LG Mobile Design Competition 2009

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2009年10月30日、LGエレクトロニクス・ジャパンが主催する携帯電話のデザインコンペティション「LG Mobile Design Competition 2009」の授賞式が、東京都港区の六本木ヒルズ49階スカイスタジオで行われました。

韓国の総合家電・情報通信メーカー、LGグループの日本デザイン研究所と共同で開催する同イベントは、今年で2回目となります。デザイナーを目指す人を支援する目的から2008年に開催された「学生デザインコンペティション」に続く社会貢献事業として開催。今年は、応募資格の門戸を拡げ、日本在住者であれば誰でも参加可能となりました。今回のテーマは“私の形態”。商品化を視野に入れ、新規性・技術的可能性など、多面的な視点から審査されています。世界各国に約110もの拠点を置く同グループは、今後全世界で開催していく予定。

携帯電話は、今や私たちの生活に必要不可欠なもの。アナログの第1世代、デジタルの第2世代、そしてウェブの閲覧やメールが使える第3世代へと進化を遂げてきた携帯電話は、iPhoneやBlackBerryなどのスマートフォンの登場に代表されるように、機能や使いやすさが追求され続け、その仕組みは非常に複雑なものになりつつあります。しかし、今回受賞した作品の数々からは、“機能”から一歩離れ、使う側の“ヒト”と使われる側の“モノ”との関係性を問う作品が多く見うけられました。

人がごく自然に握りたくなるフォルムやデザイン、五感に訴えかけるインターフェイス。それは、愛着を持って長く使い続けることの大切さを教えてくれます。世界の携帯電話市場で圧倒的なシェアを誇るLGエレクトロニクスが主催するこのコンペティションは、第4世代の携帯電話の在り方を示唆するものとしての可能性を感じました。

応募総数は昨年の412作品を上回る527作品。このなかから、19作品が予備審査を通過し、最終審査では7作品に絞り込まれ、各賞が選ばれました。

応募作品数:527点
入賞作品数:7点
主催:LGエレクトロニクス・ジャパン

グランプリ

breathing article

作品名 : breathing article
作者名 : 大塚雄人 佐々木麻美

見事グランプリを獲得したこの作品は、携帯の機能を殻で覆い隠すのではなく、機構やデバイスとの繋がりが見えるよう透明の殻に包み、筐体全体で機器が今どんな状態かを『振る舞い』や『表情』で表現されるというもの。
「はじめはどんな機能を付加するかを考えたのですが、iPhoneのように機能はあとからアップデートできる。それなら、携帯と自分との関係性をデザインしようと考えました」と大塚氏。一方、「たくさんの機能が詰まった携帯電話は、ユーザーにとって何が入っているか分からないブラックボックス。たとえば、隣にいる友人の呼吸の変化で元気かどうかが分かるように、いつもそばにある道具の状態や変化を感じ取ることができれば、使っていて心地よく、愛着がわくという、道具との新しい関係性が生まれると思います」と佐々木氏。
現在、大塚氏と佐々木氏はインターフェイスのデザイナーとして活躍中。今回のように、プロダクトを手がけていないデザイナーが、“モノ”と “ヒト”との関係性からデザインを創出し、評価されるということに、このコンペティションの面白さがあるのではないでしょうか。

ゴールド賞

Cellphorium

作品名 : Cellphorium
作者名 : 江口海里

シルバー賞

Wheel

作品名 : Wheel
作者名 : 中島亮太郎

ブロンズ賞

RECEIVER 受話器という名のケータイ

作品名 : RECEIVER 受話器という名のケータイ
作者名 : 加藤 晃


CHAMELEON

作品名 : CHAMELEON
作者名 : 本人の意向により氏名は非公表

奨励賞

mod

作品名 : mod
作者名 : 河井大輔


Transparent blue ∽ 静謐

作品名 : Transparent blue ∽ 静謐
作者名 : 竹内 陽

一次審査通過者

大曽根一平 松本雄樹 久下玄 徳永達哉 小竹達志 今出圭祐 中村一行 渋谷一喜 松本友憲 松迫崇道 HA YUVIN 椛田繁慶(順不同・敬称略)