潤いや心地よさを与えてくれる大切な時間。
その心地よい時間がより長く充実したものになれば、日々のくらしを美しく彩ることにつながるのではないかと考えた。
器に目を向けると、形や色は時代によって変化し、技術進歩により性能も向上しているが、料理されたものを盛り付け、冷めない(おいしい)うちに食べる・飲むという行為は変わらない。
その「おいしい時間」を長くすることができれば、よりゆったりとした心地よい時間を過ごすことができるのではないだろうか。
PACはセラミックのやさしい見た目や手触りなど、今まで通りのアナログの良さとテクノロジーの利便性を掛合せた新たなジャンルの食器。モバイルバッテリーを熱源とし、器に熱伝導パーツを一体成型することで温度低下を抑えている。
マグネットで簡単に着脱可能。給電は充電プレートに置くだけ。
OKIBI
堀 悠貴
OKIBI
作品コメント
昔の日本家屋には囲炉裏があるのが一般的でした。
家族や仲間が火の周りに集まって食事をすることが日常であり、囲炉裏には会話を楽しむ場所としての重要な役割もありました。

現在でも、バーベキューなど家族や仲間と火を囲んで食事をすることで、普段より互いの関係が親密になるように、火は人のコミュニケーションを促進する効果を持っていることが分かっています。

「OKIBI」は炭火焼をイメージしてデザインした電気調理機器であり、火を囲んだ食事が日常的でなくなった現在に提案します。

陶器でありながら高い透光性を持つ「信楽透土」を活用することで、お肉や野菜をおいしく焼くことができる陶板焼きの効果を持ちながら、電熱線の光を通してまるで「熾火」のように赤く柔らかく輝きます。

さあ、今夜は家族や友人と「熾火」を囲んで食事をしませんか?
都市に浮かぶルーフ・キッチン
増田渓人、木枝周平、齋藤 隼、佐々木郁海、山村 健
都市に浮かぶルーフ・キッチン
作品コメント
低中層ビルの屋上は、余剰空間であり、設備機械や洗濯物が占拠している。日当たりもよく、風も通り抜ける屋上で料理をしたり、集まって食事ができるのならどんなに楽しいだろうか。

ビルの屋上に人々が集まり、「都市生活を彩る食空間」を提供するキッチンを提案する。

屋上のパラペットに取り付け可能なセラミック・キッチンボックスをデザインする。耐候性、耐摩耗性、耐汚性、耐水性を兼ね備えたセラミック・キッチンボックスは、屋外での使用に適している。ボックスは、育てる、洗う、冷やす、調理する、食べるという五つの食に関する行為に即して設計されている。住民や利用者は三つの基本的なユニットを組み合わせて、自らの生活スタイルに合わせて食空間を作り出していく。

セラミック・キッチンボックスは、多様な食空間を提供することによって低中層ビルの屋上空間を彩り、街全体に展開していく。屋上で食を楽しむ、新しく豊かな生活風景が生まれる。
彩五徳
三島大世
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三島大世
KAMAKURA
山口幸宏
KAMAKURA
作品コメント
食品を鮮度よく保存できるストッカーの提案。
セラミック(陶器)の特性である気化熱による放射冷却に着目し、本体に水を貯めて放射冷却を利用することで冷蔵庫のように保冷することが可能です。
さらに蓋を霧吹きなどで湿らせれば気化熱でさらに保冷力が上がります。
また水を入れずに使うことで保温性のあるストッカーとしても使用ができます。
非電化なので置き場所を選ばず、キッチンはもちろんリビングでも優しく馴染みます。
雪で作るカマクラからインスパイアされたデザインです。
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