登竜門

第78回 毎日広告デザイン賞
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第2部 / 発言広告の部 / 最高賞
作品名 自由課題「なまけている、わけではないのです。」
制作者 丹羽和乃さん、岩田和樹さん
作品の選評 【メッセージを浮き立たせるもの】
 親しみやすく、分かりやすい、そして何よりも「おやっ、何だろう」と目を引くことが発言広告には重要だろう。アイデアとデザインがメッセージを浮き立たせる。

 誰でも知っているウサギとカメの物語で意表をついたのが最高賞の作品だった。実はウサギは慢心したのではなく、うつ病になっていたのだ。じっと座り込んでいるウサギと、山頂のゴール間近のカメ。ほのぼのとした線画をある審査員は「ぬり絵をしたくなる」と評した。「なまけている、わけではないのです。」ではじまるコピーも分かりやすく、絵とのバランスもいい。

 うつ病は今や国民病といわれ、自殺者の増加にもつながっている。しかし、誤解や知識不足から対策が遅れ適切な治療を受けていない患者が多いという。大きな問題に警鐘を鳴らす時宜にかなった作品といえる。

冠木雅夫(毎日新聞社 論説委員長)
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