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2023/02/09 15:35

【結果速報】東京ビジネスデザインアワード 2022年度の最優秀賞は「プリント基板の新しい使い方を提案するサウンドプロダクト」

プリント基板の新しい使い方を提案する サウンドプロダクト 田村匡將(代表/建築家/デザイナー)、元木龍也(エンジニア)、高橋窓太郎(ビジネスアーキテクチャー)、本杉一磨(建築家/デザイナー) 【デデデ】プリント基板の新しい使い方を提案する サウンドプロダクト 提案デザイナー:田村匡將(代表・建築家・デザイナー)、元木龍也(エンジニア)、高橋窓太郎(ビジネスアーキテクチャー)、本杉一磨(建築家・デザイナー) 【デデデ】

2023年2月9日、東京・六本木の東京ミッドタウンにて東京ビジネスデザインアワード最終審査会が開催。最優秀賞に、「プリント基板の新しい使い方を提案するサウンドプロダクト」が輝いた。

受賞デザイナーは、田村匡將(代表・建築家・デザイナー)、元木龍也(エンジニア)、高橋窓太郎(ビジネスアーキテクチャー)、本杉一磨(建築家・デザイナー)の4名からなるデザインユニット「デデデ」。

東京ビジネスデザインアワードは、東京都内のものづくり中小企業と優れた課題解決力・提案力をあわせ持つデザイナーとが協働することを目的とした、企業参加型のデザイン・事業提案コンペティション。企業が持つ高い技術や素材をコンペのテーマとして選定し、そのテーマの新たな用途開発などを軸とした事業全体のデザインをデザイナーから募ることで、優れた事業提案の実現化を目指す。2022年度は10件のテーマに対してデザイン応募があり、9件のテーマ賞に選出されたデザイナーは約1ヶ月半の期間で企業とともに提案をブラッシュアップし、最終審査に臨んだ。

東京ビジネスデザインアワードの進捗

最優秀賞の提案は、有限会社ケイ・ピー・ディ(葛飾区)が持つ半田付け不要の基板ジョイント導通技術から、歯車の凹凸がかみ合うと音が鳴る仕組みを発想。物理的なかみ合いによって電気的に導通されるという知的好奇心をくすぐるギミックと、身の回りの音を組み合わせて拡張させる楽しさ、またそこで生まれる偶発的な音楽との出会いを一つのプロダクトに落とし込んだ。課題の難易度とプロダクトの完成度、発想を短期間でプロダクトに起こした技術力と新規性が高く評価された。

田村あ(左)、加藤(右)

田村匡將(左)、加藤木一明(右)

受賞したデデデ代表の田村は「メンバーそれぞれの能力を噛み合わせて、スピードよく提案が作れた。ケイ・ピー・ディの皆さんとスピード感をもって取り組め、形にできて嬉しく思う。DJ経験があるのでこのプロダクトでアーティストを目指すかもしれない」とコメント。ケイ・ピー・ディの加藤木一明は「社内だとこういったアイデアを出すことは難しい。デデデの皆さんと一緒にものづくりの楽しさを噛み締めている。これからがスタートだということを忘れず前向きに、基盤業界の貢献のため努力していきたい」と述べた。

また、優秀賞は司産業株式会社の技術を活用した大木陽平(デザイナー/株式会社サイド)の提案「スクリーン印刷による新たな魅力の開発」、および株式会社泰清紙器製作所のテーマに基づく泉伸明(アートディレクター・デザイナー/株式会社キュー)の提案「貼箱製造の技術と設備を活用した箱だからできる玩具の提案」が受賞した。

審査員長の山田遊はアワードを振り返り「過去一番のレベルの高さだと思う。最優秀賞、優秀賞を決める議論も白熱し、受賞を逃したテーマ賞との差は紙一重だった。今回のことをきっかけとして実現に向け進んでいただければと切に願っている。デザインとものづくりが別領域かのように扱われている昨今だが、本来ふたつは不即不離の関係で共にあるもの。今回の審査を経て、東京ビジネスデザインアワードはそのことを体現しているアワードだと再認識した。本賞をきっかけに、デザイナーと企業が並走し、新たなものづくり、サービスづくりを社会の中で体現していただけることを応援している」と総括した。

また、第一回から審査に参加している弁護士の日髙一樹は、今年の提案はどれもデザイン経営のひとつの雛形になるのではないかと語るとともに、製品化に向けて、海外も含めた知的財産保護の措置を早期に行ってほしいと会場のデザイナー・企業に向けアドバイスした。

受賞3件を含めたテーマ賞の各デザイン提案は、テーマ企業とデザイナーの間で事業化・製品化に向けた検討が始まっている。

公式ホームページ
https://www.tokyo-design.ne.jp/award.html

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