結果発表
2020/01/06 10:01

ANAオフィシャルカレンダー「Welcome Aboard 2020」

応募作品数:約800点
受賞作品数:12点
主催:全日本空輸株式会社

1月 富士山

三ツ峠にて
冨岡茂雄
三ツ峠にて
審査コメント
絶景スポットと言われる三ツ峠から富士山をとらえた作品です。真っ白な樹氷の森と雲海が、富士の勇姿をいっそう引き立てています。真冬の大気の透明感がストレートに伝わってくるようで、作品を眺めていたら思わず深呼吸をしたくなりました。1年のはじまりに相応しい上質な作品と言えるでしょう。

2月 ロサンゼルス

グリフィス天文台
今井美穂
グリフィス天文台
審査コメント
オレンジ色の夕焼け空から群青の空へと続くグラデーションの美しさに心が奪われました。眼下には、星空を鏤めたような果てしない都市の夜景が広がっています。一瞬、宇宙を彷徨っているような錯覚を抱きますが、グリフィス天文台の存在感が、この地球上で繰り広げられている光のドラマであることを教えてくれます。

3月 北京

故宮の角楼
三田崇博
故宮の角楼
審査コメント
世界遺産「故宮」の角楼をストレートにとらえただけでは、当たり前の説明写真になってしまいます。鏡のように凪いでいる水面と、雲一つない澄み切った青空を大胆に取り入れたことで、この場の静謐な雰囲気を伝える作品に昇格しています。建造物を生み出した人々の想い、この地の深い歴史をもっと知りたくなりました。

4月 長野

千曲川堤防
大槻光平
千曲川堤防
審査コメント
八重桜の並木が全長約4kmにもわたって続く地元では有名なスポットです。花が満開に咲き誇る季節に訪れ、光がやわらかくなる時間帯を狙ってシャッターを切っています。まるで絵本のページをそっと開いたようなメルヘンの世界が誕生しました。この作品に接する誰もが、いつかこの場所を訪れてみたいと夢を抱くことでしょう。

5月 パリ

エッフェル塔
脇元文良
エッフェル塔
審査コメント
パリをテーマにした中で最も目を引いたのが、このエッフェル塔を大胆な構図でとらえた作品でした。塔の下まで来て、ふと空を見上げたときに受けた驚きや感動が、ダイレクトに作品に反映されています。パリで暮らしている人たちはなかなかこのようには撮らないでしょう。街歩きの醍醐味を再認識することができました。

6月 シドニー

オペラハウス(VIVID SYDNEY)
Yori Hirokawa
オペラハウス(VIVID SYDNEY)
審査コメント
オペラハウスのプロジェクションマッピングを、高度な撮影技術でとらえています。この作品の価値を高めているのが、縦横無尽に海上を移動する船の航跡です。早いスピードの船もあれば、ゆっくりと進んでいく船もある。まるでシドニーの街中で暮らす人々の生活スタイルが垣間見えてくるようです。

7月 東京

足立の花火
笠井 忠
足立の花火
審査コメント
日本の夏の風物詩と言えば花火です。この作品の優れている点は、手前に高層マンション群を入れ、都市の一風景として花火をとらえていることです。文化を継承しつつ発展し続ける大都市東京を、見事に1枚の作品で物語りました。世界中の人々が煌びやかな東京に憧れを抱き、いつか訪れたいと願うことでしょう。

8月 ロンドン

ビッグ・ベン
児玉高照
ビッグ・ベン
審査コメント
スカッとした澄んだ夏の青空に心が奪われました。空を背景にしたことにより、ビッグ・ベンの存在感が強調されています。この作品を面白くしているのが、構図の中に大胆に取り入れた地下鉄ウェストミンスター駅の標識です。新と旧が融合するロンドンのいまを伝えると同時に、賑やかな街の喧騒も聞こえてきます。

9月 メキシコシティ(郊外)

テオティワカン遺跡
鶴谷 巌
テオティワカン遺跡
審査コメント
ピラミッドのような巨大な建造物は、作品にするのが難しい被写体と言われています。少し離れた場所でカメラを構え、左右を大胆にカットした構図にし、望遠レンズ特有の圧縮効果によって建造物の大きさを伝えています。所々に点景で映り込んでいる観光客が、この作品に臨場感を与えてくれました。

10月 札幌

平岡樹芸センター
佐藤哲也
平岡樹芸センター
審査コメント
秋の平岡樹芸センターから、まるで日本画を彷彿とさせる作品が誕生しました。太陽の光が斜めから差し込む時間帯を狙っているからこそ、モミジの色鮮やかさが際立ってくるのです。落ち葉が敷き詰められた小径を強調した構図も素晴らしい。明確な季節を持つ北国の魅力を伝える、旅情あふれる作品です。

11月 バンクーバー

スタンレーパークにて
岸 大輔
スタンレーパークにて
審査コメント
バンクーバーのダウンタウンは、スタンレーパークからの眺めが一番お勧めと言われています。近代的なビル群と秋色に染まる木々の枝葉を組み合わせたことで、カナダの秋の季節感を表現することができました。作品を眺めていたら、この街が毎年のように「世界で最も住みやすい都市ランキング」で上位に選ばれる理由がわかってきました。

12月 ミュンヘン(郊外)

ノイシュヴァンシュタイン城
溝渕美穂
ノイシュヴァンシュタイン城
審査コメント
シンデレラ城のモデルとなったノイシュヴァンシュタイン城の冬の姿です。針葉樹が額縁の役割を果たし、風景写真が1枚の絵画のような作品に仕上がりました。観光でこの地を訪れる人たちは、夏から秋にかけての季節が中心になるでしょう。しかし、寒さが厳しい冬にも洗練された美しさが潜んでいることを、この作品は教えてくれています。
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