TOKYO MIDTOWN AWARD 2024 アートコンペ
協力:合同会社生活と表現
東京ミッドタウンが主催する、デザインとアートのコンペティション「TOKYO MIDTOWN AWARD 2022」の受賞・入選作品が10月13日に発表された。
同コンペは、才能ある若手デザイナーやアーティストとの出会い、応援、コラボレーションを目指すもので、デザインコンペ・アートコンペの2部門を設け、39歳以下を対象に幅広く参加作品を募集している。15回目となる今回は、総計1,481件(デザインコンペ1,218件/アートコンペ263件)の応募の中から16作品が選ばれた。グランプリは以下のとおり。
【デザインコンペ:グランプリ】
テーマ:TRIP
作品名:souvenyl chair
受賞者:ツルタシュリ
【アートコンペ:グランプリ】
テーマ:応募者が自由に設定
作品名:But he has nothing on at all
受賞者:中田愛美里
デザインコンペのグランプリに選ばれたのは、ツルタシュリによる、ビニール袋を椅子にアップサイクルするという「souvenyl chair(スーべニール チェア)」。旅先でもらうお土産袋や生活の中でもらう袋を加熱加工し、世界でたった一つの「お土産のような椅子」をつくるという提案だ。
ビニール袋で補強するという構造と、ビニール袋の集積でできた椅子のヴィジュアル、そのどちらも秀逸だと高く評価された。審査員でフィルムメーカーの川村元気は、作品について「いろいろなアイデアを喚起する。旅を記録する椅子にもなりうるし、あるいは自宅の生活や消費が見えてくるものとして、アートやエンターテインメントのフレームにもなるのではないか」とコメントした。
今回のデザインコンペでは、現在の審査員構成となってはじめて、満場一致でグランプリが選出された。またファイナリスト10組のうち6組が学生となり、次世代を担うデザイナーに大きな可能性も感じる結果となった。
また、アートコンペのグランプリには、中田愛美里による「But he has nothing on at all」が選ばれた。SNSで集めた着飾られた犬たちをモチーフに、社会の中で“本当の自分ではない誰か”を無意識に演じさせられている人々の肖像を描いた作品。
今回のアートコンペは応募傾向として、インスタレーションの応募が最も多く、応募者の若年齢化が進だという。パンデミックの発生から3年弱が経ち、バーチャルとリアルが混在する現代社会に呼応しながら自身の表現を追求している作品が多く集まった。
アートコンペ審査員でアーティストのクワクボリョウタ氏は「今年はコロナ禍を切り抜けて、それぞれの作家が自分本来の問題意識を全開にして挑むことができたように思う。また、最後までどのようにすればより良く表現できるか試行錯誤を続ける姿勢も目立った。このアワードがある種の対話の場として機能したのかも知れない」とコメントしている。
グランプリを含め、両部門で受賞・入選した16点は、10月13日から11月6日まで、東京ミッドタウンのプラザB1 メトロアベニューにて展示される。会場では、毎年デザイナーやアーティストによって異なるデザインでつくられるトロフィーも展示。今回はデザインコンペの審査員である、えぐちりか氏がデザイン・制作した作品トロフィーが飾られている。なお、会期中は、来街者やオンラインでの一般投票で人気作品を選出する「オーディエンス賞」も実施される。
TOKYO MIDTOWN AWARD 公式ホームページ
https://www.tokyo-midtown.com/jp/award/