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2017/09/20 10:00

【レポート】飛騨の家具®アワード 家具デザインコンテスト 2017 表彰式・講評

飛騨の家具®フェスティバル2017 メイン会場(画像 © Nacása & Partners Inc.)飛騨の家具®フェスティバル2017 メイン会場(画像 © Nacása & Partners Inc.)

去る9月6日(水)、岐阜県高山市内で「飛騨の家具®アワード 家具デザインコンテスト」の表彰式が行われた。

飛騨の家具®アワード 家具デザインコンテストは、今年で2回目を迎える木製品のデザインコンテスト。日本を代表する家具の産地・飛騨高山で毎年開かれている「飛騨の家具®フェスティバル」の一環として行われている。

気になる結果発表

今回のアワードは、応募総数576点(うち海外から224)と、前回の353点に比べ飛躍的に数が伸びた。また、海外からの注目度の上昇もうかがえる。そこから選ばれた受賞作は次の3点。最優秀賞は該当なしとなり、優秀賞に1名の方、奨励賞は2名の学生が選出された。

優秀賞

リーフチェア/LEAF CHIR(横田哲郎さん)

リーフチェア/LEAF CHIR

最優秀賞のリーフチェアは、木の葉をモチーフにデザインした椅子。その形状は繊細でありながら人間工学に基づいて計算されており、横田さんは「飛騨のクラフトマンシップがあってこそ実現しうる」としている。

奨励賞

Angle chair(加藤康太さん・東北芸術工科大学)
Komore-Bi(木下瑛彦さん・多摩美術大学)

結果発表 詳細はこちら

飛騨の家具アワード2017

表彰式にはアワード外部アドバイザーの山崎泰(登竜門ブランドディレクター)らが登壇。会場では昨年受賞作の試作品も展示し、来場者の興味を引いた。

山崎は今回のアワードについて次のようにコメントしている。

前回を大幅に上回る提案を集めることができ、国内外に飛騨のブランド名を届ける役割は果たせているのでしょう。ただ、次代の飛騨を切り開くようなデザインを見出し、デザイナーとのつながりを作り出すという観点からは、不十分な結果となりました。
(中略)
世界からも日本からも、飛騨が家具づくりの聖地としてさらに認識されるように、良い企画にしていきたいと考えております。今後ともご支援、ご注目のほどお願いいたします。

※2017年11月14日追記
インテリアスタイリストの黒田美津子氏をはじめとするアワード外部アドバイザーの講評は、公式ホームページに掲載されている。

飛騨の家具®アワード 家具デザインコンテスト 公式ホームページ

飛騨の家具®フェスティバル メイン会場はまるでホテル

飛騨の家具®フェスティバル2017

画像 © Nacása & Partners Inc.

コンテスト表彰式が行われたたフェスティバル会場の飛騨・世界生活文化センターには、ホテルのラウンジをイメージした空間「飛騨の家具®ホテル」が出現。演出はインテリアスタイリストの黒田美津子氏。イサム・ノグチの照明の下、飛騨産業・日進木工・シラカワ・柏木工・イバタインテリアの5社らにより飛騨の家具が置かれた。

この、木の素材感を活かした温かみのあるラウンジ空間で、来場者が実際にお茶を飲んだりとくつろぐ姿が見られた。単純な企業PRや商談を超え、飛騨の家具®の新たな魅力が体験できる場となった。

飛騨の家具®フェスティバル2017

画像 © Nacása & Partners Inc.

空港も新幹線の駅も近くになく、山深い飛騨高山地域。そこでは世界に通用するレベルの木製家具が作りつづけられ、新たな可能性も見えている。そのことが十二分に伝わる数日間となった。これからも、飛騨から目が離せない。

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