作品名 : breathing article
作者名 : 大塚雄人 佐々木麻美
見事グランプリを獲得したこの作品は、携帯の機能を殻で覆い隠すのではなく、機構やデバイスとの繋がりが見えるよう透明の殻に包み、筐体全体で機器が今どんな状態かを『振る舞い』や『表情』で表現されるというもの。
「はじめはどんな機能を付加するかを考えたのですが、iPhoneのように機能はあとからアップデートできる。それなら、携帯と自分との関係性をデザインしようと考えました」と大塚氏。一方、「たくさんの機能が詰まった携帯電話は、ユーザーにとって何が入っているか分からないブラックボックス。たとえば、隣にいる友人の呼吸の変化で元気かどうかが分かるように、いつもそばにある道具の状態や変化を感じ取ることができれば、使っていて心地よく、愛着がわくという、道具との新しい関係性が生まれると思います」と佐々木氏。
現在、大塚氏と佐々木氏はインターフェイスのデザイナーとして活躍中。今回のように、プロダクトを手がけていないデザイナーが、“モノ”と “ヒト”との関係性からデザインを創出し、評価されるということに、このコンペティションの面白さがあるのではないでしょうか。