【レポート】日本初の宇宙ビジネスコンテスト「S-Booster 2017」
10月30日、日本初となる宇宙ビジネスのコンテスト「S-Booster 2017」最終選考会が開かれ、15組が事業アイデアを競った。
大賞に輝いたのは、人工衛星のデータを利用して航空機の飛行経路を最適化し、燃費を大幅に減らすアイデア。世界中の航空機で実現すれば3,000億円以上の経済効果になるとのこと。革新性と実現可能性、技術的な根拠が揃ったアイデアで、スポンサー賞とのダブル受賞となった。受賞者の松本紋子さんはANA職員。
日本初の宇宙ビジネスコンテスト
S-Boosterは、宇宙環境や人工衛星のデータなどを利用したビジネス(宇宙ビジネス)のアイデアコンテスト。宇宙を素材としたあらゆるアイデアを発掘して事業化を支援することが目的だ。民間へ宇宙産業が広がる情勢を受けて開かれた。内閣府やJAXAなどが主催、スポンサーにANAなどが参画している。
今年6月に1ヶ月間の募集期間が設けられ、300を超えるアイデアが集まった。一次審査、メンターの指導や合宿によるアイデアのブラッシュアップを経て、15組が最終選考会に臨んだ。結果は以下の通り。
超低高度衛星搭載ドップラーライダーによる飛行経路・高度最適化システム構築 [松本紋子(ANA職員)]
スポンサー賞 [ 賞金 100万円 ]
・ANAホールディングス賞
嗅ぎ注射器 宇宙へ [石北直之(医師)]
・三井物産賞
衛星測位×セキュリティ(未来に向けた安心な測位) [羅針盤(チーム)]
・大林組賞
宇宙テザー技術を使った宇宙環境計測技術の開発 [TRY FORCE(チーム)]
・スカパーJSAT賞
大賞に同じ
審査員特別賞 [ 賞金10万円 ]
世界をつなぐ さざ波衛星ネットワーク [さざ波(チーム)]
力触覚技術を適用したロボットアームによる宇宙での作業の高機能化 [ハプティクスターズ(チーム)]
最終選抜出場チームはアイデアもバックボーンも幅広い
宇宙は難しい、大規模で遠い世界の専門家の話だと思う人が多いだろう。
しかしS-Booster最終選抜界では、専門家でなくとも宇宙ビジネスにチャレンジできる可能性が見えていた。
最終選抜に出場した15組は、大企業のチームや専門家集団に限らない。スタートアップや中小企業、老舗料理店の店主、町議会議員、タレント……と様々なバックグラウンドを持つ。
発表されたアイデアもバラエティに富んでいる。月面基地建設といった専門的なものもあるが、地域の課題に挑む案、未来産業の構想、教育、エンタメ色の強いものまで様々。共通するのは、みな日々の仕事や生活、趣味からアイデアを生んでいる点だ。
最終選抜に残った15アイデアとも、事業化に向けたサポートを継続的に受けられるとのこと。
宇宙でのエンターテイメントが持つ可能性
最終選考の合間には、宇宙ビジネスの展望についてパネルディスカッションも行われた。話題はベンチャー事業展開のコツや資金面の課題、宇宙とエンターテイメントの関わりまで多岐にわたった。
ベンチャー企業社長の岡島さんや山田さんは、エンターテイメント性の強い宇宙ビジネスに大きな可能性があると語る。特に、岡島さんが実現を目指している「人工流れ星」事業についての話は盛り上がりを見せた。
剛力さんは「今は決まった服で行くイメージの宇宙だが、おしゃれして行ったりしたい」と目を輝かせ、若田宇宙飛行士も映画や漫画が宇宙業界を目指す若者たちに影響を与えていると話し、会場を沸かせた。
多方面に広がりを見せる宇宙ビジネス。あなたも次のチャンスに向けて、起業アイデアを練ってみてはいかがだろうか。
S-Booster 2017 公式ホームページ
https://s-booster.jp/
取材・文:猪瀬香織(JDN)
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内閣府宇宙開発戦略推進事務局
共催:国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
アジア共催:タイ地理情報・宇宙技術開発機関(GISTDA)2022/05/30 10:00NO IMAGE -
募集要項
宇宙服のアイディア
公益財団法人 竹中育英会
企画・共催:公益財団法人 ギャラリー エー クワッド2022/05/23 10:00NO IMAGE