Nippon Paint Young Designer Award《学生限定》

募 集 終 了

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主催:日本ペイント株式会社

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優勝

「Skin 伸び行く都市改修のファサード」
「Skin 伸び行く都市改修のファサード」

内田和也(千葉大学 大学院工学研究科 建築学コース)

審査員選評

藤村龍至(東洋大学 理工学部 建築学科専任講師 藤村龍至建築設計事務所代表)「かつて1980年代においては、記号こそが現実を変えると繰り返し語られて来た。
ところがバブル崩壊とともにそれらの主張の虚しさが明らかになった1990年代以降、建築においては物質と経済の力だけが信じられるようになってしまった。
一等案はベルギーの金融街への提案であり、派手さはないが、そうしたコンテクストに触れているという予感が感じられた。グローバル・ツナミに世界が覆われた今、私たちは物質や経済に居直るだけでなく、記号こそが現実を変えると信じられていたあの頃に夢見た表層の力を取戻すことができるかどうか。
本コンペにおいて、そのような力強い作品が選ばれて行くことを引き続き期待することとしたい。」

成瀬友梨(株式会社成瀬・猪熊建築設計事務所 一級建築士事務所)「これは、つぎはぎだらけの町並みにレンガのスキンを被せることで、つぎはぎをフレーミングし面白い町並みへと変換しようとする案だ。既存の建物に軽やかなスキンを被せるというリノベーションの手法は、それほど目新しいものではないが、スキンと既存建物の間にできた空間にあかるい吹抜けやちょっとした半屋外のようなテラス空間ができていて、閉塞感のある内部空間と外部とのよいバッファーとして機能している。
内部の間仕切りにカラーガラスを用いているが、白いレンガに色が反射して外からかすかにその色が感じられる等、外部からもその効果が感じられるような工夫がほしかった。」

猪熊 純(株式会社成瀬・猪熊建築設計事務所 一級建築士事務所)「今回のコンペのテーマは、対象となる施設や用途は何でも良く、コミュニティと環境的思考を含んだ提案を要求しており、広がりのある難易度の高いものであった。
入賞案は、そうした課題設定に対し、ブリュッセルという敷地、オフィスという用途などを独自の視点で設定し、既存の町並みの要素を再構成することで、全く新しい景観を作り上げている。新しく加えた壁の要素は、建物の単位や所有の区分を超え、ダイナミックに広がっており、建築的思考の可能性を感じさせる。」