募 集 終 了
「2012年ジェームズダイソンアワード(JDA)」の作品応募期間は8月2日までです。残り2ヶ月間、皆さんの考える問題解決のアイデアをお待ちしています。2012年度の日本国内審査員の方々に、今年の受賞作品に対する期待とアドバイスをいただきました。
東芝デザインセンターを経て、1994年Design Studio S設立。
エレクトロニクス商品から日用雑貨、医療機器、ホテルの総合ディレクションまで、インダストリアルデザインを軸に幅広い領域で活動をしている。
[主な作品]:無印良品「 体にフィットするソファー」/象印マホービン 「ZUTTOシリーズ」/オムロン「けんおんくん」/キュービック「9h」/JR東日本ウォータービジネス「次世代自販機」[賞暦]:毎日デザイン賞/グッドデザイン賞金賞/IFデザイン金賞/アジアデザイン賞大賞・文化特別賞・金賞/JCDデザインアワード大賞/red dot design award 賞
毎日の暮しの中には、私たちが感じることがないほどあたりまえとなっている不自由や、既に諦めて受入れている問題が多くあるのではないでしょうか。それは人が社会をつくり、お互いが快適に暮らすために合理性を優先するあまり起きていたり、システムの中でマイノリティーのニーズが軽視されたりと、何らかの犠牲を強いていることが多いように感じています。本来デザインとは、人がより良く人間らしく生きる知恵ですので、それらの問題に対して、解決の糸口を見つける大きな力だと信じています。未来に向かって開かれた、やわらかで、美しいアイデアに出会えることを楽しみにしています。
1991年から2007年まで17年余、約800回にわたった週刊誌連載「メタルカラーの時代」では、日本の「モノづくり」に携わる人々の仕事と人生を描き続け「モノづくり」への関心を高めることに貢献。『100年後に残すメガ仕事』など「メタルカラーの時代」シリーズの単行本と文庫本(小学館)は合計24冊になる。先端科学技術を追い続ける情熱は衰えることなく、また使命感をもってそれらを日本の誇りとして一般にわかりやすく伝えることに力をそそいでいる。
小惑星探査機「はやぶさ」の7年間にわたる取材成果をまとめた『小惑星探査機はやぶさの大冒険』は2010年の科学書のベスト1位となった。2012年2月公開の東映映画『はやぶさ 遙かなる帰還』(主演・渡辺謙)の原作。
日本の「ものづくり」の力は、世界をしのぐ力が存分にある。日本のメーカーや企業の環境や社会的貢献への意識も、世界のトップ水準にあることを実感している。なのに、日本の「ものづくり」や「ビジネスモデル」が「今ひとつ」なのは、「きまじめ」すぎる国民性によるところが大きい。「すでにあるモノ」の完成度を徹底的に上げることにはどこもに負けないが、「どこにもないもの」を産み出すことが不得意。日本には「千三つ」という言葉ある。1000の新発想や独創、新基軸が思い浮かんでも、製品として実現できるのは3程度。「330分の1の可能性に賭けるのはリスクが大きすぎる」という、これも生真面目な判断が働き、アクションにブレーキをかけている。だが、世界を動かしてきたものは、いずれも「千三つ」なのである。このアワードは、その「ブレーキ」を解き放ち、世界を変える独創を競う場なのである。すばらしい提案の応募を楽しみにしています。
かぶとむしにインスピレーションを得て干ばつを阻止する (オーストラリア)
浮き輪発射装置(オーストラリア)
キッチン蛇口備え付けの消火器(英国)