富山プロダクトデザインコンペティション 2010

募 集 終 了

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  • 募集要項
  • 結果発表
同コンペは、商品化を前提として開催しているコンペティションで、今年で17回目を迎えます。富山県内の企業と全国のデザイナーとの接点をつくり、そこから生まれるデザインを「とやまブランド」として創出することを目的としています。今回のテーマは「富山の○○をリデザインする」。「○○」と「リデザイン」の2つのキーワードには地域の企業とデザイナーがどう向き合い何を開発していくか、商品のさらに奥にある広がりをデザイナーがどう表現するかという期待が込められ、全国から作品を募りました。 今回、最高賞である「とやまデザイン賞」に選ばれたのは、吉田智哉氏の「錫とアクリルの水筒」。錫、樹脂など複数の素材を組み合わせデザインを提案することによって、企業間の新しい「つながり」が生まれ、「つながり」こそが新商品や企業ブランドを構築する上で富山県の強みになると訴えたコンセプトが高く評価され、受賞に至りました。

ここでは、入賞作品3点をご紹介します。

応募作品数:149点
入賞作品数:3点
主催:デザインウエーブ開催委員会(富山県、富山市、高岡市、富山県新世紀産業機構)

とやまデザイン賞

錫とアクリルの水筒

作品名 : 錫とアクリルの水筒
作者名 : 吉田智哉

富山の強みは多彩な素材と技術が共栄していること。人と人とがつながり、技術を伝承させてきたように、素材や技術同士の「つながり」を再考し、富山の「顔」になる、強い商品を提案しました。「水筒」をケーススタディとし、富山の特色である素材同士が支え合い、お互いを補完しあいます。錫は、その浄化作用によって飲み物を清潔に保ち、アクリルは錫を支える構造体として機能します。富山の清流に流れる水のごとく、モノとしての力強さを持ち、同時にやさしく生活に寄り添います。

準とやまデザイン賞

くすりBook

作品名 : くすりBook
作者名 : 神山将人

薬のパッケージの新スタンダードを目指すデザイン提案です。従来の薬のパッケージにおいて薬の説明書は、箱の裏や同封の紙などに小さな文字で書いてあるだけで読みづらく、また無くしてしまったりしがちで、間違った薬の使い方を誘発する可能性があります。特に市場拡大が期待されるネット通販では、その点が規制緩和の障壁にもなっています。この「くすりBook 」は本型になっており、薬と説明書がひとつの本になっています。そのため文字は読みやすく、無くしてしまうこともないので、安全性が高くなります。持ち運びも便利です。江戸時代に富山で薬の流通革命を起こしたように、ネット時代の現代でもう一度!

黒木靖夫特別賞

My Time (minute)

作品名 : My Time (minute)
作者名 : 谷村 秀

My Timeと名づけたプロダクトは全ての「時」に対応が可能な柔軟性のある砂時計です。垂直に落ちる白砂は3分を刻み、黒砂は1分を刻みます。左右に回転させ使用する事により、2分、4分、5分と必要な時を計る事が可能であり、用途に応じて無限大な組み合わせが行えます。外観を透明度の高いアクリル樹脂で構成させたフォルムは、見る角度により屈折した表情の面白さも考慮し設計してあります。数字や角度、音などで時を認識する計機ではなく、ゆるやかに流れ落ちる砂の軌跡から経過を感じとり、ほんの些細で限られた時の終わりを心地よく演出させるプロダクトです。