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同アワードは、ジェームズダイソン財団が主催するもので、次世代のデザインエンジニアを称え、励まし、その創造力を刺激することを目的に開催されている国際的なデザイン賞です。18カ国から作品を募り、本年度は500点近くもの応募がありました。各国で最優秀賞が選び、その中からジェームズ・ダイソン自身が最終審査を行いました。
最高賞である国際最優秀賞に選ばれたのは、サミュエル・アデロジュ氏の「LONGREACH」(救命浮き輪発射装置)。ロケット型の救命浮き輪を発射し、最大で150メートル先の海上まで飛ばす事が出来ます。製品の機能性を人命救助に活用した点が高く評価され、国際優秀賞に選ばれました。
イギリス近海では遊泳者が離岸流や海流の影響で沖に流され、毎年13,500件以上の海難事故が発生し、約100名の死者が出ているそうです。「LONGREACH」のように、誰もが人命救助を行える製品が増えていくことで、不意な事故や災害で失われる命が少なくなる事を期待します。
ここでは、国際優秀賞、2位、3位の3点をご紹介します。
過去の受賞作品
DYSON DESIGN AWARDS 2007 / JAMES DYSON AWARD 2005
関連リポート
JDNリポート「DYSON DESIGN AWARDS 2007」最終審査結果発表
応募作品総数: 約 500 点
受賞作品総数: 15 点
主催: ジェームズダイソン財団
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国際優秀賞 【 LONGREACH 】
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*各作品をクリックすると、全画像がご覧いただけます
(作品名、受賞者名、国名、作品説明)
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LONGREACH
Samuel Adeloju
オーストラリア
多数の人命を救える可能性を持つ救命浮き輪発射装置。緊急用救命浮き輪を発射して最大で150メートル先の海上に飛ばすことが可能。浮き輪は破裂を防ぐため、水に接触すると瞬時に膨らむ疎水性の発泡体で作られている。また、夜間の使用に備えて信号灯も装備されているため、遭難者は長時間浮いていることが可能。手榴弾の発射装置の推進技術の実演を見たことが、今回の開発のきっかけとなった。 |
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SEA KETTLE
Kimberley Hoffman
アメリカ合衆国
飲料水生成装置付き救命ボート。自然光を利用して海水を脱塩処理する機能を備えている。この作品は、海で遭難して脱水症状を起こした人の話を聞いて、「周囲を水に囲まれているのだから、海水を安全な飲料水にする方法があるはず」と考え、発案したもの。
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REAX
Lars Imhof / Marc Binder
スイス
心肺機能蘇生ベスト。心肺機能蘇生は身体な負担が大きく、救急救命士は作業に専念する必要がある。このREAXは、空気圧式人口筋肉の技術を有効に活用することで胸部全体を一定の間隔で圧迫し、救急救命士がより多くの作業をすることが出来る。救命具は、救急医療という緊迫した状況の中で、苦しむ患者に安心や安全を与える道具であり、救急隊員にとって精神的な支えである。その事を考慮し、REAXは機能性だけでなく、デザイン上の美しさも持たせている。
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