作品名
|
『パノラマボールとゼログラフ 映像メディアの別の進化論』
静止画
|
作者氏名・プロフィール
|
橋本典久
1973年愛知県瀬戸市生まれ。
武蔵野美術大学映像学科在学中からフレームを越えた映像表現の研究を初め、出来上がった球体写真を[パノラマボール]と命名。
筑波大学大学院芸術研究科総合造形分野在学中に[パノラマボール]を平面化した[ゼログラフ]を見いだす。
2003年春に両手法が完成の域に到達。
メディアが華々しく進化する一方で失ってしまった事項、感覚をやさしく表現できるシンプルで新しいメディアの開発を進める。
|
作者コメント |
既存のメディアを絶対と思わずに試行錯誤を繰り返した結果、とてもシンプルな新しい表現にたどり着くことができました。
私の7年間の努力を新たに始まったアート部門で高く評価していただいたことを心から感謝いたします。
映像メディアが華々しく進化を遂げる一方で、それを見る受け手の感覚はますます薄らいで閉ざされていく気がします。
受け手の意識を開くことができる力をもった作品をゆっくりと作っていきたいと考えています。
|
贈賞理由 |
この作品は、これまでの静止画の概念を根本的に変えるものとなった。
日常見慣れた空間を反転し球体に仕立てる。
そこに生まれるこれまで見たこともない世界。
新しい非日常的な世界、しかし自分もよく知っている日常を、宇宙をも感じさせる世界にしあげた作者の発想の柔軟性と表現力に感心した。
動画やインタラクティブ作品でなくても作者の視点の変換やデジタル技術によって新しい世界を見つけることができるということを我々に教えてくれた。
今後のデジタルアートにとって大きな意味のある作品となった。
|