ニュース
2019/11/18 10:00

【結果速報】SHIBUYA FILM AWARD 2019 グランプリは『面』、大型街頭ヴィジョンで放映へ

【結果速報】SHIBUYA FILM AWARD 2019 グランプリは『面』、大型街頭ヴィジョンで放映へSHIBUYA FILM AWARD 2019 グランプリを受賞した谷若菜さん(写真中央)。作品は『面』

11月8日、東京・渋谷にて、映像コンペ「SHIBUYA FILM AWARDS 2019」入選11作品の上映会・授賞式が行われた。

同コンペは渋谷芸術祭との連動企画で、「好きな漢字を一字選び、その漢字をテーマにした、オリジナルな映像作品」を募集したもの。上映会・授賞式にはノミネート11作品の監督のほか、審査員の明石ガクトさん(メディアカンパニー『ワンメディア』代表)、上野弘之さん(映画プロデューサー)、四宮隆史さん(プロデューサー、弁護士)、久野剛士さん(『CINRA』編集者)も参加した。

グランプリに輝いたのは、谷若菜さんの『面』。審査員の上野さんはグランプリ作品を「登場人物が面を被り、人の表情を映さないことが渋谷を雄弁に語るという逆説的なところが面白くて、他の作品にはない点」と評価。谷さんは「まだドッキリなんじゃないかと思っています。皆様ありがとうございました」とはにかみながらコメントした。

なお同アワードでは当初、準グランプリ2作品の予定だったが、審査過程でグランプリ作品の選出意見が2作品で割れた。審議の末に、1作品をグランプリに、もう1作品を準グランプリ1作品に選出することとなったという。準グランプリは稲井耕介さんの『交』が選ばれた。

準グランプリ作品について審査員の明石さんは「『何の漢字か』が最後に驚きを持って伝わる、比喩的な構成が良くできている。惜しむらくは渋谷要素があまりなかったことだが、コンパクトながら妥協なくまとめた点は本当に良かった」と講評した。

トークショーで語られた、未来の映像社会

SHIBUYA FILM AWARD 2019 トークショーの様子

授賞式後に行われたトークショーの様子

授賞式後に行われた審査員トークショーでは、審査員がそれぞれの立場で審査の視点を語り合った。

- 漢字一文字という難しいお題、さらにそれと渋谷の関連性を見出すのに苦労した。(明石ガクトさん)

- 渋谷を代表する作家を輩出する、というところで「作家性」「芸術性」を重視して選んだ(上野弘之さん)

-(放送ディレクターとして多数の映像作品を手掛けた経歴から)フィルムアワードなので、やはり一番大事にしたかったのは「ストーリー」。(四宮隆史さん)

- 編集者目線としては制作スキルより企画を大事にしたい、ちゃんと煮詰まった企画があるかどうかが大事だと思う。(久野剛士さん)

他に、「商業映像クリエイターが作家にシフトしていくには『描きたいこと』を持って制作・発表発信を続けることが大事」という意見や、「映像産業は世界にマーケットを探しに行く時代。海外のアワードに出すのが一番」「自分たちの表現を喜んでくれる人を探して、接点を持っていくことが重要」など、これからの映像界やクリエイターの未来について、多岐に渡るトークが交わされた。

今回のグランプリ作品は、一部が渋谷の大型街頭ヴィジョン9機で放映される予定だ。

公式ホームページ
https://shibuyaawards.com/

取材・文・撮影:猪瀬香織(JDN)

関連リンク

関連記事