結果発表
2016/11/09 10:00

パッシブデザインコンペ 2015~いま、“パッシブデザイン”に集まろう。~

応募作品数:37点(住宅部門)
主催:一般社団法人パッシブデザイン協議会
※ここでは、住宅部門の上位4点をご紹介します
※施設・建築部門の大賞および優秀賞は該当なし

大賞

アクティブに暮らす、パッシブデザインの家
冨田享祐、松田毅紀、南澤圭祐
アクティブに暮らす、パッシブデザインの家
審査コメント(一部抜粋)
南に高く北に流れる片流れ屋根、こうすると夏の強烈な日射をどのように対処するかがテーマとなる。比較的南面が壁で閉じられているプランは南に隣家が近いことによっているのだと気づく。二階リビングの採用、夏のために装備された高窓のターフ、南面水平ルーバー、いわば敷地の負の個性、それが正の個性となるデザインといえよう。広いテラスが東のビスタの発見がこの建築家の手柄、落葉高木の植栽も将来が楽しみ。ただ駐車場のコンクリートはいかがか?(野沢正光)

優秀賞

科の木箱 37/100
葛西 潔(葛西潔建築設計事務所)
科の木箱 37/100
審査コメント(一部抜粋)
サンルームに特徴があるシンプルな木箱。一般にサンルームは夏の対策に苦慮する。日本の気候が極端に夏冬の差を持つからだ。このプロジェクトはその解決を外付けブラインドなどの装備によって片づけようとするもの。この策謀はきっとうまくいっているのであろう。ただ、エネルギー消費量のグラフにあるように深夜電力利用の床暖房の採用、これはいただけない。これほどの策謀を駆使できる建築家には言うまでもないことだが電力の資源使用量という重たい課題にも思いをはせていただきたかったと思う。(野沢)

特別賞

京町町家
株式会社ザイソウハウス
京町町家
審査コメント(一部抜粋)
三棟の住宅が作る好もしい緑地、この生育がきっとここを戸建て住宅地の中で他と違う豊かさを作り出すに違いない。個ではなく数棟の独立住宅を群として考えることができればそこに現れる環境は豊かなコミュニティを作り出す。住宅はQ値2.3とのこと。オーエムであることを考えるともう少し建物の断熱蓄熱レベルをあげたかったか。夜間の温度降下が幾分でも蓄熱により緩和されるとよかったか。豊田市、自動車産業の城下町のせいか駐車スペースが敷地面積の30パーセント弱を占めているのか。コンクリートの擁壁、コンクリートの舗装は景観上も何とかしたい。(野沢)
AKASAKA BRICK RESIDENCE
木下昌大、石黒大輔、内海大空
AKASAKA BRICK RESIDENCE
審査コメント(一部抜粋)
施設建築については総評でも述べたが応募が少なく応募作品が建築としてのビジュアルが優れていてもパッシブな視点から評価できるかとの問いに積極的にこたえるものではなかった。特別賞はこのブリックによる被膜が日射による負荷を緩和し環境的言語としても都市景観に対しても一定の意義を持つものになりうるのではないか、という一点による。ただしここでのサーモ画像は降雨の翌日のものであり晴天続きの状況を考えると全く逆の効果をもたらすのではと考えることも容易だ。例えば雨水の貯留利用などにより一定の水分をこれに保持させるなど根本的工夫無しで評価はできない。(野沢)