MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 2012

募 集 終 了

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  • WEB・ゲーム・デジタルコンテンツ
  • 募集要項
  • 結果発表

応募総数:260作品
受賞:14作品
主催:MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 実行委員会

大賞

自然色彩集

作品名 : 自然色彩集
作者名 : 鈴木 陽香

武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科

日本には色を表す言葉が多く存在するが、ほとんどが平安時代に生まれたもので、日本人独特の色彩観を表すには不足である。日本の色名の起源を辿ると、古代日本で使用された色名は染料・顔料による命名であったことに辿りつく。そこで私は自然そのものの色を染色によって定着させ、古代のように染料・顔料に基づいた色名に命名し直した。それを使用し色見本帖を百冊制作した。日本人の根幹にある色に対する豊かな感覚を感じてほしい。

佳作

Sunset in Between Letters

作品名 : Sunset in Between Letters
作者名 : 小瀬古 智之

武蔵野美術大学大学院 造形研究科 デザイン専攻

「拡大した細部に夕景を感じるタイプフェイス」
細部に夕景のシルエットを宿した文字を大文字、小文字、数字、約物と全70体制作しました。一見すると普通の書体ですが、拡大するとその表情が夕景のシルエットに変化します。各文字の細部を覗くと、それぞれの夕暮れ時のドラマがそこに存在します。夕景と文字の形の共通要素をヴィジュアルコミュニケーションを通して提示することが本作品の目的です。

未来昆虫記

作品名 : 未来昆虫記
作者名 : 永尾 牧子

武蔵野美術大学 造形学部通信教育課程 デザイン情報学科

私が毎日歩く東京の路上には、多くのゴミが落ちています。そんな多くのゴミが落ちている現状に少し目を向け、見直すきっかけになればよいと思い「未来昆虫記」を制作しました。この作品は、昆虫たちがこのゴミの多い東京の環境で、どんな進化や擬態を遂げ変化するのかを想像し、制作した立体作品です。実際に見て感じていただき、この虫たちが暮らす未来がどんな世界になっているかを見る人に想像してもらいたいと思い制作しました。

三菱化学賞

foot (プラットホームにおける音情報の視覚化提案)

作品名 : foot(プラットホームにおける
     音情報の視覚化提案)
作者名 : 内野 真仁

東洋大学 ライフデザイン学部 人間環境デザイン学科

“foot”は、健常者だけでなく色覚障害や聴覚障害がある方や外国の方にも使える、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた列車情報デザインの提案です。従来の電光掲示板の文字情報やアナウンス・発着メロディーなどの音声情報をより正確に伝達し、ホームの危険性を減らすことにより、利用者がより安全・快適に鉄道を利用できるよう考えました。

水野誠一賞

ことばの境目

作品名 : ことばの境目
作者名 : 真崎 大輔

武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科

本作品は、Twitterでつぶやかれる言葉の位置情報を日本地図にマッピングするwebシステムである。Twitterは2012年2月現在、日本国内だけでユーザー数は3000 万人を超えるといわれている情報サービスである。まさに今、日本人がどこでどんな言葉をつぶやいているか、どう変化しているのか。そのことばの境目を視覚化していく。web上でそのつぶやき地図を検索できるシステムを制作した。

石井幹子賞

Drifting in the mind

作品名 : Drifting in the mind
作者名 : 奥村 拓弥

京都嵯峨芸術大学 芸術学部 メディアデザイン学科

多くの人は、生活の中で常に“何か”を見ています。しかし、その“何か”とは、必ずしも認識の対象には成り得ていません。意識の下の触れるか触れないかのあたりで漂うように存在している“何か”には、新たなひらめきのきっかけとなる情報があるのではないでしょうか。この作品では、漂うイメージに触れる、消す、眺めるといった行為で、その“何か”に対峙することを試みました。

榮久庵憲司賞

風火輪

作品名 : 風火輪
作者名 : 于 冠一

武蔵野美術大学 造形学部 工芸工業デザイン学科

人間の成長に合わせて進化する軽EVモビリティの提案です。未来のスマートシティでは、短時間・短距離移動が主流となり、伝統的な四輪モビリティより、軽やかで素早く移動できる軽モビリティが多用されることが予測できます。この軽EVモビリティは、ユーザーの身長や体重、感覚などの「生理上の変化」と、習慣、センス、価値観などの「精神上の変化」にあわせて、骨格や操作方法、走り方などを変化させられるため、汎用性が高く、長く大切に使うことができます。自転車とバイクの中間で、整備も簡単な、身体に近い存在です。

向井周太郎賞

潤杯

作品名 : 潤杯
作者名 : 平澤 麻

京都市立芸術大学 美術学部 デザイン科

日本には風鈴や水盤など、季節ごとに情緒や感性を刺激するようなモノがたくさんあります。そのような日本の感性を取り入れた加湿器をデザインしました。「蒸発する」水の形ではなく、杯に超音波振動による水の微粒子を「溜める」形により、水を含んだ気体の微妙な表情の移り変わりを視覚化しました。ただ部屋を加湿するだけでなく、見る人の感性を引き出し、冬の室礼として、生活に風情や楽しみ、潤いをもたらします。

柏木博賞

うみのエフィ

作品名 : うみのエフィ
作者名 : 栗原 綾子

東京藝術大学 美術学部 デザイン科

誰もが小さい頃に夢中になったことのある絵本。夜、眠る前に親に読み聞かせてもらったとか、友達と一緒に図書室でウォーリーを探したなんて思い出をもっている人も多いのではないかと思います。紙に印刷という昔ながらのメディアである絵本は、長く人々に愛されていて、身近な存在です。その絵本について、伝えたい内容や世界観をもっと楽しく演出する方法があるのではないかと考え、新しい絵本のかたちを作りました。

河原敏文賞

人形アニメーションと砂絵の合成

作品名 : 人形アニメーションと砂絵の合成
作者名 : 三浦 義弘

京都工芸繊維大学 工芸科学部 造形工学課程

個人制作のコマ撮りアニメは、カメラアングルの固定、セットの使い回しなどで、映像が単調になりがちである。そこで、人形をグリーンバックで撮影し、背景に砂絵を合成するという新たな手法で映像を制作した。大がかりな舞台を必要とすることなく、絶えず変化する砂絵が映像の単調化を防ぐことで、ストップモーションの欠点を補った。

坂井直樹賞

Re:Sound Bottle

作品名 : Re:Sound Bottle
作者名 : 藤原 惇

多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科

録音した音声が音楽として再生されるボトル型の音楽メディア。データベース化された既存の音源を、形式的かつ無機的な行動の繰り返しによって管理・鑑賞する現代の音楽メディア。それらを扱う習慣に物足りなさを覚え、変化のある体験型音楽メディアを創りたいと考えた。日常の音声を音楽の構成要素に用いることで、普段何気なく耳にする音の無限の可能性や音楽の楽しさを再認識し、その時ならではの固有の音楽を体感してほしい。

都築響一賞

未来に生きる誰かのために-福島第一原発における封印機能をもった博物館の提案-

作品名 : 未来に生きる誰かのために
     -福島第一原発における封印機能
     をもった博物館の提案-
作者名 : 菅原 雅之

日本大学 理工学部 海洋建築工学科

原発は推進派だけが権力を握り、情報の不透明性が問題になっている。今後は包み隠さず公開し、多くの人が原発を正しく理解した上で未来への進み方を考えることが必要だろう。そこで、世界的重大事故でありながら、推進派だけが作業する福島第一原発を負の遺産とし、そこに事故原発の封印と同時に原発施設の実物を公開するための建築を提案する。原発は他人事でも宗教でもない。全てをさらけ出し、話し合えば解決策があるはずだ。

日比野克彦賞

就労継続支援事業所で作られるモノのデザイン

作品名 : 就労継続支援事業所で作られるモノの
     デザイン
作者名 : 北井 沙希

神戸芸術工科大学 デザイン学部 プロダクトデザイン学科

障がい者福祉事業所において作られるモノと道具と作り方の提案。モノ自体のデザインのみならず、作業が楽しくなったり、 誰でも簡単に作れることを目的とした。靴下の生産過程で出る廃材を用いており、「ねじる」と「結ぶ」の2つの動作だけで作ることができる。日本で増え続けている事業所において、デザイナーと障がい者が1対1で繋がるプロジェクトではなく、作り方を考えることで、どこの事業所でも真似ができ、広がりのあるモノづくりを目指した。

茂木健一郎賞

可愛威

作品名 : 可愛威
作者名 : 案浦 芙美

金沢美術工芸大学 美術工芸学部 デザイン科

女の子が毎日一回は反射的に発してしまう「カワイイ」という言葉。カワイイは自分の感覚にあったもの、好きなもの、全てに向けられる一番ポジティブな言葉だと私は思います。そんな目に見えないカワイイのパワーを、「女の子のカワイイのシンボルであるリボン」×「女の子のお洒落のように、各々の美意識が込められた服である甲冑の形」で具現化して伝えたいと思いました。各々の心を動かす「カワイイ」と思うモノ、感覚を大切にしてほしいです。