TOKYO MIDTOWN AWARD 2024 アートコンペ
協力:合同会社生活と表現
10月2日、日本デザイン振興会は2019年度のグッドデザイン賞を発表。今年は4,772件の応募があり、過去最多の1,420件が受賞した。そのうち特に優れたもの100件は「グッドデザイン・ベスト100」に選定されている。この100件の中から、10月31日にグッドデザイン大賞をはじめとする各賞が決定する予定だ。
同賞は、1957年に創設された、日本で唯一の総合的なデザイン評価の取り組み。近年ではデザイン領域の拡張にともなって、モノだけでなくサービスや、システム、社会活動など多岐にわたるデザインが受賞している。また、最近ではアジア圏からの応募や受賞も増えているとのことだ。
今年は特に「共振力」、つまりデザインが作り手、使い手、そして社会へと波及し、浸透する力のあり方に注目した審査が行われたという。審査委員はプロダクトデザイナーの柴田文江さん、アートディレクターの齋藤精一さんをはじめとする総勢92名。書類審査の後、作品そのものを前に作者と審査員が直接対話する現品審査(建築など大型作品は現地審査)を国内外で実施するという、厳格かつ丁寧なプロセスで審査が進められた。
審査委員長の柴田文江さんは受賞発表会で、「応募デザインがこれから私たちの社会に何をもたらすのかを考え、審査委員は未来を見るような気持ちで審査した。また今の社会では、良いデザインは必ず強い共振性をもっており、今年らしい着眼点だったと思う。作品を見たすべての人に、クリエイティビティを呼び起こせればと思う」と講評した。
なお、この日は同時に、長年人々から支持され続けてきたデザインに贈られる「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」15作品も発表された。
受賞結果概要
https://www.g-mark.org/activity/2019/outline.html
東京・六本木の東京ミッドタウンでは同賞の発表に合わせ、審査委員92名が自身のお気に入り受賞作品を紹介する「私の選んだ一品- 2019年度グッドデザイン賞審査委員セレクション」を10月25日まで開催している。
同賞の審査委員は、デザイナーだけでなく建築家や研究者、ジャーナリスト、企業経営者、法律家など、さまざまな分野の第一人者で構成される。この展示では、それぞれの審査委員が独自の視点で選んだデザインの現品を展示(建築など一部を除く)。審査委員のコメントが書かれたパネルを読みながら、デザインをじっくり見ることができる。
審査委員のなかには、さまざまなコンペで審査員を務めている方も多い。普段からたくさんのものを目にし、ジャッジしている方たちが今回はどんなものを選んだのか、見に行ってみてはいかがだろうか。
●タイトル
東京ミッドタウン・デザインハブ 第82回企画展
「私の選んだ一品- 2019年度グッドデザイン賞審査委員セレクション」
●会期
2019年10月2日(水)~10月25日(金)
11:00~19:00
※10月6日(日)のみ休廊
●会場
東京ミッドタウン・デザインハブ
(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F)
●入場料
無料
イベントホームページ
https://designhub.jp/exhibitions/5321/
取材・文・会場風景写真:猪瀬香織(JDN)