AIによる画像生成技術が普及しはじめ、制作に自信がない方も作品を作ることができるようになったり、新たな芸術表現を模索できたりと、クリエイティブの可能性が広がっています。コンテスト界隈でも、イラストコンペやフォトコンを中心に、生成AIによる作品を許容する企画や積極的に募る企画が出てきました。
ただし、多くのコンテストではまだ「生成AIを利用した作品は応募不可」にしているのも現状。著作権の所在や作品の質など、課題も多いからです。では、生成AIにどう対応したら良いでしょうか?画像作品について考えてみましょう。
不可だと募集要項に明記するのが鉄則ですが、応募者が募集要項のすべてに目を通すのは大変で、見落としも多かったりします。
当社がお手伝いするコンテストでは、応募Webフォームで注意事項の同意チェックを必須項目にし、チェックがないと応募できない仕組みにしています。
ただし、それでも生成AI作品が応募されるケースがあるのも、残念ながら事実です。AI画像チェックツールも世間には存在しますが、精度が高くなくオリジナル作品を誤認識するリスクがあります。
生成AIを利用した作品も応募OKにすると、作品数増加が期待できるかもしれません。ただ、細部に重大な欠陥があったり、学習元の作品が色濃く現れていたりして、発表後に批判を浴びるケースも。
コンテストの主催者は皆様、審査員にさまざまな関係者・有識者を入れて、作品の構造や著作権などを含めた厳正な審査を行っています。しかし限られた時間と人数で審査する限り、漏れは出てしまうものです。
そこで、最近私たちが考えるのは、ノミネート作品の「人気投票」を実施し、多くの人の目に触れさせることで、賞が決定する前に生成AI作品の問題を見つけることができるのでは、というアイデアです。
「人気投票」はもともと、より多くの方に好まれる作品を見出すための施策です。でも時代とともにツールの使われ方は変わるもの。「人気投票」のパラダイムシフトともいえます。審査に人気投票があると公表することで応募者へ注意を促し、生成AIとコンテストの関係性を良好にする一つの手段になりうるかもしれません。
生成AI元年とも呼べる2023年春、武蔵野美術大学・学長の樺山祐和氏は生成AIについて「新技術を柔軟に活用し、また危惧される側面にも十分に配慮し、制作や研究に真摯に向き合ってもらいたい」とコメントしました。コンテスト応募可、不可いずれの場合でも、柔軟に対応していきたいですね。
当社では作品受付や審査をオンライン上で行えるWebフォームや、Web上で人気投票を行うシステムのご提供も可能です。また、公募やコンテストの開催にあたっての疑問にもお答えしておりますので、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください!